ジェニーの肖像 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488566012

感想・レビュー・書評

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  • 読んでる途中で気づいたけど、これたぶん小学生とか中学生とかそのぐらいの時に読んでる、そして観ている。
    その時はすごく好きだったけどいつの間にか忘れてたんだなあ。また出会えてうれしい。
    二編とも愛する人を失う話で、しかもアンハッピーエンドなんだけど、愛する人がいい感じにミステリアスで(きっと)男性から見て程良く理想化された献身ぶりでとてもかわいらしい。
    ジェニーがあのまま海に飲み込まれなかったらどうなるのだろうと考えたけれど、きっと彼の年齢を追い越して、10年以内におばあちゃんになる。彼はまだまだ若いまま。海に飲み込まれたほうが幸福なのかなと今になって少し思う。

  • 「別れ」を予感しながらも出会ってしまう運命(?)は正直きついです。表情豊かで色彩に溢れた文章なのに、ざらついた質感がつきまとって、なかなか小説に没頭出来ませんでした。
    同時収録の「それゆえに愛は戻る」の方がまだ救いがあるかも。

  • 人生の悲哀・希望・永遠の名作です。

  • 2回目です。
    表題作と「それゆえに愛は戻る」の2編が収録されています。

    売れない青年画家・イーベンが冬の公園で出会った少女・ジェニー。
    彼女は彼の前に現れるたびに、数年を経たかのように成長していきます。
    2人のあいだには出会ったときから愛が芽生えていましたが、どうやらジェニーは過去からやってきたようなのです…

    初めて本書を手に取ったのは、恩田陸さんの『ライオンハート』を読んだから。
    時代を超えて巡り合う運命の男女を描いた『ライオンハート』が本書へのオマージュだと知り、読んでみたのです。

    物語の冒頭から漂う喪失の気配は、読者の心にざわめきと切なさを絶え間なく伝えてきます。
    そして読後も、さわさわと微かにしかし確かに、読者の中に響き続けるのです。

    再びこの本を読むときがくる、という予感がします。

  • 淡々としたノスタルジックな作品。
    「ジェニーの肖像」も併録の「それゆえに愛は戻る」も喪失で終わってしまう。
    個人的には「それゆえに愛は戻る」がお気に入り。冒頭の詩がとても美しい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ジェニーの肖像」と言えば、石森章太郎が描いた、名作「昨日はもうこない、だが明日もまた…」を思い出します。
      インスパイアされて描いた作品は、...
      「ジェニーの肖像」と言えば、石森章太郎が描いた、名作「昨日はもうこない、だが明日もまた…」を思い出します。
      インスパイアされて描いた作品は、盗用・盗作と言われそうですが、忘れ難い作品です。また読みたいなぁ~
      2012/09/04
  • 検索したら児童書にもなっている作品で驚いた。
    物悲しく寂しい雰囲気を漂わせるが、細かい風景描写などなが繊細で独特な作品だった。

    • Arisaさん
      検索したら児童書にもなっている作品で驚いた。風景描写など細かく悲しく寂しい雰囲気。
      検索したら児童書にもなっている作品で驚いた。風景描写など細かく悲しく寂しい雰囲気。
      2022/07/28
  • 売れない画家。春幼児のジェニーに会う。数か月後再会少女に、さらにそのあと女性に。実は過去から来ていて、最後暴風で客船から海で死亡。同時期に、海で再会したが救出できず。
    タイムトリップだが、主人公と同じ方向の時間の流れ。「時尼」は時系列が逆。違う。「昨日明日」 はやはりプロットが「時尼」と同じすぎる。
    タイムスリップでの出会い。この作品のオマージュとして恩田陸「ライオンハート」、梶尾真治「時尼に関する覚書」・七月隆文「明日ぼくは昨日の君に会いに行く」がある。
    併載「それゆえに愛は戻る」は妻を喪失した父子に神からの遣いか海から現れるキャスリン。喪失を埋める神の計らい。

  • 愛と喪失の物語。時空を超越して現れる女性を愛した男の物語だけど、同じように永遠であってほしいと願った過去が誰にでもあるから胸に染み入るんだと思う。

  • 小説

  • ミステリマガジンで、恩田陸さんが紹介されていたがきっかけで、手に取りました。
    誰しも経験する、喪失について描かれた作品。
    誰かと分かち合ったり、誰かに肩代わりしてもらうことが出来ない感覚、感情、そういったものを、静かに描き出していると感じました。
    もしかしたら、最初から無いそれを、薄々理解していながら、あると期待して生きているのがヒトというものなのかも。

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