不思議の国の少女たち (創元推理文庫)

制作 : 原島 文世 
  • 東京創元社
3.55
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本棚登録 : 162
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488567026

作品紹介・あらすじ

そこは奇妙な学校だった。入学してくるのは、異世界へ行った、不思議の国のアリスのような少年少女ばかり。戻ってはきたものの、もう一度“不思議の国”に帰りたいと切望している彼らに、現実と折り合う術を教える学校なのだ。転入生のナンシーも、そんなひとり。ところが死者の世界に行ってきた彼女の存在に触発されたかのように、不気味な事件が。アリスたちのその後を描いた、ヒューゴー賞など三賞受賞のファンタジー3部作開幕。

感想・レビュー・書評

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  • 「不思議の国」にも色々あって、ナンセンスだったりロジックだったり。でもそこへ行った子供たちはみんな一様に帰りたがっている。よばれたのはきっとその世界に合う要素があるから。みんな「故郷」に帰りたいと思っている。そんなか少年少女たちの学校で事件が起きる。ファンタジーと推理小説的要素が合わさった、不思議な視点の小説でした。登場人物の設定が面白く、彼女たちの冒険はどんなものだったのか想像させられます。短い話しでも深みがあり楽しめました。

  • 三冠受賞という高評価が謎。

  • 期待したほどおもしろくはなかった。
    鬱屈したティーンエイジャー時代に読むと、もしかするとものすごく読み取って共感できたのかもしれない。
    関連作品を読むともっと楽しめるのかしら。

  • 果たして,ファンタジーとは現実からの逃避なのか.アリス・ナルニア国・オズ,これらの世界を扉の向こうに据えながら,現実世界での“帰国者”達の心の葛藤を,事件を通して描く.決してファンタジーは心休まる精神的安定世界ではなく,現実世界とのバランスの下で成り立つ確固たる世界観を備えている,コインの裏表であることを突きつける.

  • ドキドキしっぱなしだった。異世界へ行った子供たちが元の世界に戻ってきてそれで幸福に暮らしました……とは限らないわけで、異世界が自分の場所だと知ってしまったとしたら、ここにいる彼らは不幸しかない。なんてなんて、哲学的で面白い小説なんだろう! ここではないどこかのことを実際に経験した者たちは、誰もが自分は主人公だと、暴力的に思わせる。本気で久々に考えさせられる小説。
    早く2巻3巻が読みたいです。

  • 異世界へ行った経験をもつ少女少年たちが集められた寄宿学校。死者の殿堂から戻ったナンシーの転入から事件が起こる。
    異界冒険譚の数だけ、訪問者・帰郷者のその後がある。扉の向こうを想い、分析し、現状と向き合う。
    ハイファンタジー好きには苦くて楽しい物語。

    ナンシー、スミ、ジャックとジル、ロリエル、ケイド。短い物語の中でそれぞれの冒険を追体験した気持ちになる。
    エリノアの来し方とその後はどうなるんだろう。
    続巻も楽しみ。

  • 本屋で平積みにされていたしヒューゴ・ネビュラ賞W受賞と書かれていたので興味を持ちました。SFというよりはファンタジーだよね、コレと思いながら読みました。

    原文なのか訳なのかはわかりませんがちょっと文章が固いというか、わかりにくい表現があったり、どこにかかっているのかわからない単語とかがありました。まあ出てくる言葉自体もとっつきにくくて難しいんですが。高ロジックとかいきなり言われてもよくわからない(笑)ナンシーの戸惑いはよくわかる(笑)そして同じような経験をしている割には排他的というか同属感が無い子供たちだなぁ…と。まあ子供ってほど子供でもないか。主人公だって16だか17って書いてあったし。確か。

    個人的にはナンシーよりはジャックとジルの双子の方がキャラが立ってるし面白いなぁと思いました。案の定食われちゃった感じがしなくもない。でもナンシーの方がモテてる感じなのはなぜなのか?(笑)
    ジャックの最後「故郷」ってのは原文ではHomeなのかなぁ。訳って確かに難しそう。あの二人の最後はなんとなく好きでしたが、それに至る過程はう~ンという所。

    神隠しにあった子が現実に適応できなくて、でも現実に適応するための学校に行くのかと思ったら殺人事件が起きて、これってミステリーなの?と思ったら骨が動いたりしてなんだ結局ファンタジーなの?とちょっと世界観が統一されてなかった気がします。

  • 17才のナンシーはある日突然異世界(死者の殿堂)へ迷い込み元の世界へ戻された。しかし当然誰もそんな話は信じてくれず、本人にとっては数年の出来事だが元の世界では半年間の失踪、両親は家出と認識、同じような問題を抱えたティーンエイジャーを更生させるための寄宿学校へ入学させる。

    その学校にはナンシーと同じように様々なタイプの異世界への扉を開いてしまうも現実世界へ戻された生徒たちが集まっており、校長のエリノア自身もその体験を持っている。その経験を「忘れたい」「忘れて日常生活に適応したい」者は別の姉妹校へ、その別世界を故郷と呼び戻りたがる者はこの学校へ来て、体験を語り合いセラピーを受ける。

    お菓子の国から戻ってきたルームメイトのスミや、妖精の国で王女として暮らしていた美少年ケイド、ヴァンパイアの国から戻ってきた双子のジャックとジル、骸骨国から戻ったクリストファーなど、個性的な生徒たちに戸惑いつつも馴染もうとするナンシー。しかし突然の猟奇的な連続殺人事件の勃発、疑われたナンシーは・・・。

    まず不思議の国でアリス的体験をした少女たちのその後、という着眼点が面白いですね。古今東西、児童文学からアニメの類いまで含めれば相当の数の異世界トリップものがあるけれど、それらの大半は一種の「行きて帰りし物語」で、異世界での冒険を終えたら現実世界に戻ってくることまでが遠足、無事帰還してめでたしめでたし、となりがちだけれど、もし、そっちの世界から戻って来たくない、そちらのほうが自分の居場所だと思ってしまったら・・・? 時間の流れも違い、神隠し期間の話をしても下手をすれば狂人扱いされ、一生その違和感や喪失感に苦しむことになる。

    エリノアの学校は、そんな別世界はありませんよ、夢を見ただけですよ、と否定→説得しようとするのではなく、まず肯定、さまざまな種類の異世界への扉はいたるところにあり、なんらかのタイミングの合致で誰でも簡単にそちらへ入り込んでしまうことは現実に起こるもの、と認めた上で、世界の傾向を分析、生徒たちに、その後の生き方の選択肢を提示し、猶予の期間を与えてくれる場所。ほとんどが少女で、少年が少ない理由というのもなんとなく納得。生徒のセリフでさりげなくナルニアをディスっていたりして、なかなかシニカルな面もある。

    日本語タイトルから受けるふわっとした印象と違い(ちなみに原題は『EVERY HEART A DOORWAY』)意外と血なまぐさい事件が起こったり、一言に「少女」といっても主要登場人物はローティーンではなくハイティーン、ゆえに性的に露骨な会話などもちょいちょい出てきて驚いた。連続殺人事件が起こるのでミステリーの範疇だと思うけれど、犯人推理は登場人物が限られているのでそれほど難しくない。謎解きよりはキャラクターと設定を楽しむラノベっぽさもあり、女の子なのに異世界でマッドサイエンティストの弟子になっていたジャックはクールメガネ系男装の麗人、逆に女の子と間違えて妖精国にさらわれたケイドは中性的な美少年、ジャックの双子の片割れジルは典型的なゴスロリなので、萌え絵でアニメ化とかも違和感なさそう。

    個人的には南米系で骨笛で骸骨を動かせるクリストファーがお気に入りでした。しかし異世界的なアイテムや能力を彼だけがなぜ現実世界に持ち込めているのかという謎は残る気が。解説によると本書は3部作の1作目で、2作目はジルとジャックの前日譚らしい。ジャックもとても魅力的なキャラだったのでとりあえず2作目翻訳待ちですね。

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