- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488611033
作品紹介・あらすじ
密航したホヴァーシップが沈み、ただひとり海上にとり残された家出少年のジョニー。彼を救ったのは、なんと一群のイルカたちだった。彼らに運ばれていった先の孤島では、科学者たちがイルカ研究のために暮らしていた。しかも、所長はイルカ語を解し、このイルカたちも人間と意思を通わせることができたのだ。名匠が、大海原の神秘と景観をあますところなく描いた海洋SFの傑作。
感想・レビュー・書評
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解説子がいう「クラークのストーリーテリングに不満のある人」というのが、まさに自分(>_<)
未来描写が何よりの主眼で、物語はあくまでそのお膳立てに過ぎない(>_<)
人物がみな極端に単純(たいてい科学バンザイの楽観主義者ばかり)で、ワキ筋がぜんぜん広がらず人間ドラマが貧弱(>_<)
大ヴェルヌ先生と似て非なるのが、そこんとこ(>_<)
苦手な作家(>_<)
が、それなのに やたら印象強いのがクラーク作品の罪深さ( ´ ▽ ` )ノ
「海底牧場」も「太陽からの風」も、遠い昔にいっぺん読んだだけなのに、クジラの搾乳シーンやら宇宙ヨットレースシーンやら、いまだに脳裏にくっきり焼き付いている( ´ ▽ ` )ノ
本作もまたそうなりそう( ´ ▽ ` )ノ
いくらジュブナイルとはいえ さっぱり深みのないテーマ・ストーリーなのに、いやむしろそれゆえなのか、やたらヴィヴィッドな映像が脳内想起される( ´ ▽ ` )ノ
イルカに引かれた波乗りジョニーとか、(ほぼ無批判に描かれる)オルカロボトミーとか、たぶん一生記憶に刻まれるんだろうな( ´ ▽ ` )ノ
まあ、こういうのがあるから、ついつい好きでもないのに読んじゃうんだな、クラーク( ´ ▽ ` )ノ
解説、もうちょっと刊行が遅かったら 海洋SFの一として「深海のイール」も付け加えられてたんだろうな( ´ ▽ ` )ノ
自分的には大嫌いな小説だけど( ´ ▽ ` )ノ
2018/10/14詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひょんなことから家出をした少年が、そのままとある島で暮らし始め、イルカと交流を深めていく物語。
全体的に王道な話で、ひとつひとつの章も短くまとまっていて読みやすかった。
ただ、シャチの扱いがなー... これでいいのか?と思った。確かに話的にはああなることが大事なんだろうけど...読んでて悲しくなってしまったな -
密航した船が難破し、イルカに助けられた少年。着いた島ではなんとイルカが人間の言葉を理解していた、と扉にある。おお、これは「モロー博士の島」みたいな恐ろしいドラマチックな秘密が現れるのか?と思った。が、16歳の少年ジョンの明るい成長物語だった。流れついたイルカの島で潜るサンゴ礁の海中の素晴らしさ、イルカの素晴らしさ、これをクラークは描きたかったんだろうなあ。
主人公の少年は16歳で両親が幼くして死に、叔母に育てられているがいずらく家出する。そして、1人海上に放り出さ船の破片にのり漂っていると、イルカが破片の下にもぐりオーストラリアのサンゴ礁の島に連れて行ってくれる。おおー、なんて素晴らしい。そして島では科学的な、表立った研究として、イルカ語を研究していた。
イルカと仲良くなっていくところでは昔のTV「わんぱくフリッパー」を思い出した。
1963発表
1994.2.18初版 1994.3.8再版 図書館 -
これは面白かった。
例によって投げっぱなしの伏線とかあるんだけど、メインが「少年の成長物語」なので気にならない。
特に難しい話もないし、「あー面白かった」で終われる本。 -
イルカの島 (創元SF文庫)
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古書購入
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家出少年が、九死に一生を得てたどり着いた島で人のみならずイルカとも深く交流していく近未来SF。物足りないくらいさっぱりとして読みやすいのに、海の情景や少年の勇気は色濃く感じられる。
SFの懐は海のように深いなぁとしみじみ。 -
作者に対して抱いていたイメージからすると意外な内容だった。爽やかな気分になる良作。
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読みやすい海洋SF。
人類以外の知的生物と言われるイルカと主人公との交流が描かれる。
海が持つ生命の輝きが存分に描かれ、海が身近にある島に憧れる。
イルカ族に伝わる昔話に宇宙船が登場するなど、想像力が掻き立てられる。