何かが道をやってくる (創元SF文庫)

制作 : 大久保 康雄 
  • 東京創元社
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本棚登録 : 572
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488612016

感想・レビュー・書評

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  • '17/1029
    この季節、冷たい雨が降ってくると雰囲気ぴったり。
    ウィルの父親の年代なので、そちらの視線で読んでも新しい発見があって面白い。
    子供時代の溌剌とした感性が見事に描かれていますが、底辺に流れているのは死。しかも死=虚無として捉えられていて、ベタベタなファンタジーとは一線を画しているなって感じで全く色褪せない。やっぱり、傑作です。

    '13/10/29
    やっぱりこ季節になると手にとってしまいます。
    13歳の二人の男の子が主人公というより、54歳なのに老人とまで言われてしまう老け込んでしまった父親の再生の物語でもあるのだ!
    善と悪との対立といった単純な構図でないのも好ましいです。誰しもが抱える闇に立ち向かう勇気こそが大事。

    ’09/10/14
    そろそろハロウィン。この時期になると読みたくなるのがこの作品。毎年10月になるとあちこち開いてみたりしていました。いつだったか挿んでおいた楓の葉がページの間から細かな破片となってぱらぱらと落ちてきたのを見て、10数年ぶりに読み通してみました。「それは、子供たちにとってとりわけ楽しい月、十月のことであった。」から始まるこの物語は、晩秋の曇りがちで雨も多く薄暗い季節をとても不気味だけれど魅力的な世界に変えて行きます。13歳の二人の男の子が住むアメリカの片田舎に不気味なカーニバルがやってきて、次々に不思議な事が起こって行く話なのですが、子供たちの描写だけでなく、54歳のちょっと老けた父親がまたすばらしく描かれています。図書館からの勤め帰りに酒場で一杯だけウィスキーを飲むシーンがあるのですが、最高です。冷たい雨の音や雷、夜の空気の匂いを何であんな風に描けるのでしょう。やっぱり大傑作です。

  • レイブラッドベリの怖くて綺麗で人を惹きつける素晴らしい作品の一つだと思う
    読んでいて怖くて仕方なくて背中がゾクゾクして夜が来て欲しくなくなるような本なのに、読むのをやめられなかった
    確か10月はたそがれの国などでもサーカスがやってくる話があったと思のだが、レイブラッドベリはサーカスになにかしらの特別な感情があるのだろうか

  • レイ・ブラッドベリの本はバイブルだったかも。・・・たぶん今も。
    子供の頃始めて『何かが道をやってくる』を読んだとき、そのナニカ、得も言われぬ…まるで死んでいくことを見せられた気がした。
    でもそれは暗いモノではなく、何故か納得とか理解に近いモノだったことを覚えている。

  • 人々の命や時間を弄ぶ邪悪で奇怪なカーニバルに、二人の少年と、一人の父親が立ち向かうファンタジー小説。
    入墨男、骸骨男、一寸法師、魔女、時間を操るメリーゴーラウンド、鳴り響くカライアピー(蒸気オルガン)――登場人物や装置は不穏ながら鮮やか。しかし、叙情的な語り口や、高潔ささえ感じさせる結末が、同時に物語に優しさをも与えている。

    表紙は、藤田和日郎による期間限定カバー。藤田自身、『からくりサーカス』がこの作品から影響を受けたことを公言しているけれど、確かに小説の世界によく合っている。

  • 東京創元推理文庫・その4

    コメントは「東京創元推理文庫・その1」でご覧下さい。

    2019/05/10 更新

  • 訳:大久保康雄、解説:厚木淳、原書名:Something Wicked This Way Comes(Bradbury,Ray)
    到来◆追跡◆出発

  • 本の後ろ側に書いてあるあらすじと本の内容が違う気がする。

    あらすじは13歳のジムとウィルが住む町に怪しいサーカス団がやってくる。サーカス団は人の年齢を変える回転木馬を持っており、それを使っていろんな人をサーカス団に取り入れてしまうという内容。

    魔女や刺青男、図書館の暗い書架、電気椅子など恐怖や幻想などの要素がかなりあり、読んでると引き込まれてしまう。

    「何か」というのは「死」というふうに解釈した。死や寿命を気にせず、今を楽しむ。図書館の管理人のチャールズ・ハロウェイはそれをスマイルで教えてくれた気がする。子どもの物語でもあり、大人の物語でもある。スマイルやハグでサーカス団を壊滅させる図書館管理人、個人的にツボ。

  • これは、ぼくの好きなアメリカのSF作家レイ・ブラッドベリの長編デビュー作です。『何かが道をやってくる』『Something Wicked This Way Comes』というタイトルがもうかっこよくないですか? 「何か気持ち悪いものがこの道を来るよ」っていうね。

    内容は、アメリカの中部、大草原の町に年に1度カーニバルがやって来るんですが、そのカーニバルを主催しているのが悪魔なんです。ファンタジーなので。この悪魔たちは子どもをさらっては、カーニバルの一員にしてアメリカ中をまわっているんですね。

    悪魔の乗り物に、1回まわるごとに1年若返ったり、逆に年を取ったりできるメリーゴーランドがあるんです。子どもたちはそれに乗って早く大人になろうとします。子どもの母親は死んじゃっているんですけど、お父さんは「これに乗ってもう1年若返ろう」というようなことを考えます。でも、それに一度乗ったら、自分も悪魔になってしまうんです。恐ろしい設定ですね~。その中で男の子2人がなんとか頑張って、何百年もアメリカ中をまわっていた悪魔をやっつけるという素晴らしいファンタジーで、感動しました。

    (公式メルマガ「ブックトーク」27号から一部抜粋)

  • 子供の頃からサーカスって少し怖い感じがしていた。サーカス団って異界の住人のような感じがして。昔の見世物小屋的なものというのは更に異界だったんだと思う。
    避雷針のセールスマン、午前三時にやってきた列車、月が張ったテント、狂ったようにまわる回転木馬。。。
    この小説に登場するカーニバルはまさに異界の住人たちで、そんな異界の住人と純粋な少年ウィルとジムとの攻防を描いた幻想的な物語。さらにウィルの父親がとても重要な役割を果たす。
    奇妙な世界観に引き込まれました。

  • 1964版を読む。まずプロローグの六行に感動してしまってたまらない。旅行に行く前の気持ち。

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著者プロフィール

1920年、アメリカ、イリノイ州生まれ。少年時代から魔術や芝居、コミックの世界に夢中になる。のちに、SFや幻想的手法をつかった短篇を次々に発表し、世界中の読者を魅了する。米国ナショナルブックアウォード(2000年)ほか多くの栄誉ある文芸賞を受賞。2012年他界。主な作品に『火星年代記』『華氏451度』『たんぽぽのお酒』『何かが道をやってくる』など。

「2015年 『たんぽぽのお酒 戯曲版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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