- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488612054
作品紹介・あらすじ
幻想と叙情の詩人ブラッドベリの魔法の力で、読者はこの世には見えないものを見せられ、触れられないものに触れることができる。読者は、あるときは太古の昔に誘なわれ、またあるときは突如として未来の果てまで運ばれてゆく。「太陽の金色のりんご」「霜と炎」「霧笛」など、ブラッドベリ自身が16編を自選した珠玉の短編集。
感想・レビュー・書評
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SF。短編集。
ノスタルジックで優しい話もあれば、ブラックな話、ハードなSFもあり、バラエティ豊か。
有名な「霧笛」はもちろん良い。
「「ウ」は宇宙船の略称さ」「初期の終わり」「宇宙船」「宇宙船乗組員」の4作品は、とても優しく、感動。
「雷のとどろくような音」のブラックな結末と、あまりにも息苦しい「長雨」も印象的。
個人的ベストは、中編の「霜と炎」。
8日間しか生きられない人類の物語で、世界観が好きすぎる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『ス』の方は手元になかったのでこちらだけ読む
ブラッドベリはSFの中でも
そこに宇宙があるからそこへ行く
未知なるものを知ろうとせずにはいられないから
それを知ろうとするという点のみを取り出して
ファンタジーすなわち空想物語のほうへ開いているので
SFとは違うんではないかと思わないでもないような気もするが
広く捉えればやはりSFでもある
ジャンルSFの中でこそこの形式が光るという意味で -
オリジナルは1962年の出版ということで、さすがに古さは否めないものの、発想や設定のブッ飛び方は評判に違わず、後進のSF作家たちに大きな影響を与えたであろうことが容易に理解できる。
おそらく藤子・F・不二雄氏等も大いに感銘を受けたのでは?
また、これを自薦したレイ・ブラッドベリ氏が、宇宙への進出というものに対して多大な憧憬を抱いていたことも窺い知ることができて興味深い。
現代にそぐわない表現や直訳風の拙い文章などが散見されるので、全面新訳等仮に出せば、さらに著者の魅力とスケールが伝わるだろう。
僭越ながら表題はこれよりも「ロはロケットのロ」の方がよかったんじゃないかとも思うのだが…。 -
約3年ぶりのブラッドベリ。
肌寒くなってくるころに彼の小説が恋しくなりますが、できればゆったりとした精神状態で読みたいところ。ここ数年はドタバタしていたので中々手に取る気分になれませんでしたが、ちょっと落ち着いてきたので、こちらの作品を読了。
タイトルどおり(?)、宇宙に関する作品が多く掲載。宇宙に対する憧れや恐怖、理不尽さや故郷への哀愁など、様々な思いが繊細な筆致で描かれます。
「『ウ』は宇宙船の略号さ」、「初期の終わり」と、初っ端から宇宙への憧憬を描く作品が続き、なんだか純粋な気持ちに。ただ、その後は「宇宙船乗組員」や「長雨」、「この地には虎数匹おれり」といった、宇宙の理不尽さや脅威、残されたものの焦燥感を描く作品も。また、「霧笛」や「雷のとどろくような声」は宇宙とは直接関係ありませんが、どちらも趣がある作品。前者は、未知のものがあらわれる情景がまざまざと浮かびますし、未知のものへの恐怖ではなく、その孤独さに心を打つ作品。わずか20頁ながら素晴らしい作品だなあと。後者はバタフライエフェクトを描く古典的作品。
個人的にすごい興味を抱いたのは、最後に収録される「駆けまわる夏の足音」です。これ、単に新しいテニスシューズの履き心地は最高だ!って感じの作品で、物語だけを追うと何ともない作品なのですが、そんな微細な感情をここまで豊かに描くのだなぁと感心。これは解説にも助けられました。 -
「幻想と叙情の詩人ブラッドベリの魔法の力で、読者はこの世には見えないものを見せられ、触れられないものに触れることができる。読者は、あるときは太古の昔に誘なわれ、またあるときは突如として未来の果てまで運ばれてゆく。「太陽の金色のりんご」「霜と炎」「霧笛」など、ブラッドベリ自身が16編を自選した珠玉の短編集。」
*「霧笛」は映画『原子怪獣現わる』(1953年/ユージン・ローリー監督)原作
*「雷のとどろくような声」は映画『サウンド・オブ・サンダー』(2004年/ピーター・ハイアムズ監督)原作
「ウは宇宙のウ」は、宇宙にあこがれてロケットを見に行く少年たちが主人公。彼らは適齢になると、適性と希望に従って訓練生になれる可能性があります。これは利発な主人公のところに、合格通知が来た後の心の動きの物語。」(『SFはこれを読め!』谷岡一郎著 より)
収録作品:
「ウ」は宇宙船の略号さ
初期の終わり
霧笛
宇宙船
宇宙船乗組員
太陽の金色のりんご
雷のとどろくような声
長雨
亡命した人々
この地には虎数匹おれり
いちご色の窓
竜
おくりもの
霜と炎
タイム・マシン
駆けまわる夏の足音 -
なんか面白くないなと思ってしまったのは、これをSFとして読もうとしていたからかも。現実的でないし、そんなことは科学上ありえないと感じ、すべてが茶番に見えてしまった。
そこに描かれるのはある種の比喩的なもので、こういう世界になったとき、人間はどのような行動をとり、どのような心理になるか、という人間物語が美しい世界観とともに描かれている。そう思って読んだら、ちょっと楽しくなった。 -
ずっと昔に読んだんだよね。
表紙のデザインが好きだった。
あんまりSFとか読んだことなかったんだけど
漫画家の萩尾望都が
レイ・ブラッドベリが好きだ、ということで読んでみたくなって読んだんだ。 -
海に行く前日に読む本。この中の「霧笛」が対象。
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SF小説の巨匠と言われたレイ・ブラッドベリの短編集です。想像力を広げてくれます。加えて、ちょっぴりノスタルジックな風情も魅力の作品です。マンガが好きな人は、萩尾望都さんのコミック版も読んでみると面白いですよ。
ーI.S.先生 -
蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか