異星の客 (創元SF文庫) (創元推理文庫 618-3)

  • 東京創元社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (781ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488618032

感想・レビュー・書評

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  • すごく長いので覚悟して読んでください。

    この話もそうですが、ハインラインの文庫は「なんで2冊(または3冊)に別けてくれないの?という分厚いのがいくつかあります。
    持ち歩きに大変。

    でもってこの作品は多分2−3回は読まないと隅々まで解らない、堪能できないんです。

    なんて意地悪な本。

    でも何度読んでも発見し、新しく考え直し、何かが見つけられる。
    そんな作品をいくつも書いてくれる人なんてそうそういない!

  • ハイラインの小説は、じじいが出てきてから加速度的に面白くなる。

  • 火星渡航者の子孫である火星人が地球に帰還。病院から、看護師・新聞記者・博士たちが連れだす。悪を認識して消滅させる。永遠の時間を持ち、意識を身体から離すことを自分で選択する。

    厚い…読み切れません。何となくの雰囲気がわかった程度。

  • Stranger in a strange land 有名だから読もうな~と思いつつ、原書は最初の何十ページぐらいで脱落。というわけで一念発起というわけでもないですが読み始めました。いやぁ、厚い。そして長い。台詞がくどい。意味わからないなぁ~と思う所ありで最後の方は駆け足で読み終えてしまいました。自分が特定の宗教を信じていないこともあり、マイクが教義を説くという方向に発展するのがイマイチよくわからないんですよねぇ… これはやはりベースにキリスト教的価値観と教えが基礎として無いとわかりにくいのかな。
    まあいずれにせよハインラインは段々フリーセックスとかエロエロの方に話が流れていくのに理解しにくいな~ってのはあるのかもしれませんが。

    ただ、この作品が書かれたのが1960年という事を考えると色々皮肉で面白いのかも。占星術で会見や予定を決める大統領(ここでは事務総長だけど)とかレーガン夫人?とか思ったり(笑)火星という限られたリソース地で物を分け合うという事が人生をシェアする、という解釈に繋がるのは面白いけど… 

    ヒッピーの聖書になったり色々と話題になった本なんだなぁという事は知ってましたが内容的にはそれほど、そんな物議を醸しだすような話ではないと思うんですけどねぇ。ヒトの社会を外側から見たら何やってるんだって言う皮肉のようなモノというか。時間がある時にゆっくりちょっとづつ読んだ方が良さそうだなぁなんて思いました。

  • ポリアモリーの聖典でもあるというので、読んでみた作品。娯楽小説としては、変な訳文もコミで面白い小説。

    現実のポリアモリーは、人間は若返らない。両性愛や同性愛コミでの複数愛(関係者全員が関係を知って合意したうえでのコミュニティ)を築いてるので、ある意味ファンタジー極まりない。
    嫉妬を処理するやり方や、子供の養育をどうするか、コミュニティ外部との整合性をどうとるか。
    そういった部分は軒並み端折っているので、ポリアモリーは味付け程度に取り入れた宗教戯画化小説と言える。

    端折っていなかったら、文句なしで星5つつけましたが、端折っている&作者の性別的・文化的限界が透けて見えたので星3つです。

    現代ならではのお笑いポイント:ゲイに気に入られる男性は、なよなよーっとした中性的な少年というくだり。当時のホモフォビアをよく反映した偏見ですね。
    作中ではより男性的な外見に作り変えた、とありますが、
    (逆にモテるぞ?)
    とツッコミたくなります。
    如何な天才作家といえど、入手できる情報が偏っていたらこの程度の描写しかできない、よい例ですね。

    ハインライン老が2020年まで生きてたら、作中の老作家のようにますます依怙地かつ斜に構えた態度で通俗小説、それもセクシャル・マジョリティ向けの小説を書いていたのかしら。
    それとも、ポリアモリーにセクシャルマイノリティへの理解も組み込んだ『新釈 異性の客』を上梓したかしら。
    と、ニヤニヤしながら拝読しました。

    2015年現時点のヒューゴー賞が、白人男性優位主義者による政治闘争の場となっているらしいと仄聞して、溜息しきりです。

  • いやぁ時間かかった~……。
    内容を深く理解しようと思うと、もっと時間かけて読まないと無理だ。
    なんとか読み終わったけど、全てを認識できていない。
    人並みはずれて素晴らしい人というのは、神格化されて崇められるか、神を冒涜しているとして排除されるか、どちらかしかないのか。
    長い歴史の中で、名が残る人たちは、そのどちらかだったのか。
    そして、その人たちはもしかすると、他の星から来たスパイだったのかもしれない。
    いろいろなことを考えさせられる一冊だった。

  • アメリカヒッピーの聖書とまで言われた作品なんだそうな・・・。いやあ、もう言う事ないです。ハインライン爺ちゃん(もう亡くなりましたが)大好きだ!
    私も彼とキスしてみたいよ!(笑)

  • よいねー、これも。ここで終るかと思った後も続き、最後はなんとあの世まで!「待つ間は満たされる」「急ぐことはない、待つということはそれができるということだ」せっかちになりそうなとき思い出そう。「愛とは、他人の幸福が自分自身にとって欠くことのできない状態だ」

  • おもしろさA級クラス!(『SFはこれを読め!』谷岡一郎著 より)
    「宇宙船ヴィクトリア号が連れ帰った“火星からきた男”は、第一次火星探検船で生まれ、火星に生き残った唯一の地球人だった。この宇宙の孤児をめぐってまき起こる波瀾のかずかず。円熟の境にはいったハインラインが、その思想と世界観をそそぎこみ、全米のヒッピーたちの聖典として話題をまいた問題作。ヒューゴー賞受賞大作!」

  • ロータス紙が発表するオールタイム・ベストSFの常連であるロバート・A・ハインラインで上位にランクインしているということで読んでみた。
    恥ずかしながら初ハインラインなわけだが、オールタイム・ベストの評価とは異なり訳者後書ではあまり評価が高くない。

    私はといえば、自分の頭がいかに固いかを改めて気付かされ、1961年にこんな先進的な価値観を描く人がいるなんて、と感嘆する部分も。
    性的解放を謳う宗教団体にまともなものなんてないという偏見があったが、既成概念に疑問を抱いてみれば確かに。
    まあでも1960年代といえばヒッピーな時代なわけで、そういう価値観があっても時代的におかしくはなく、特に先見性があったわけではないのかもしれない。実際この小説はのちにヒッピーに崇められたとか。
    しかしながら、快楽主義はただの怠惰のようなイメージだった価値観に疑問を呈する程度には納得した(結果それが「やっぱり違うよな」となるにせよ)。
    フリーセックスの他にも同類を食べたり(カニバリズム)・殺人と、タブーに挑戦していると見えなくもない。
    近親相姦・カニバリズム・殺人の3大タブーは文化を超えて種としての保存に関わるものだと思うので、グロクすることで変わるとしたら、それらがタブーであった意味ってなんなんだろう? と思わなくもない。まあそれも所詮進化の過程の一つなのかもしれないが。

    小説として思うことは、
    火星で育ち火星を認識(グロク)すると、超自然現象的なことができるのか、という疑問を最後まで払拭することはできなかった。火星人ってそんなに進化しているのか。
    あとフォレストライト教のことがあまりよくわからなかった。結局ただの宗教なのか、グロクに近いところにいる団体なのか。
    それから途中冗長に感じる部分もあったかな。かなりの長編小説なのでそれは許容範囲とするべきか。もともとはこの4倍の長さのようだし。冗長に感じるカーニバルの部分をすぎると突然別世界になった感じだけど、本当は長々としたストーリーがあったのかもしれない。

    時代も大いにあるような気がするが、自分がきちんと理解した自信がない。後半やや(自分が苦手な)宗教的要素が大きくなり、ああそれはグロクの結果なんだとわかっても、若干頭がついていかなかった。
    から★3かな。

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