ダブル・スター (創元SF文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 167
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488618124

作品紹介・あらすじ

そもそも一杯の酒につられて素性の知れぬ男の話なんかに耳を傾けたのが間違いだった。失業俳優ロレンゾが引き受けた仕事は、行方不明中の偉大なる政治家の替え玉役。やっつけ仕事のはずだったのに、いつのまにやら太陽系帝国の運命までも担うはめになろうとは。プライド高き三文役者の一世一代の大芝居、八面六臂の大活躍。ヒューゴー賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 売れない俳優ロレンゾが、誘拐された政治家の替え玉を依頼され、短期間のつもりがどんどんぬかるみにはまっていく話。
    ロレンゾの、役になりきるストイックさと技量がすごくて、なぜ売れない俳優なのかが謎。
    替え玉ならではのピンチが度々ありますが、役者魂と機転で切り抜けていくのがわくわくしました。

  • 「Heinleinesque」はまったく素晴らしくそこかしこで唸らされ読んでいて快感
    としか言いようのない作品か

  • 2016年のアメリカ大統領選があった日に読むにはセンチメンタルすぎたかもしれないけど、ラスト2ページを信じたいと思う。

  • 売れない俳優ロレンゾが誘拐された大物政治家に似ていたことから、替え玉とされ代わりに式典に出席し、選挙戦を戦う。舞台は太陽系と広いが現代の物語移し替えることは容易だろう。

    物語は替え玉の俳優の一人称によって語られる。演技は完璧に近く、太陽系帝国皇帝のウィレム以外には気づかれずに済む。そして政治家ボンフォートは開放されるが誘拐中の薬物投与が原因で死んでしまう。ロレンゾはボンフォートとしてそのまま生きることを決意する。

    SF的な驚きはないが、物語としての面白さがある。ロレンゾは記憶を奪われ、偽の記憶を植え付けられたボンフォート本人で、周りの人間が記憶を取り戻させようと替え玉を仕組んだものという結末になるのかと考えたが、あっさり普通に終わってしまったという感じだ。

  • ミスターSFこと、ロバート・A・ハインラインの初ヒューゴー賞受賞作は、行方不明中の大物政治家ボンフォートを演じる影武者の物語。演じるのは失業俳優ロレンゾ。舞台は地球から火星まで!火星人のセレモニーから皇帝閣下との謁見まで数多の舞台に立つロレンゾは、ボンフォートの影武者として、バレることなく演じきることができるのか!?

    こりゃあ面白い。さすがハインラインだ。
    一難去ってまた一難。ロレンゾの思惑とは裏腹に、次々と用意される舞台の数々。その都度、彼がトラブルなく演じきられるのか、ドキドキハラハラしながら読み進めた…わけではありません。実際のところ、演技の部分は、皇帝との謁見とログの告発を除くとあまりハラハラする場面はありません。しかし、テンポの良さがそれを補い、そして何よりロレンゾというキャラが成長し、目覚しい活躍を遂げていく姿に興奮するのでした。
    ちなみに、ハインライン特有の政治的思想も割りとストレートに描かれています。ただ、「宇宙の戦士」ほど、どギツイ内容ではないし、そこまでギラついてもいないので、気にはならないかと。個人的には彼の思想は真っ向から反対するものではないので、読んでいて普通に楽しめるのですが…

  • [ 内容 ]
    そもそも一杯の酒につられて素性の知れぬ男の話なんかに耳を傾けたのが間違いだった。
    失業俳優ロレンゾが引き受けた仕事は、行方不明中の偉大なる政治家の替え玉役。
    やっつけ仕事のはずだったのに、いつのまにやら太陽系帝国の運命までも担うはめになろうとは。
    プライド高き三文役者の一世一代の大芝居、八面六臂の大活躍。ヒューゴー賞受賞作。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 話題の政治的要人の替え玉をしてほしい。それを引き受けてしまったのは役者魂にあふれたロレンゾ。
    ところが、ちょっとのつもりがずぶずぶと、、引き返せないところまで、とにかく巻き込まれていっちゃうのだ。

    SFじゃなくてもいけるけど、SFだからこそ取り込める小さなメッセージ。それに気づかなくてもどきどきミステリータッチで読める。作中人物:パイロットのダグの姿は、読んでる間ずっとオードリー春日でした。やれやれ。

  • 『そもそも一杯の酒につられて素性の知れぬ男の話なんかに耳を傾けたのが間違いだった。』

    このあらすじの冒頭一文を読んだだけでどういうわけかワクワクしてしまう。

    こんな作家は僕にとってハインラインだけだ。

    このおなじみの語り口を目にしただけでもうたまりませんよ。

    本書『ダブルスター』は売れない俳優が有名政治家の替え玉を演じる羽目になるというオーソドックスな入れ替わりものだ。

    平凡な一市民が世界を救う大活躍を繰り広げる展開はエンターテイメントの王道ともいえるもので痛快で安定感があるのだけれど、中でも僕が特に興味をひかれて読んだのは主人公がどんどん演じている人物に染まっていくところだ。

    僕は本書の前に同じ作者の『悪徳なんか怖くない』をとても面白く読んだ。

    『悪徳~』は生命維持装置でなんとか生きながらえている老人がその脳を若い女性に移植して第二の生(性でもある)を得るという話。

    この中で作者は主人公に自分自身のことを「脳が体を支配し、体が脳を支配している」と評させている。

    対して本書の方は、主人公が演じている人物の性格に影響されてしまう展開で、『悪徳~』風に言い換えるなら「人格が行動を支配し、行動が人格を支配している」という話なのだ。

    本書は一見すると舞台が宇宙であること以外、特にSFである必要はないように感じられもし、作者本人も何がなんでもSFを書いてやるという気概があって書いた作品ではないようだが、行動と人格の関係を思考実験していくという核の部分が極めてSF的と言えると思うし、たぶんハインラインの作家としての資質にはそういったSFのエッセンスがはじめからあったのだろう。

    僕はこういう思考実験が大好きだ。

    だけど、SF大好きと公言できるほどのマニアには程遠く、ちょっと難しい物理の専門用語なんかが出てくるとこんがらがって放り出してしまう程度の堪え性のない一般読者の一人だ。

    SFは好きだけど難しいのは勘弁。

    こういう読者にハインラインは優しい。

    ハラハラどきどきの展開に手に汗握りながら、思考実験によるちょっと知的な快楽も楽しませてくれる。

    こんな本そうはないでしょ。

  • 「プライドだけは超一流だが、もはや過去の人となり、酒場でうらぶれていた失業俳優ロレンゾ。

    彼に突如舞い込んだ依頼は、
    なんと火星で行方不明中の大政治家になりきり、
    彼を”演じる”ことだった!」


    超能力も体力も無いただの役者が
    本当に「演技力と人間観察力だけ」で数々の修羅場を潜っていく様は爽快そのもの。
    ドキドキの出だしから、”衝撃”のラストまで、目が離せないこの一作。


    SFに興味が無かったとしても、
    『ニセモノ』が『本物』に成って行くこの面白さは共感してもらえるはず。
    とにかく、お勧めの一品です。
    もし手にとることがあったら迷わずお読みください。

  • 売れない役者が政治家の替え玉になって人と会ったり勉強していくうちに使命感に目覚め…という話です。

    混血が進んで、全人類が似たような顔になっているのか、
    人類の相貌認識能力が衰えていってるとか…まあそれはどうでもいいのです。

    やっぱり宇宙を舞台にしたスケールのでかい話が得意なのか、移動のシーンが作り込まれていてワクワクしました。
    火星着陸のとき落下軌道に乗って何日も過重力状態で過ごすところとかですね。
    それから見せ場である火星人の入巣の儀式、いちめんのかせいじんいちめんのかせいじんこどものかせいじんいちめんのかせいじんて感じですね。
    すごいインパクトです。

    政治の話も読み応えがありました。ハインラインは政治家志望だったそうで…知らなかったけど。
    火星人との友好問題には妙なリアリティがあります。ただし主人公が催眠術を受けているのは問題ではないでしょうか。
    私が地球人だったらボンフォートを支持するだろうか…

    かせいじんと政治に絡めて、メインは主人公が自分の役割を知って人生を生きる話です。
    でも私は第三者が人物を外側から形成する話として読みました。
    そして外側からの情報の圧力が主人公を変え…というのは他力本願すぎか。

    それにしてもハインラインの本はどれもこれも読みやすくて面白いです。構成が上手いのか。
    その分訳が硬くていかにも翻訳です!ていう感じだったのが惜しかった。

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