ダブル・スター (創元SF文庫) (創元SF文庫 ハ 1-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488618124

作品紹介・あらすじ

そもそも一杯の酒につられて素性の知れぬ男の話なんかに耳を傾けたのが間違いだった。失業俳優ロレンゾが引き受けた仕事は、行方不明中の偉大なる政治家の替え玉役。やっつけ仕事のはずだったのに、いつのまにやら太陽系帝国の運命までも担うはめになろうとは。プライド高き三文役者の一世一代の大芝居、八面六臂の大活躍。ヒューゴー賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • SFの名作(1956年の作品)。

    しがない役者(ロレンゾ)が事件に巻き込まれ、有力政治家の代役を引き受ける羽目に。火星に赴いて火星人との儀式に臨み、月の都市で皇帝に謁見、その後選挙活動にも駆り出される。そして最後には…。

    シンプルなストーリーだが、舞台が宇宙(本作では太陽系)なだけに、読んでいてワクワクする。掛け値なしに面白かった。

  • 高慢ちきでプライドだけは人一倍高い俳優のロリーは失業中だ。その為に報酬に惹かれて、ある政治家の替え玉になる仕事を引き受けてしまう。その政治家ボンフォートはもうすぐ火星で大事なイベントに出席する予定だったのに、誘拐されてしまったのだ。ロリーは彼になりきるため必死に学び、彼のように誠実で情熱的に振る舞うようになるうちに徐々に変わっていく。
    初めから最後までロリーの視点で語られるので、ボンフォートを巡る陰謀や、ロリーの知らないところで起きてる事が分からないまま話が進んでいくので、主人公と一緒にハラハラドキドキできて楽しい。でも別に宇宙が舞台じゃなくても良い気がする。

  • ミスターSFこと、ロバート・A・ハインラインの初ヒューゴー賞受賞作は、行方不明中の大物政治家ボンフォートを演じる影武者の物語。演じるのは失業俳優ロレンゾ。舞台は地球から火星まで!火星人のセレモニーから皇帝閣下との謁見まで数多の舞台に立つロレンゾは、ボンフォートの影武者として、バレることなく演じきることができるのか!?

    こりゃあ面白い。さすがハインラインだ。
    一難去ってまた一難。ロレンゾの思惑とは裏腹に、次々と用意される舞台の数々。その都度、彼がトラブルなく演じきられるのか、ドキドキハラハラしながら読み進めた…わけではありません。実際のところ、演技の部分は、皇帝との謁見とログの告発を除くとあまりハラハラする場面はありません。しかし、テンポの良さがそれを補い、そして何よりロレンゾというキャラが成長し、目覚しい活躍を遂げていく姿に興奮するのでした。
    ちなみに、ハインライン特有の政治的思想も割りとストレートに描かれています。ただ、「宇宙の戦士」ほど、どギツイ内容ではないし、そこまでギラついてもいないので、気にはならないかと。個人的には彼の思想は真っ向から反対するものではないので、読んでいて普通に楽しめるのですが…

  • ハインライン、森下弓子の読みやすくテンポの良い文章でぐいぐいライトに読める小説だ。
    とにかくこの語り口の妙を楽しむことができれば最後まで飽きないだろう。
    ただし、ある程度のところでストーリーのオチみたいなものは見えてくるし、重要な場面がわりとあっさりと終る。
    また、SFとしての想像力はあまりないので、そこを期待するとずっこける。
    総評としては、読んで損はしないけど、わざわざ読む必要もないという所。

  • ちょっとしたことから、役者のロレンゾが有名政治家ボンフォートの替玉を演じることになり、大舞台であれやこれやと活躍するお話です。

    ロレンゾすごい人でした。よく演じきったなと思いました。これまでの自分の人生を置いておき、自分じゃない人として生きるというのは少し憧れる部分もありつつ、寂しい部分もありつつだななどと考えながら読みました。自分とは結局なにかという感じ。
    ただ、それが世のため人のためになるのであれば、それもまたひとつの在り方なのかなと。

    ちょこちょこ日本語訳がよくわからない箇所もありましたが、楽しく読み終えました。分量も少なめなので、空き時間にサクッと読むのに良いかと思います。

  • 売れない俳優ロレンゾが、誘拐された政治家の替え玉を依頼され、短期間のつもりがどんどんぬかるみにはまっていく話。
    ロレンゾの、役になりきるストイックさと技量がすごくて、なぜ売れない俳優なのかが謎。
    替え玉ならではのピンチが度々ありますが、役者魂と機転で切り抜けていくのがわくわくしました。

  • 「Heinleinesque」はまったく素晴らしくそこかしこで唸らされ読んでいて快感
    としか言いようのない作品か

  • 2016年のアメリカ大統領選があった日に読むにはセンチメンタルすぎたかもしれないけど、ラスト2ページを信じたいと思う。

  • 売れない俳優ロレンゾが誘拐された大物政治家に似ていたことから、替え玉とされ代わりに式典に出席し、選挙戦を戦う。舞台は太陽系と広いが現代の物語移し替えることは容易だろう。

    物語は替え玉の俳優の一人称によって語られる。演技は完璧に近く、太陽系帝国皇帝のウィレム以外には気づかれずに済む。そして政治家ボンフォートは開放されるが誘拐中の薬物投与が原因で死んでしまう。ロレンゾはボンフォートとしてそのまま生きることを決意する。

    SF的な驚きはないが、物語としての面白さがある。ロレンゾは記憶を奪われ、偽の記憶を植え付けられたボンフォート本人で、周りの人間が記憶を取り戻させようと替え玉を仕組んだものという結末になるのかと考えたが、あっさり普通に終わってしまったという感じだ。

  • [ 内容 ]
    そもそも一杯の酒につられて素性の知れぬ男の話なんかに耳を傾けたのが間違いだった。
    失業俳優ロレンゾが引き受けた仕事は、行方不明中の偉大なる政治家の替え玉役。
    やっつけ仕事のはずだったのに、いつのまにやら太陽系帝国の運命までも担うはめになろうとは。
    プライド高き三文役者の一世一代の大芝居、八面六臂の大活躍。ヒューゴー賞受賞作。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


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