- Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488618148
作品紹介・あらすじ
●矢野徹氏――「国家とそれぞれの住む町と隣人と生き物を愛し、そして努力を続けよと説いた彼の物語は、大切なものであり続ける」
●三村美衣氏――「リアルな科学、人生哲学を、波瀾万丈の冒険譚に盛り込んだ、『夏への扉』にも比肩する最良の一冊である」(解説より)
宇宙服は小さな宇宙ステーションだ――高校生のキップは懸賞に応募し、一等は逃したが、本物の中古の宇宙服を手に入れた。自力で整備し、着用して散歩しつつ夏休みを過ごす。だがやはり宇宙服を処分して大学に進もうと考えたそのとき……通信装置に着陸誘導を求める女の子の声が入ってきた! 彼は謎の宇宙船に誘拐され大銀河への旅に。50年代の傑作。訳者あとがき=矢野徹/解説=三村美衣(初刊時題名『スターファイター』を改題)
感想・レビュー・書評
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「そう、ぼくは宇宙服を手に入れたんだ。」という回想の書き出しで始まる少年の物語。
宇宙に行くことに憧れる少年が、宇宙旅行にあたる懸賞に応募して入賞し、旅行は当たりませんでしたが中古の宇宙服を手に入れます。
この中古の宇宙服に「オスカー」と名付けるのですが、実際に機能するように修理している様子が何とも楽しそうです。でも、宇宙服をいじっているだけでは、宇宙に行くことも出来ず、大学に進学するために「オスカー」を売って学費にあてる決意をします。
しかし、充填済みのボンベや充電済みのバッテリーを試したいと思い、最後の散歩に宇宙服を着て小川を渡り牧草地に行きます。この時、誰しもがする妄想の脳内会話を「オスカー」とし始めるのが好きですね。そこで、無線機のテストをし始めたところ、謎の宇宙船から着陸誘導を求められ…
と、これ以上はネタバレになるので控えますが、表紙のイラストはよく描けていると思います。古風なSFですが、イラストを思い浮かべながら、楽しく読み終えることが出来ました。しかし、すぐ感情的になる小さな女の子が、要領の得ない語りをするのにイライラさせられましたけどね。
ところでこの小説、少年の父の言葉(P40)と少女の父の言葉(P399)が印象的でした。既にパパさん、将来パパさんになる人も参考になるかもね。あと、この本に限らず、若い人には名言集や自己啓発本もいいけど、物語の中で出会う珠玉の言葉に沢山出会って欲しいなと、あらためて思うのでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SFジュブナイルの決定版。宇宙に憧れる少年が手に入れた宇宙服と謎の宇宙人に巻き込まれ未知の存在と宇宙の広大さを知り、人類の危機と対峙する。話の展開やプロットの一つ一つが冒険心や興味をかき立てる。昔少年向けの作品を読んだのだが今読んでも決して色褪せない。当時は見過ごしていたが藤子不二雄、石ノ森章太郎、松本零士等の漫画に、この小説に触発された、あるいはオマージュされた作品が見受けられる。もし自分が当時この作品をもっと読み込み宇宙への興味を持ち続けられていたら…とあらためて思わされる。
現在でも読み続けられ、また読まれていってほしい普及の名作である。 -
お、面白い。カバーイラストは気持ち悪いし、タイトルもなんだかなぁという印象で今まで敬遠していた私がアサハカでした。(この原題をしっくり日本語化することは難しいと思いますが・・・それにしても)
懸賞で払い下げの宇宙服を手に入れた主人公(少年というには微妙なお年頃)。外れてしまった宇宙旅行にがっくりもしつつ、夏休みいっぱいをかけてボロくて臭い宇宙服を綺麗にし、修理も施し、徐々に愛着も感じられてくるころ、事件は起こります。大人になるための教育はこういうもんだっていうハインライン流の強いアメリカ思想も反映させつつ、なかなかの青春ドラマが一転、大宇宙旅行となって行く過程がおもしろい。ハインラインのジュブナイルってこんなに面白いんだっけ!
クラークだったら絶対容認しない、外見からくる偏見や科学的適当さなんてなんのその、陽気なハインラインを読めば無駄に元気も沸いてくる!
夏休みの楽しさを思い出させてもくれる、バイタリティーあふれる楽しい一冊。夏休み本に決定。-
diverさん、こんにちは。こちらでもどうぞよろしくお願いします。
大好きなハインラインの中でも好きな一冊です。
ずいぶん前に読んだのでうろ...diverさん、こんにちは。こちらでもどうぞよろしくお願いします。
大好きなハインラインの中でも好きな一冊です。
ずいぶん前に読んだのでうろ覚えだけど、主人公が宇宙に行きたい!行くぞ!と決めたときに、お父さんと交わす会話が大好きでした。
去年から読みたかった『神狩り2』をやっと読み始めたとこなんですけど、こっちも再読したくなっちゃったな。2011/09/13
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ハインライン大先生の SF なので
間違いがあるわけがないのですが。。。
主人公のパパが最高です。
こうありたいものです。 -
抄訳を世界の名作図書館で大昔に読んだ。
一切は相対的、、、私の人生を決めてしまった一冊。 -
「国家とそれぞれの住む町と隣人と生き物を愛し、そして努力を続けよと説いた彼の言葉は、今こそ必要なときであり、これからも大切なものであり続けるのだから」
『ライ麦畑』と比較して男子高校生の主人公
ヒロインは10歳くらいのかしこい女の子
刊行も7年違いの同じアメリカ舞台である
関係ないが
どれくらい関係ないかというとSFとブンガクくらい関係ない
同じ文化の同じ言葉はどれほどまで関係しないものごとを語れるのか -
コニー・ウィリスが大好きで、影響を受けたと書いていた作品。
おもしろかった!
「そう、僕は宇宙服を手に入れたんだ」で始まる。
一体どうやって宇宙に行くんだろう…とはらはらする前半がとても好きだ。 -
2014年9月26日伊勢BF
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SFとは、こういうものだ。宇宙を自由に旅をして、アクシデントに打ち勝て、無事に地球に帰ってくる。心がはばたきます。
九州大学:たけ -
SFのオールタイムベストに上位ランキングされる作品、と何かで読んだので図書館で借りてみました。個人的にはそうかなあ?と首を傾げる感じですがもしかすると訳が合わないのかもしれないなとも思いました。
最初の頃の石鹸を買って月へ!と言う辺りは非常に面白かったです。後はオスカーを手に入れて整備をする辺りも非常にわかりやすくて面白かったです。後、ボートの三人男の引用とか。でもドラッグストアだから薬局にしたんでしょうがアメリカの田舎のドラッグストアって薬局と言うよりは雑貨屋が近くてアイスクリームスタンドを兼ねてたりするんだよなあ…とぼんやり思いました。古い日本の駄菓子屋と雑貨屋を足しっぱなした感じでしょうか。後はおちびさんの話し方が何とも…。緊急事態で事は緊迫しているんだろうに二人が話し始めると話は長いわ脱線するわでこの二人本当に危機感を感じているのだろうか?とイライラさせられました。後は未確定宇宙生命体と出会った割に登場人物がさほど驚きもしないのが反対にびっくり。そして地球人の月面基地に勤める人間たちは何やってたんだ?と思いました。
後はタイトルがちょっと…。大宇宙の少年…。だったら「宇宙服と宇宙に飛び出せ」とか「僕とオスカーの宇宙冒険」とかまあ私が考えると陳腐になりますがまだそういう方がよかったんじゃないかな。スターファイターってのもちょっとなあ。主人公戦士じゃないし。気が向いたら原書で読んでみようかな、と思います。