反対進化 (創元SF文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488637033

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  • 夢想のロマンと、自分たちが最上・最良でなかった
    価値観の転覆の悲哀と、放射線のもたらす可能性⁉
    技術が爆発的に進歩して、想像創造物語を
    現実が数年で追い越すこともなく、
    ガチガチの裏付けも必要とされず、
    な時代「だった」のかもしれないが、
    それならなおさら「プロ」の世界は
    なにか限界にぶち当たったヒトの枠を感じさせられる。

  • エドモンド・ハミルトンの短編はスケールがあまりにも大きいのに、童話のような読みやすさと、読後に感じるものがある哲学性を違和感なく融合できているのが素晴らしい。藤子ワールド全開のSFと似た空気感があるし、本書収録の「ウリオスの復讐」は藤子不二雄氏に漫画化してもらえれば…と思うくらいハマってる。

    人間にとって危険な存在ではあるが、何よりも優れた生命体になる可能性を秘めた存在を抹消してしまった「超ウラン元素」では、単なるハッピーエンドでなく、人間としてのエゴに苛む描写がされていたのが良い。シンプルで分かりやすい設定の中に、いくつもの根源的なテーマが込められていて、読みやすいのに読み応えのある不思議な短編集だった。

  • 古くても、良いものは良い。
    想像もつかない世界を見せてくれる。

  • 書かれた年代順に並べられた、ハミルトンのSF傑作選。正直前半の冒険ものは今読むには古臭くて、完成度が高いとも言えないものが多く、フェッセンデンの宇宙のほうが全体的にキレがあって良い。のだけど、それをもって余りある愛らしくも思い切りの良いアイデアが楽しすぎる。「アンタレス〜」「ウリオス〜」はみなさん書いている通りの楽しさだし、「超ウラン元素」「異境の大地」の発想は流石の一言。そして最後を「プロ」で締めるのがずるすぎる。これを楽しむなら頭から順に読まないとな。

  • 再読。ハミルトンに限らず短編は好きじゃないんだが、ところがどっこいなかなか良かった。「ウリオスの復讐」「異境の大地」が良かった。幻想的。
    ●面白かった点
    虚無感とゆーか厭世観に驚いた。
    ●気になった点
    時代ががってる。
    放射能ネタ多し。

  • 分かりやすいSF。初期のSF

    キャプテン・フューチャーよろしく、主人公の思うがまま進む話しもあり、バッドエンドの話しもあり。

    膨らませるワンアイディが今の世の中では単純なものでしかないが、短編なので飽きずに読める。

  • SF入門編としてすすめられて。
    やっぱり完全なSFはちょっと苦手かもしれない。短編だから、まだ読み進めやすいが…
    タイムマシンとか透明人間とか、有名で安心できる話を次は読もう。

  • スペースオペラも、それ以外も全部面白い。
    フェッセンデンの宇宙といい、これといい、エドモンドハミルトンの短編はどれも面白くて困る。

  • 正しいかどうかは二の次三の次で、とにかく面白い。奇想と情感!やっぱり表題作が一番好きだけど、他にひとつ挙げるなら…うむむ、「アンタレスの星のもとに」と「審判の日」で迷うなあ。

  • SF史上に燦然と輝くスペース・オペラの代表作「キャプテン・フューチャー」シリーズの作者としてあまりにも有名なエドモンド・ハミルトンの、初期から晩年までの作品を幅広く収録した短編集。この人はどうしても「キャプテン・フューチャー」の華やかで荒唐無稽なSF活劇風のイメージが抜け切れないんですけど、実は短編の名手でもあります。鴨がこの人の短編の代表作「フェッセンデンの宇宙」を読んだのは、小学生の頃。子供向けのSF全集に収められていて、学校の図書館で借りて読んだんですよ。子供向けに読みやすくアレンジされていたと思うんですけど、それでもこの作品の怖さ、そして込められた寓意の重さは充分に伝わってきて、挿絵とともに今でも忘れられない作品の一つになっています。

    今回ご紹介する「反対進化」には残念ながら「フェッセンデンの宇宙」は収められていませんが、似通ったテイストの寓意的な作品が多く収められていたのが印象的でした。いやまぁ、「アンタレスの星のもとに」と「失われた火星の秘宝」の2編は除きますよ(^_^;この2作は、いかにもこの時代のSFらしいといえばらしい、「スペース・オペラ」という概念をそのまま具現化したような痛快娯楽作です。これはこれで面白いんですけどね、今読むとさすがにちょっと古いですね。
    その他の作品は、いずれもワン・アイデア・ストーリー的なわかりやすいSFの体裁を取りながら、行間に、あるいは最後の一節に、人間に対するややシニカルな視点が感じられ、ハミルトンが決してスペオペ一辺倒の作家ではないということがよくわかります。しかも、シニカルでありつつも決して冷たく突き放さない、温かみ溢れる筆致が実に日本人受けするなんだなぁこれが。「審判のあとで」「プロ」あたりは、かなりしみじみきちゃいますね。逆に本国アメリカでこれが受け入れられたのかという点が気になったりしてヽ( ´ー`)ノ
    それから、こうした「しみじみ系」とは対極にある作品「ウリオスの復讐」。「アンタレスの星のもとに」「失われた火星の秘宝」と同列の痛快娯楽作なんですが、これ面白かった!設定は古臭いわいちいち大時代的だわ、決して王道を行く作品とは言えないんですが、今読むと一周してきて超面白い(笑)チャールトン・ヘストン主演で映画化して欲しい(無理です)一大歴史SFです。いやもぅ、ストーリーはむちゃくちゃくだらないんですけどね(^_^;

    この短編集、これからSFを読む人には良い入門編になるかもしれませんね。スペオペから思弁小説まで、SFのエッセンスがぎゅっと詰まっています。これを読んで一つでも「面白い!」と思える作品があったら、きっとSF者の素質があると思います。

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