輝く星々のかなたへ!/月世界の無法者 <キャプテン・フューチャー全集5> (創元SF文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488637156

感想・レビュー・書評

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  • <娯>
    都合5冊目の「創元社SF文庫 キャプテン・フューチャー・シリーズ」何作品かは小学生時代(うーむ、ざっと半世紀前だなw)に読んだ事がある筈なのだが全く記憶が蘇ってこなくて、全部初読のお話として新鮮?に読めて楽しい。今読むと「え!?こんなのありですかぁ~」というSF的背景設定も沢山あるけど、超娯楽小説なのだからこれでいいのだ!
    鏡明の解説はそれなりにアメリカンSFの成り立ちを書いてくれていてそれはそれで興味ある内容ではあるけれど、キャプテン・フューチャー

  • 「輝く─」は宇宙の最大の秘密とも言える謎を解き明かそう
    という話なのだが、最後は結局「人対人」になってしまう。
    そこがまた「らしい」ところでもあるのだが。
    「月世界─」はキャプテン・フューチャーが濡れ衣を着せ
    られて指名手配されてしまうという、シリーズ物ではお約束
    のお話。読んでいて今までにないくらい興奮するのだが、
    一番肝心であろう「いかにして濡れ衣を腫らすか」が決して
    物語の中心ではないところがまた「らしくて」たまらない。

    せっかく物質生成の場の秘密を手に入れたのだから、早く
    水星を助けてあげて!(笑)。

  • キャプテンヒューチャーシリーズの全集第5弾。
    いよいよ太陽系の外に出ていくのと、月の中の予定外の探検の2本立て。SFなんだけど、その痛快さは今読んでも面白い。

  • 『輝く星々のかなたへ!』

    重力が弱い水星からは、次第に水と空気が逃げていくために、早晩生存が困難な環境になるということで、太陽系政府は水星人に対してガニメデへの移民を推進する策を取る。

    しかし、いきなり木星の衛星へ移住を強いられる水星人に反発は大きく、「ガニメデを開発するためにこんな理屈をでっちあげて移民を送りこもうとしてるんだ」という陰謀論まで飛び出して(しかし、子供向けのストーリーにしては妙に生々しい話でもある)、暴動の危機に。

    そこにあらわれたキャプテン・フューチャー、「お前たちの気持ちはよっく分かるがここは涙を呑んでしばらく従ってくれ。自分たちがなんとか生存の条件を作り出すから」となだめすかす。

    安請け合いはしたものの、どう解決するつもりなのかというと、銀河の中心部まで航行して、宇宙の物質の生成の秘密を探ればOKと言い出すキャプテン・フューチャー。解説の鏡明氏も驚愕する問題と解決の手段とのすさまじい落差です。

    ま、ハミルトンについては以前にも


    「太陽系の人類の起源が明かされる」というSFの大テーマが眼前で進行しつつも、「今はそれどころじゃないから」くらいの扱いで中断、

    「小惑星帯、月のクレーター、木星の大赤斑、土星の輪」などの発祥が、ほとんどついでのように、無造作なあつかいで判明する」


    と書いたことがあるし(http://booklog.jp/users/sukerut/archives/4488637140)、もうこれこそがハミルトンと楽しむしかないよね。

    銀河の中心部を目指してるうちに、妨害してくる異星人が出てきて、そこの王妃がキャプテン・フューチャーに興味深げな視線を送るとか思わせぶりな描写が何度も出て来るんですが、後の話には一切関係せず。きっと、うまく話が作れなかったんでしょう、とほ。

    この作品では、フューチャーメンのレギュラー4人以外にも、アンタレス人やヴェガ人、フォーマルハウト人などが味方になるのですが、ハミルトンはサブキャラクターの書き分けに力を注がないタイプなのかいまいち印象に残らないんですね。この辺ちょっともったいないです。

    なんだかんだで艦隊戦まで指揮したりして話を広げまくるんですが、いっとき仲間になった異星人たちと別れを告げて太陽系に帰っていくシーンはけっこう記憶に残ります。



    『月世界の無法者』

    銀河系の中心部へ出かけていたキャプテン・フューチャー。さすがにちょっと不在期間が長くなります。そんな折に飛び出してきたのが定番の「死亡説」。

    キャプテン・フューチャーがいない間に、彼の管理下にあった月を探索し、存在を伏せられていた地下のラジウム鉱脈を発見した実業家が、どさくさに紛れて採掘権を取得してしまいます。

    帰還したキャプテン・フューチャーは、これを許可した太陽系政府主席にかけあうも、会談中に実業家の放った暗殺マシンにより主席は死亡、キャプテン・フューチャーは殺人者の疑いをかけられて逃亡を余儀なくされ、月の地下へ逃げ込む……。

    と、前のストーリーでは銀河の中心部で物質生成の謎をめぐって宇宙艦隊戦というでかい話を展開した直後に、今度はサスペンス風の状況で、スケールとしてはかなり小さめの話を語るのは意図的なものなんでしょうか。実際、宇宙遠征の話が多いキャプテン・フューチャーからすると、新鮮な気がしてけっこう興味深く読めました。


    一時的に身を潜めるために、時間の感覚が狂う小惑星エロスへ逃げるんですが、この惑星の設定なかなか面白いのに、やっぱりさらっと触れてそのまんま。なみのSF作家ならこのネタで短編一本くらいは書こうとするんじゃないかなぁ。良くも悪くもアイデアの宝庫って人ですねハミルトンは。

    キャプテン・フューチャーは後に起こる太陽系の危機に備えてラジウム鉱山は手をつけずに維持するという確約を取ります。温泉……?発想が貧困ですいません。

    それにしても、太陽系政府の主席が暗殺されたことから政治的混乱とかは起こらんかったのでしょうか。空白期間の混乱とか、後任の決定プロセスとかにまったく筆を割いていないのがいっそさわやかです。アナーキィィイイ!

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