タウ・ゼロ (創元SF文庫) (創元SF文庫 ア 2-5)

  • 東京創元社
3.74
  • (30)
  • (36)
  • (47)
  • (7)
  • (0)
本棚登録 : 431
感想 : 42
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488638054

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 宇宙船で他の惑星を探索&移住する予定だったが、船が故障して止まれなくり…

    あらすじだけ読むとよくありそうな話だが、スケールが圧倒的すぎる。これまでいろんなSFの小説・映画に触れてきたがこの本のスケールはズバ抜けてスゴイ。
    壮大な宇宙で繰り広げられる人間味あふれるドラマもよかった。
    宇宙での物理理論とかもしっかり描かれていて人間はここまで創造できるのかと思った。

  • 32光年先の恒星系を目指し、50人の優秀な男女を乗せて飛び立った恒星間宇宙船<レオノーラ・クリスティーネ>号。バサード・ラムジェット推進航法で亜高速まで加速し、地球時間で数十年後に目的地に降り立ち調査研究を開始するはずだったが、不測の事故に遭遇し減速機能を失ってしまう。何とかして船を減速し、植民可能な惑星に着陸する方法を模索する中、船外では数百年、数千年、数億年の時間が経過していく・・・外界から完全に隔絶された船内環境の中、圧倒的な絶望感と闘いつつ、乗組員たちが最終的に選んだ選択肢とは?

    アイディア一本勝負、衒いのない直球ストレート王道ハードSFです。
    「亜光速で移動する宇宙船が減速できなくなったらどうなるか」、物語のテーマはただそれひとつ。それ以外のことは、一切描かれていません。
    好きな人には溜まらない作品だと思います、が、鴨的にはうーーーん・・・古い・・・。

    何よりも、物語の肝でありオチでもある宇宙モデルが、現在では既に古びていること。物語のクライマックスはまさに手に汗握る展開となるんですが、ホーキング以降の現代宇宙論を多少なりとも知っていると、「うわーありえねー」という感想しか出てきません。ハードSFとして、「うわーありえねー」と思われてしまうのは、致命傷となります。
    ハードSFとして勝負できなくても、ドラマ展開を見せる、という手段があります。減速するために乗組員たちが悪戦苦闘する過程、悲壮な結果を乗組員にどう伝えるか苦悩する幹部の姿、そうした人間ドラマ的なものも描かれています。が、これがどうにも深みがなくて入り込めません。ステロタイプなキャラ設定をした登場人物がステロタイプな動きをすればこうなるだろうなー、という印象。
    このアイディアだけで長編一本書こうとするなら、閉鎖的な物語になるのは当然なわけで、キャラクターの面白みである程度ストーリー展開を引っ張らないと中ダレするわけですよ。そこがつまらないので、中盤は読み進めるのに忍耐を要しました。古いハードSFには有りがちな特徴ですけどね。

    この作品の発表当時の視点で振り返ると、ハードSFの最先端にして最高峰だったのだろうと思います。時代によって古びてしまうのはハードSFの宿命ですが、当時リアルタイムで読んだSF者にとっては、これほど面白いSFはなかっただろうなー。しみじみしますわ。

  • 人類の男女50人を乗せた恒星船<レオノーラ・クリスティーネ号>は第二の地球を求めて、32光年彼方の<おとめ座ベータ星第三惑星>を目指す。しかし、旅立ってから3年後、不足の事態が勃発する。恒星船が小星雲と衝突し、その衝撃で船の減速装置が破壊され、恒星間ラムジェットによって光速に近い速度に到達した船を止める手段が失われてしまったのだ!希望を失った男女50人を尻目に加速し続ける恒星船…果たして彼ら彼女らの運命は如何に…

    本書は、ポール・アンダースンの代表作にして、一時代を画したハードSFの金字塔と名高い傑作です。「ハードSFの金字塔」と豪語されるだけあって、本書で言及される科学的描写には、ときに尻込みしてしまいがちですが、案外その辺りはなんとなーくの理解でも何とかなります笑 とはいえ、本書では丁寧なことに、末尾に金子隆一氏の「科学解説」がありますので、ぼんやりとした理解はここで補完できます。ただ、この科学解説は物語のネタバレこそありませんが、重要ポイントは解説されておりますので、本文の前に読むのは少しもったいないかも。しかし、いい解説ですので本文読了後は必読かと。
    さて、ハードSFでありつつも、並行して描かれるのは、永遠の旅路へと誘われてしまった船内の人間たちによるドラマであり、その先にあるのは絶望に覆い隠された希望です。この人間ドラマ、振り返ってみると、多少の荒っぽさを感じなくはないですが、個人的には、(まるで恒星船の加速に比例するように)加速度的に進む展開に助けられ、物語の行く末を案じながら読み進めることができました。して、その結末は…それは本書を読むのが正しい判断。ともすれば、「んなアホな…」と呆れられる展開かもしれませんが、彼ら彼女らの身を心配するいち読者からすれば、「おお!まじか!」となるような展開でした。いやぁ、興奮した。

  • スケールがすごい

  • 永遠に1Gで加速し続ける宇宙船で旅を続けたらどうなるか。相対性理論に基づいて話は進み、すごい結末になっています。1970年の作品なので、宇宙観も今と違うし、ダークマターとかもまだの時代。だからこそ、こんな作品ができたのかなと思いました。

  • 0.50

  • 時間と空間が凝縮されている。読みごたえあり。""

  • ベストSF90年代年5位

    mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 光速に迫るがゆえに起こる不都合な事実。それを克服する過程を描いた力作だが、少し冗長に過ぎる。また、冒頭の人物造形や文化などの描写は古風すぎて(しかもステレオタイプで)かなりモチベーションが下がる。

  • 恒星間宇宙船が、ひたすら加速し続ける羽目になったらどうするか。

    ただそれだけの話。

    あり得そうで嘘っぽいところが良い。
    難点はというか、登場人物とか人間関係が、色々狙いたいところはあるが大して魅力的に感じないところかな。
    もう少し残された人間とか、他の文明とかの関わりがあってもと思わなくはないが、それだと別の話になるか。

全42件中 1 - 10件を表示

ポール・アンダースンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ケン・グリムウッ...
グレッグ・イーガ...
アン・マキャフリ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×