ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫) (創元推理文庫 663-2)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 2426
レビュー : 249
  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488663025

感想・レビュー・書評

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  • 「…(人類は)もう最悪の段階は通り越したんだ」

    この物語が生み出されたのは、1978年だそうだ。
    冷戦真っ只中。70年代初頭は、一瞬東西の緊張が緩和する方向へ動き出したかのように思われたが、後半は新たな火種が燻り始めた時でもあった。
    冷戦と云っても、アメリカとソ連が直接交戦しなかっただけで、その代理戦争は世界中で起きたことは周知。
    そう云う時代背景を踏まえると、この物語に込められたのは楽天的な人類賛歌ではなく、作者の祈りにも近いようなものだったのではないか。

    先年、ホーガンは亡くなったが、未だ紛争の絶えない人類を、彼はどんな風に捉えていたのだろう。

  • 「星を継ぐもの」の続編。
    人類の前に2500万年も前の異星人ガニメアンが現れる。この時点でもう面白い...。人工知能の助けを借りながら意思疎通をし、人類側の謎、ガニメアン側の謎と双方の謎解きが始まる。

    ガニメアンの設定も、彼らが進化してきた惑星の歴史を説明しながら納得のいくようにできていたし、思いつきではない、かなり入念に練り込まれた設定なのに感激。よくこんな話を作れるわ...。

    双方の謎を解き明かしていく過程、描写も興奮する。めちゃくちゃよかった。

    • りまのさん
      あるちゃんさん、
      どんだけ、本読むの、早いんですか!
      りまの
      あるちゃんさん、
      どんだけ、本読むの、早いんですか!
      りまの
      2021/02/12
    • あるちゃんさん
      りまのさん
      コメントありがとうございます。いえ、早いわけではなく過去に感想を書いておいたデータをごっそりブクログに移し替えたのですよ…笑
      りまのさん
      コメントありがとうございます。いえ、早いわけではなく過去に感想を書いておいたデータをごっそりブクログに移し替えたのですよ…笑
      2021/02/13
    • りまのさん
      あるちゃんさん
      フォロー頂き、ありがとうございます!どうぞよろしくお願いいたします♪
      りまの
      あるちゃんさん
      フォロー頂き、ありがとうございます!どうぞよろしくお願いいたします♪
      りまの
      2021/02/13
  • 一言、読んで良かった!

    前作「星を継ぐもの」が私にとっては驚天動地、スケールが壮大で感動が大きかっただけに、続編でガッカリするのが怖く、避けてたんだけど。図書館で見つけてつい手にとった。
    あとがきにもあるように、元々作者は三部作で想定してたようで私の杞憂だった、、
    ということで、次も読む!

    前作にも増してハントとダンチェッカー(←この人のキャラ、いいなー)の絶妙なコンビ感もいい!
    ゾラックに比べたら地球の今のAIはただの優秀な計算機。自分ですべきことと、やらなくていいこと、指示外のことは自分の意志と矜持(といえるのかな?)で行動を判断。辛辣でユーモアもあり、人間臭い。私もゾラックが欲しいー。ハントの珍しい色恋の場面でも活躍してたな。

    前作で経験済みなので、どうしても解読できないところはフィーリングで理解して流した(そうしないと私には読破できない)。でも論証の流れは読み飛ばさずに頑張った。見事。読者が付いて来られるよう、前作より親切に繰り返し丁寧に語ってくれてたように感じられる。
    遅読の私は時間がかかりすぎて(2500万年の長旅だから仕方ない?)冒頭の場面の意味が思い出せないまま最後まで読んだ。もう一度ざっと読み返して良かった!

    ガニメアンの知性や教養、平和を好む(というか暴力や対立を知らない)優しい性格、仲間の功罪を知り、人類を思い潔く地球を去る品格の高さ。素晴らしい。ただその特性さえ、人類含めDNAという生物的要因に左右されている、としているのも深い。

    人類の欠点を認識しながら、それでも明るい未来を予感させる言葉をダンチェッカーに語らせてるところに、作者の希求が見える気もする。一見頭の固い融通の効かなさそうなこの科学者に、作者は一番重要なことを語らせるんだよなぁ。でも今の危うい時代でも作者は同じ作品が書けただろうか、、

    この物語ではドラマティックな展開は起きない。起きてること自体は壮大だけど。
    読者は淡々とノンフィクションのように成り行きを見つめ、論証されていく事実を受け止めていく。それなのにこんなにも私たちの想像力をかきたて、視野を広げてくれる。凄い作品だ。

    地球での体験を心から楽しんでいるガニメアンの姿には気持ちが和む。地球(私にとってのこの世)の彩りを再発見させてくれた。
    巨人の星からのメッセージ受信に心から乾杯。

    こんな体験をさせてくれてありがとう!!!と言いたくなる一冊。願わくば、もう少し文字が大きいと最高!

    追記:読み始め、最初にある登場人物の記載にガニメアンとありネタバレしたのには、見た私を後悔、笑。

  • SFでありながら人間讃歌なのが本当にすごい作り。

  • 「星を継ぐもの」シリーズ第2作、The Gentle Giants of Ganymede。

    前作が、いわば考古学的な取り組みから地球や太陽系の来歴を解き明かす科学推理小説だったとすれば、この作品はSFの面目躍如といおうか、そのものズバリ異星人の登場から始まる。

    かつて太陽系の5番目にあった惑星ミネルヴァで進化した人類・通称ガニメアンが、2500万年という時を隔てて21世紀の地球上に舞い降りる。今回、彼らとのやりとりを通じて明らかにされるのは、ほかならぬ地球人類の来歴である。

    異星人とのファースト・コンタクトをともかくとすれば、科学的推理の課程と見事な結末は前作と同様、存分に堪能できる。

    また物語の進行と合わせて作者が描きたかったのは、人類がかくも好戦的で、内輪で争ったり出し抜いたりし続けていることと(登場する「優しい」異星人たちは、そういう価値観を理解しない)、それは克服されなくてはいけない、という現代にも通じるテーマだろう。

    そうしたユートピアチックな未来をオレは信じられないし、科学がこの先リニアに発展し続ける、あるいは地球上で人類が進化の最先端にある、という基本的立場(欧米的?)には現在から見ると違和感がなくもないが、総じて満足かつ爽快な読後感はさすがと言うしかない。

  • 2021.4.12
    まるでノンフィクションかと錯覚されてしまうくらい考え抜かれたストーリー、流石、圧巻です。バカ面白い。

  •  太陽系内で地球より外の軌道(火星と木星の間)に生命が生存可能な惑星があった場合、生物はどう進化していくか。
     著者のホーガンさんは本作で別の惑星の生物進化をシミュレートしています。
     やがて生まれた知的生命は、争いを好まない平和的な種族・ガニメアンだった。
     私は地球人ではなくガニメアンに生まれたかった。
     本作品の最後でガニメアンが選んだ行動にも共感します。
      
     前作『星を継ぐもの』の感想で、学問の大切さを実感すると書きました。
     本作品でもそれを実感します。
     本作品では特に生物学方面の知識が活躍します。
     著者ホーガンは生物学の知識を、過去を研究するのみならず、別の生物進化の過程をシミュレートするという応用に活用しています。これがSFの醍醐味でしょう。
     
     本作品では前作ほど活躍しないヴィクター・ハント博士ですが、私生活で暴走しちゃいます。
     業務連絡の案内嬢の声が気に入ったハント博士は猛烈にアタックを開始。
     後で写真を見て好みのタイプだと確認し、デートにこぎつけます。
     今の社会的状況から判断すると、パワハラ・セクハラに類する行為ではないでしょうか。
     しかし、学問で立身出世して社会的立場が上になるほど恋愛や結婚に有利になるというのもまた現実であり事実です。
     中学生や高校生が生意気に
    「何で勉強するんですか?何でいい大学に行く必要あるんですか?」
    と聞いてきたら、本シリーズを読ませればいいのです。(私も読んでおきたかった)
     
     さて、本作品の冒頭で提示された謎について。
     ハント博士の盟友・ダンチェッカー博士が現在では失われてしまった酵素について問題にします。
     この酵素の生成過程において、放射性同位元素が選択的に取り入れられているようなんだよ!
     な……、何だってぇ~~~~~!
     酵素生成の際にラジオアイソトープを選択的に取り入れることは可能なのか?
     答えは本書の最後に明らかにされます。
     なるほどそうきたか。
     しかしこれには専門知識が必要です。
     生物学に詳しい人や理系学部で実験している学生なら想像がつくかもしれません。
    (だから本シリーズを読むと学問の大切さを実感します)
      http://sanshirou.seesaa.net/article/471556328.html

  • 前作「星を継ぐもの」と同様、科学的議論が面白かった。特に人類の罪の起源を解き明かすところが。しかし、結局前作で残された謎ー5万年前に巨人コリエルがルナリアンと共に月にいたのはなぜかーが解明されていない。次作「巨人たちの星」で2500万年前にガニメアンがミネルヴァを去った経緯が語られるようなので、そこでコリエルの謎も解明されるのだろうか。次作はかなり分厚く、前作・今作に比べて評価もイマイチな気がするが、読むしかないか…。ちなみに、今作で出てくるガニメアンの超優秀コンピューター「ゾラック」は、これからのAIの進歩の目標になりそう。

  • いつか読もうと思っていた三部作の2作目。
    前作で明らかになった星の生き残りたちとハントとダンチェッカーら人間が出会い、新たな謎が解明されていく!
    いわゆるファースト・コンタクトもの。良質だなぁ。ガニメデの巨人たちの優しさが、ちゃんと進化論ぽくまとまってるのがいい!人類たちの起源の秘密も明らかになる。
    正直人類がなぜ発展したか、の秘密はよくわからなかった…いやなんとなくわかるのだけど、それぞれの要素がうまく繋がらないというか。頭の悪さ。なんか時系列をうまくとらえられなかったかなぁ。
    あと前回はハントの学際的活躍にキュンキュンしてたのだけど、今回は控えめ。そのかわりダンチェッカーが活躍!
    セカンド・コンタクトにも紙幅が割かれていて、丁寧なのだけど、ちょっと退屈だったかしら。いや、ガニメアンが最初に降り立つべき土地論争とかガニメアンと一般的地球人とのコンタクトとかそれっぽくて面白かったよ!ただ個人的にはもう少し起伏がほしかったかなぁ。

  • 最高級クラスのSFです。星を継ぐものの破壊力がすごくて、ずっと気になっていた次作。けれど、前作を超えれることなどないだろうと思って手を出さなかった。馬鹿でした。のめり込むほどおもしろかった。こんがらがった謎がきれいに解けていって、フィクションなのに自分たち人間のルーツを学んでいるようで、ほんとにホーガンさんには脱帽です。SFとか読んだことないし難しそうって思ってる方も、最初は我慢して読んでほしい!すぐ続きが気になってはまりこみますよ。

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