巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3)) (創元推理文庫 SF 663-3)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488663032

感想・レビュー・書評

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  • SFの話をしよう

    極論を言えば、SFとは結局未来の物語のことだと言えよう

    そしてそれは、物語の語り部が「こんな未来になるといいな」と思った物語か「こんな未来になったら嫌だな」という物語に大別される

    巨匠ホーガンが残した物語は果たしてどちらだったのか

    物語はまず異星人の持つ高度な科学技術を独り占めしようとする側とそれを阻止しようとする側の二つの超大国が暗躍する描写から始まる

    またしても繰り返されるのか、人類は歴史から何も学ばずにこの先も歩み続けるのか
    暗い気持ちを抱かせたまま物語は進む

    しかし本当の敵の姿が見え始めた頃から物語の様相が変わり始める

    隠されていた真実が明かされたとき、ホーガンが用意した人類の未来は「分裂」ではなく「団結」だったことを知る

    「こんな未来になるといいな」という物語だ

    諸君、J・P・ホーガンという語り部が残した人類の未来に向かって進もうじゃないか

  • 星を継ぐものの3作目。
    1作目、2作目からの急展開が予想外で楽しめた。
    続編もあるとのことで続きが楽しみ。

  • 前作までが純粋な科学SF、生物学と物理学の物語であったのに対し、こちらは社会学というか、法律的な物の見方というか、政治的な要素が色濃くはいってきて、テイストがちょっと違うなと思った。

    物語の初めに、ハントとリンが朝を一緒に迎えていて、そういう描写がこれまでなかったので、ええーっとびっくり。そのあと、スヴェルセンの邸宅での一波乱を見て、ああ、その伏線なのかしら?と思ったり……。
    ブルーノでの一連のやり取りとかに、なんというか政治的生臭さみたいなものをかぎ取って、ちょっとだけ読むのがつらかった。
    清明で論理的な物語の面白さだけで読ませてた前作との違いというか……。
    でも今のこのコロナ禍で、政治と科学というか、政治と医学のごたごたしているのを重ね合わせて、なんというか、ホーガンの先見の明というのかな、物事を見る目にすっかり感心してしまった。

    もしも、20世紀の様々な忌まわしい出来事が、この物語のように異星人の仕業であったなら、悲しいけれど気分的にはどんなに救われたことか!
    でもそうじゃない。
    人類は自分たちの力で冷戦もキューバ危機も乗り越えたけど、そのあと……。
    「人間は愚か……」という結論に達さざるを得ない。
    また物語と現実の違いに落胆してしまう。

    前半はその政治的駆け引きというか暗躍というかスパイかなにかみたいなのにちょっと引いてしまったんだけど、後半、ガニメアンとハントたちの再会、テューリアンとの共闘、仮想であり実際には何もしていないけれど手に汗握る戦争、と息をつかせない面白さに夢中で読んだ。
    続編の『内なる宇宙』は10年後に書かれたようだけど、話的にはどんな感じなのかな……。

  • 三部作読了。
    いい本を教えてくれてありがとう。

  • 『星を継ぐもの』、『ガニメデの優しい巨人』に続く、ジェイムズ・P・ホーガンの名作古典SFシリーズ第3作。

    遥か昔に母星ミネルヴァを去った同胞と合流するため、地球に別れを告げて<ジャイスター>へと飛び立ったガニメアン一団を乗せたシャピアロン号。彼らの無事を祈る中、<ジャイスター>からガニメアンの通信が届くが、それは標準伝送コードで送られた英語による通信文であった。ハントらは、<ジャイスター>のガニメアンが地球の言語と通信コードを把握していること、また通信文の内容から、地球が以前から彼らに監視されていたこと、彼らの中の地球を監視している一派が、地球に関する情報を故意に歪曲させて報告していることを予想する。シャピアロン号の様子と、地球が惑星間の大規模な戦争を起こそうとしているという情報が正しいのかを確認するため、地球を監視している一派には極秘裏に地球人と会談したいとの<ジャイスター>のガニメアンからの申し出を受け、彼らは新たな異星人との対面を果たす―――。

    前作、前々作の様々な謎が解き明かされる(一応の、)シリーズ完結作。「まさか!人類の歴史の裏でそんなことが起こっていたとは!」・・・勿論フィクションなのだが、何とも歴史的瞬間に立ち会えたような満足感。これほどに知的探求心を刺激してくる作品(シリーズ)に出会ったことは無く、今後もこれを超えるものにはそうそう出会えることはないだろう。

    本作は、「(人類の)ルーツを探る」という知的探求心を刺激する内容に加え、前作、前々作にはなかった手に汗握る展開も楽しむことが出来るものとなっている。終盤の攻防戦が非常に痛快!この内容だったら映像的にも映えそうだが・・・やはり一作目が一番映像化に向かないというのがネックか。。。

    (2023年の)この冬、創元SF創刊60周年記念として、長らく未訳だったシリーズ第五部『ミネルヴァ計画(仮題)』の邦訳版が遂に発刊されるとのこと。めでたい!発売までにシリーズ第四部『内なる宇宙』も読んでおきたいところだ。

  • 本当のことがわかっていく度に、読むスピードが速くなっていきました。過去といまを回り続けるところが面白かったです。

  • P320で弁護士が活躍するとは。。
    途中ドラえもんの日本神話っぽいなと思った。

    最後の一文が良い。

    そして四部作目を続くのか!買った時は3部作だと勘違いしていた。

  • 未来はこうあってほしい。そう願わずにはいられない、優しいSF作品。人間がいるところに政治が切って離せないように、三部作を通じて科学と人類学、政治学が織り交ぜられたSF作品でした。

  • 三体を読んで、SF熱が上がり三作一気読みしてみました。
    自分が生まれる前の作品だと思えないくらい新鮮でした。

  • 前二作とは趣を異にするが、私は十分楽しめた。伏線の回収はさすが、と言うより異常。でも次々に謎が解けていく展開は読者を満足させることと思う。ご都合主義と言えばそれまでだが、エンターテインメントと思えばこれ程楽しめる作品もなかなか無いのでは。

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