インフィニティ・リミテッド 上 (創元SF文庫 ホ 1-15)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488663155

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  • インフィニティ・リミテッド〈上〉 (創元SF文庫)

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  • ★2というのは完全な個人的好み及び勝手な失望によるものなので
    やや良心は痛むのだけれど。

    まずね、東京創元社に文句を言いたい。
    J・P・ホーガンと言えばSFだが、
    ミステリ要素も含む作品を書いていることを知っており、
    尚且つ背表紙の説明もSFっぽくなかったので疑いを持った
    私が何故(セカンドハンドとは言え)購入に至ったかと言うと、
    東京創元社の分類がSFだったからだ。
    この一冊(下巻含め二冊)は紛れもなく創元SF文庫の一冊(二冊)であり、
    分類も「SFホ1ー15(16)」、
    これを見て「あ、これはSFか」と思ったのは極自然な理解だと私は信じる。
    なのに読み進めるに従って疑惑がどんどん色濃くなり、
    ついにSF要素が全くないことに気付いた時の衝撃たるや、
    筆舌に尽くし難い。

    でね、話自体はまあ面白くないわけではない。
    この作品は客観的に見て、
    SFではない点を除き、
    実に私が知っているホーガンらしい作品である。
    でも、基本的に私はSFには点が甘いのよ。

    ホーガンはまずね、
    理屈っぽいんだけどよくわからない。
    時に読者の意表を付きた過ぎてストーリーがごちゃごちゃになる。
    一応ちゃんと説明はされるんだけど、
    説明が下手なのか私がバカなのか、
    よくわからん。
    ちょっと強引じゃね? 的な説明もままある。

    で、とにかくハッピーエンド。
    ハッピーエンドはいいんですよ、SFではね。
    ハッピーなのは素敵だと思います。
    でもね、こういう政治がらみの諜報屋の騙し合いみたいなごちゃごちゃ話では、
    あまりにハッピーエンドだと、
    ちょっと臨場感が欠けると思うんです。
    舞台がごちゃごちゃな割にいい人と悪い人があまりにクリア過ぎて、
    そんなに世の中単純じゃないしうまくいかないと思ふ。
    と言いたくなるんです。
    もうちょっとジレンマに苦しんで欲しいんです。

    でもまあ、
    そんな勧善懲悪スタイルが好きと言う人もいるのでしょう。

    小説という媒体の場合、
    私がSFと呼ぶものは、
    ハードSFと呼ばれる実際の科学・物理学に沿った内容のもので
    決してファンタジーではない
    (怪奇的、ファンタジー的要素があるもので私が好きと言う場合、
    私がそれらに求めているのはSFじゃないのです)。
    そして私がホーガンに求めているのはSF、
    サイエンス・フィクション。
    故に、
    ホーガンは若干私が定義するハードSFから外れる時があるんだけど、
    まあそれでもSFだから、
    とつい甘く見ていたの。
    注:偉そうなのは重々承知で書いています。ザ・消費者スタンス。
    なのでね、SFから外れると、
    ちょっと点が辛くなるんです。
    ごめんなさい。

    とか書いたけど、
    改めて自分のホーガン作品への評価を見ると、
    ガニメアンシリーズ三作品以外殆ど★2なことに気づいた。
    やっぱりハードSFと言うには厳しい設定と
    勧善懲悪というところが私には合わないのか。
    これからはホーガン作品はちょっと控えようかな...。

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