歌う船 (創元SF文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488683016

作品紹介・あらすじ

金属の殻に封じ込められ、神経シナプスを宇宙船の維持と管理に従事する各種の機械装置に繋がれたヘルヴァは、優秀なサイボーグ宇宙船だった。〈中央諸世界〉に所属する彼女は銀河を翔けめぐり、苛烈な任務をこなす。が、嘆き、喜び、愛し、歌う、彼女はやっぱり女の子なのだ……! サイボーグ宇宙船の活躍を描く傑作オムニバス長編。

感想・レビュー・書評

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  • SFを読んだーという感じが物凄くする作品。主人公のヘルヴァは宇宙船ですが女の子。結構重い設定ですが、彼女がその生を満喫しているのでとても明るく読めます。
    読みにくいと感じましたが、内容の面白さ故飽きることなく読めました。
    宇宙船が恋をして歌って旅をする。わくわくする冒険譚です。

  • 重度身体障害者として産まれたヘルヴァ。生命維持装置なしで生きられない彼女の、申し分なく賢い脳髄を生かすために、<中央諸世界>が選んだのは彼女をサイボーグ宇宙船として活用する策だった。チタニウムの殻に閉じ込められた「殻人<シェル・パーソン>」として神経系の手術を受けて宇宙船に繋がれ、<中央諸世界>の一員として与えられる過酷な任務を遂行するヘルヴァは、宇宙船の音声装置を駆使して美しい歌声を響かせる「歌う船」としてその名を馳せていく。心は乙女・身体は宇宙船のヘルヴァが経験する、恋と友情と努力の日々・・・。

    ・・・うーん・・・。良くも悪くも、「古典」ですね。
    面白いです。読んでる最中は次が気になって仕方なくて、ページを繰る手が止まりません。が、ページを繰りながらも心のどこかにしこりを感じる、鴨的にはそんな作品でした。

    ヘルヴァをはじめとする「殻人<シェル・パーソン>」が、自らの生き様を誇りと感じ、人間として成すべきことを成していると胸を張って主張できる。昨今のダイバーシティの観点から、素晴しい作品だと思います。
    ・・・が、鴨的にはどうしても、「殻人<シェル・パーソン>」が幼児の頃からその生き様に疑問を感じないよう外挿的な教育を受けていること、一方的に<中央諸世界>から課せられる借金(=殻人<シェル・パーソン>として生まれ変わるための経費)を返すために一定期間”奉公”に出なければならないこと、借金を返済した後も宇宙船として生きる以外の選択肢が事実上ないこと・・・こうしたことに、違和感を感じざるを得ません。
    ヘルヴァ自身が、この世界観に多少の違和感を感じていることは、読み進めるとそれなりにわかってきます。が、最終的にそこそこハッピーエンドに落ち着いているところが、また良くも悪くも古典だよな、とは思います。

    そして、同じオンナとして、ヘルヴァに訊きたい。
    なぜ最後にナイアル・パロランとくっつく???(爆)
    この展開がもぅ本当に心から理解できなくて、メロドラマとしてもよくわかりませんでした・・・アン・マキャフリィと趣味が合わなかった、ということなのか・・・w
    いろんな角度から突っ込みどころ満載です。そういう意味でも、面白い作品です。

  • 「金属の殻に封じ込められ、神経シナプスを宇宙船の維持と管理に従事する各種の機械装置に繋がれたヘルヴァは、優秀なサイボーグ宇宙船だった。〈中央諸世界〉に所属する彼女は銀河を翔けめぐり、苛烈な任務をこなす。が、嘆き、喜び、愛し、歌う、彼女はやっぱり女の子なのだ……! サイボーグ宇宙船の活躍を描く傑作オムニバス長編。」

  • 読んでからこれが1969年の作品であることを知って驚く。なんというか、ガジェットに傾注せずに人間を描くことで、時間が経っても、時代が変わっても古さを感じることなく読めるのかな。
    この人の作品、ちょっと説明が足りずいきなり作品内世界の物事が登場するので慣れないと途中で厳しくなるかもしれないですが、そこを乗り越えれば。独特の雰囲気が広がります。

  •  マキャフリーは読みやすくて好きな作家だが、設定が安易なのが気になる

  • 既読本

  • 若い時に読んで大好きだった作品。主人公ヘルヴァがサイボーグ宇宙船(ブレイン)という設定自体が新鮮だったし、ヘルヴァの活躍にわくわくしながら読み進めたのを覚えています。なのに久々に再読したら、ヘルヴァはとっても乙女チックに、乗組員(ブローン)はいかにもマッチョに描かれていて、あれ?と少し違和感。でも素晴らしい作品であることに変わりはありません。SFが苦手な人にもお勧めします。

  • SF。スペースオペラ。
    作品を通して、宇宙船の身体を持つ主人公ヘルヴァの心理描写がメインとなる。
    はじめの3話は純粋なSFの雰囲気で好き。
    後半の3話は、演劇や恋愛など、苦手な要素が多くてイマイチ。
    個人的には、もっとドライな感じの作品が好みだが、主人公に感情移入しやすく、好きな人は多そう。人気作品というのも納得。

  • マーセデス・ラッキーの本を検索している時に既視感のあるタイトルを見つけた。それが<歌う船>シリーズ。
    再読したくなったけど、書庫に見当たらなかったので古書で購入しちゃいました。少女漫画的スぺオペ

  • 再読
    40年以上前に書かれた作品だから
    だとしてもSFというより
    この世界の常識が通じない異星異世界異人間ファンタジーというくらい
    SFのSがサイエンスなら人間の思いつくカガクとしてありえない変なところが
    現在としては目に付く変な作品
    その異世界ぶりがかえってSFかもしれない

    また原文のせいか訳文のせいかわかりようもないが
    文章もかなり読みづらい
    すごく読みづらい
    文章として「正しい」のかもしれないが
    現在の娯楽小説向きでない「文体」だと思う
    そういう変な世界と設定読み取りづらい文章という特徴を除けば
    大人向けマンガ雑誌とかにひとやまいくらでありそうな
    (変な)スペオペ舞台の職場もの
    新訳で読みたいがそうすると古典度を消失しかねないか

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