異星人の郷 下 (創元SF文庫) (創元SF文庫)

制作 : 嶋田 洋一 
  • 東京創元社
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本棚登録 : 276
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488699024

作品紹介・あらすじ

現代のフィラデルフィアで、統計歴史学者のトムは、14世紀に忽然と消えた小村の謎を追っていた。同居する宇宙物理学者のシャロンは、光速変動理論を調べるうち、ひとつの宇宙論に到達した。二人の研究によって見出された真実とは。黒死病の影が忍び寄る中世の生活と、異なる文明を持つ者たちが相互に影響する日々を克明に描き、感動を呼ぶ重厚な傑作。ヒューゴー賞最終候補作。

感想・レビュー・書評

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  • う~ん良かったです。
    久々にじんわりと感動出来ました。
    このところ時間がなくてほとんど本を読まなくなってたのですが、また色々読みたくなりました。
    いわゆるファーストコンタクトものですが、時代設定が中世ヨーロッパってことで、しかも現代の調査・発掘場面と絡めてあって謎解きものとしても楽しめる気がします。
    一応クリスチャンなので、一部のクレンク人たちがカトリックの世界観に共感するようになっていく過程に感動でした。
    ラストまで読んだ時、聖書の一説が浮かびました。
    人は倒れても、打ち捨てられるのではない。主がその手をとらえていてくださる。(詩編37-24)
    ラストの星空は神の光明と思う。
    やっぱりSFっていいですね。

  • 長いこと積読山に埋もれていたけれど、上下巻一気読み。
    オビの”14世紀ドイツの村に宇宙船が墜落…””歴史から消されたファースト・コンタクト…”てなのに、中身をばらし過ぎじゃないかい?と反感を覚えていたけど、十分に面白かった

  •  中世ドイツを舞台に異星人たちと村人のファーストコンタクトを描いたSF小説の下巻。

     海外小説特有のカタカナ名に苦しみつつ(だれが地球の人で、誰がクリンク人(異星人)なのかも、登場人物表を見ないと分からない始末…)も最後まで読み進められたのは丁寧な交流描写があってこそ。

     概念や思考が全く違うクリンク人たちですが、それが神父との対話を通しキリスト教を理解していく姿は、どこかしら感動的ですらあります。(自分は完全な無宗教なのですが)

     そして村とクリンク人たちに徐々に迫る死の影。何もかもが失われそうになる手前、それぞれは何を考え、行動するのか、その点もしみじみと心に迫る著述でした。

     そして、そうした過去のパートと並行して描かれてきた現代パート、これが最後につながった時も、号泣の感動ではないのですが、しみじみと胸を打つ感動がありました。

     読むのは正直苦労しましたが、評価の高さに納得のいくSF作品でした。

    第42回星雲賞〈海外長編部門〉

  • なんて言うジャンルなんだろう。
    歴史SF?宇宙SF?ファーストコンタクトもの?
    現在と1348年が交錯する、ドゥームズデイブックの様な作り。700年前のドイツに漂着したバッタ型宇宙人と片田舎の宣教師との不思議な交流。以外とスムーズに意志の疎通が出来てしまうのが可笑しい。古文書に僅かに残る異星人の痕跡から徐々にファーストコンタクトを解き明かしていく現在パートも中々スリリング。
    キリスト教が普遍的な知識として蔓延しているが故、バッタ型異星人は悪魔として村人に認識されていく過程が興味深い。
    それにしてもペストの描写はすさまじい。
    ドゥームズデイブックに比べたら泣かせの要素は薄いけれど、現在パートがよりハードSFしている、読み応え十分でした。お勧め!

  • 上巻を読んで、その後は、どうなかったと楽しみにしていたが、主に中世の人々と異性から来たものたちの交流を中心としたドラマと言った方がいいかもしれない。地球を飛び立った彼らがその後、どうなったか、知りたい。

  • 十四世紀のドイツの山村で異星人とのファースト・コンタクトがあった。現代の話と当時の出来事が綴られていく。黒い森の端に位置する上ホッホバルトの住民は、森から上がる煙と轟音に驚き、デートリッヒ神父を交えて森に入った。なんとそこには悪魔のような姿の異星人が故障した乗り物を取り囲んでいたのだ。現代には、統計歴史学者のトムが中世の消えた村のアイフェルハイムを文献史学を学んだ司書の助けを借りて探していた。

  • [ 内容 ]
    <上>
    14世紀のある夏の夜、ドイツの小村を異変が襲った。
    突如として小屋が吹き飛び火事が起きた。
    探索に出た神父たちは森で異形の者たちと出会う。
    灰色の肌、鼻も耳もない顔、バッタを思わせる細長い体。
    かれらは悪魔か?
    だが怪我を負い、壊れた乗り物を修理するこの“クリンク人”たちと村人の間に、翻訳器を介した交流が生まれる。
    中世に人知れず果たされたファースト・コンタクト。

    <下>
    現代のフィラデルフィアで、統計歴史学者のトムは、14世紀に忽然と消えた小村の謎を追っていた。
    同居する宇宙物理学者のシャロンは、光速変動理論を調べるうち、ひとつの宇宙論に到達した。
    二人の研究によって見出された真実とは。
    黒死病の影が忍び寄る中世の生活と、異なる文明を持つ者たちが相互に影響する日々を克明に描き、感動を呼ぶ重厚な傑作。
    ヒューゴー賞最終候補作。

    [ 目次 ]
    <上>


    <下>


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 育ってきた環境や慣れ親しんだ文化が違うということはとても大きなことで、たとえ言葉が通じたとしても本当に相手のことを理解できるのかどうか。相手が異星人であってもそうでなくても。
    これまであまり関心を持ったことがなかったけれど、中世ヨーロッパにおけるペストに対する恐怖というのはすさまじいものであったのだろうなあ。

  • ペストが猛威を振るうドイツの片田舎に漂着してしまった異星人たちはなんとか故郷に戻ろうとするが・・・
    まさに邦題の意味がしみじみとわかり、不覚にも目頭が熱くなるシーンもありました。

    異なる進化を遂げたものたちは本当にコミュニケートできるのか?というハードな疑問はのこるものの、異文化の交流を描きつつ切ないラストは感動ものです。

    コニー・ウィリスの傑作「ドゥームズデイ・ブック」を思い浮かべてしまいました。

  • いやはや、抒情歴史SFとでもいうべきか。ドゥームズデイ・ブックにローマ教会とエイリアンを足す、というプロットだけ見ればとんでもない。中世ドイツの生活、信仰を丁寧に描き、そこへエイリアンとの異文化交流が生まれ、ラストはやっぱりペスト。エイリアンたちを受け入れるの早すぎ!と思ったけれども、実際世界が限られていた人々には、ただの人種の違いと同じ程度の衝撃なのだろうか。上巻のカバーイラストが、ずいぶん彼らをイメージするのに役立ってくれた。妙な萌えイラスト描くんじゃなくて、こういう幅を残しておいてくれる物がやっぱり良い。

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