時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫) (創元SF文庫 ウ 9-4)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488706043

作品紹介・あらすじ

界面を作った存在を、人類は仮定体(仮定上での知性体)と名づけたが、正体は知れない。だが確かなのは-1億倍の速度で時間の流れる宇宙で太陽は巨星化し、数十年で地球は太陽面に飲み込まれてしまうこと。人類は策を講じた。界面を突破してロケットで人間を火星へ送り、1億倍の速度でテラフォーミングして、地球を救うための文明を育てるのだ。迫りくる最後の日を回避できるか。ゼロ年代最高の本格SF。ヒューゴー賞受賞巨編。

感想・レビュー・書評

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  • "ぼくらはみな、雨の雫のように儚い。ぼくらはみな堕ちてゆくし、みなどこかに着地する。"面白かったです。火星の遺伝子テクノロジーによる第四期。スピンと仮定体。そしてアーチ。物語はまだ着地してないけど、どんな未来が待っているのだろう?ワンに勧めたSFににやりとしてしまう。「異星の客」読みたい!「レッド・マーズ」積んでます。それにしても壮大な(時間も空間も)話で、ドキドキしました。ジェイスンの死は悲しかった・・・

  • スピンの存在理由は不明だが、レプリケータの作る生態系の話はおもしろかった。
    火星から来たワンさんの話もおもしろかった。

  • タイラーは、E.D.が主導し、ジェイスンが責任者になっているペリヘリオンの診療所の医師として勤務していた。これは、ジェイスンが自分の専属医になってほしいと依頼してきたからである。彼は自分の病気である難性多発性硬化症をE,D,に知られることを恐怖していた。今の仕事を取り上げられると考えていたから。地球を覆ている膜「SPIN」を通り越して宇宙に出ていく計画を取り上げらられないようにと。壮大な話だな。これが第一部で、第二部、第三部があるという。はやく読んでみたい。

  • ハネムーン中に読破(理解ある夫に大感謝)。

    スーパースターや特別な存在ではないフツーの人が、特異なシチュエーションに翻弄されながらも、自分の中に確かなものを見つけていく話が好き、と再確認。
    主人公視点での、彼自身も含む人間描写が丁寧で好感が持てるし感情移入しやすい。

    私は回収されて初めて気づく、ある意味で伏線を一番おいしくいただけるタイプの読み手なので、続編を読むのが楽しみ。

  • 下巻に入り意外な展開となる。地球と火星だけではなく、太陽系を越えて銀河系にまで話が広がる。仮定体の正体にも迫り、宇宙に生きる生命体へと想像が広がる。スピンの状態も変わるし、人類も進化する。地球と火星の関係も変わる。ただし、地球というか人類はあまり変わらないかもしれない。そんなところは著者の人類に対する皮肉だろうか。複雑なストーリーでもなく、ある意味予想できる範囲の結末であるが、描写が細かくて映像が生き生きと頭の中で再生される。面白かった。続篇は「無限記憶」になるので、こちらも読みたいと思う。

  • 「おすすめ文庫王国」のSFベスト10の第5位、そして何より本の雑誌社のHPの文庫評価コーナーで、5人全員が5つ星をつけたことで気になってた作品。
    SFってほとんど読まないんだけど、この設定は惹かれたね!
    ある夜、地球は黒いシールドに覆われ、しかも地球の時間の流れは外界の一億分の一の速度になっていた。地球を救う唯一の希望は、火星への移民計画…っていう壮大なストーリー。
    「どうなんの?どうなんの?」とするする読めちゃうこのうまさ。これは翻訳家のうまさもあるんだろうな。

  • 奇抜な設定だけでなく、人間ドラマも描き込まれていて、SFの枠を越えた面白さ。もう少しこの世界に浸っていたいと感じた。

  •  時間SFには目がないので、このタイトルをみて気を惹かれ、評判はどうかとネットで検索してみたら、同題のエロゲーがあるらしく、そんな記事ばかりが引っかかってきてまいった。もちろんエロSFではないし、時間SFともいえない。どこそこ火星SFになりそうになってきて、しかしこれはもしかして21世紀版『都市と星』ではないかと思わせるあたりが上巻の引き。ところがどっこい、ウィルスン版『幼年期の終わり』ではないかという話の運びになっていく。
     人類にとってのある種の「幼年期の終わり」の物語であるとともに、主人公〈ぼく〉にとっての「幼年期の終わり」ともいえるあたり、大きな物語と小さな物語が連動していくのが見事。どこか閉塞し、同じところを旋回している〈ぼく〉の人生が開かれていくところに、読者がもっとも心を動かされるのではないか。読了後、もう一度〈ぼく〉の人生をたどってみたくなる。そんなSFもめずらしい。

  • 緻密すぎる構成に絶句。一体作者の頭はどうなってるんだ。社会情勢、人間描写、情景、どれをとってももう一つの世界のであるかのように見えるほど破綻なく書かれていた。驚愕だ。

    それでいてストーリーも奇抜で面白くて、なおかつしっかり理屈が通っている。読み応え抜群の作品だった

  • 平明な理論で描かれた平明ではない未来。身をつむることなく太陽を見る勇気は難しい…
    続編に期待大です。

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