黒い破壊者 (宇宙生命SF傑作選) (創元SF文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 85
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488715052

作品紹介・あらすじ

宇宙生命はSFの魅力の一つである。地球生命と全く異なる習性やライフサイクルが説得力豊かに描かれることでセンス・オブ・ワンダーが生まれる。本邦初訳1編を含む全6編。

感想・レビュー・書評

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  • 黒い破壊者 (宇宙生命SF傑作選) (創元SF文庫)

  • the black destroyer, like a Panther and the other SF creature. l want to make an another black destroyers long story .

  • 異星で異形の生命体と人類が絡み合う作品のアンソロジー。実は個人的にはあまり好きなジャンルではないのだが、Amazonでいつもおすすめされるので、そこまで言うなら読んでみようと思い立った。

    読んでみて、やはり自分には合わないかなという感想。中には面白かった作品もあった。個人的に楽しめたのは「海への贈り物」と「おじいちゃん」「キリエ」といったところ。まあ半分くらいの作品は楽しめたわけだ。読まず嫌いだったのかもしれない。

    以下、個別作品の感想。

    ◎狩人よ、故郷に帰れ(リチャード・マッケナ)
    アダムとイヴの物語といえばいいのだろうか。ストーリー展開は予想できるものの、少し難しい話だった。

    ◎おじいちゃん(ジェイムズ・H・シュミッツ)
    異形の植物動物の話。オオオニバスのような植物の筏に乗って地球型惑星を調査し、その道中でトラブルが発生するような感じだ。そこそこ面白い。


    ◎キリエ(ポール・アンダースン)
    物理的な体を持たない生命と人類が宇宙探査に向かう話。物理的な体を持たない生命体(ルシファー)と人類とはテレパスを媒介して人類と会話する。今となっては少々古い感じがするが、このようなストレートな感じも読んでいて楽しい。


    ◎妖精の棲む樹(ロバート・F・ヤング)
    衝撃のラストと言うべきでしょうか。でも正直なところよく理解できなかった。大木を斬り倒す話なのですが、樹木と妖精の話は分かったものの、それとラストが結び付かない。難しかった。


    ◎海への贈り物(ジャック・ヴァンス)
    異星の海に棲息する生物(アザラシみたいな海獣)が実は知的生命体かもしれない。そんな状況で人間とその生物がコミュニケーションしようとする。背景には知的生命体かもしれない生物から鉱物資源を搾り取ろうとする人々もいて、なかなか複雑な状況となる。ストーリーとしては複雑な話ではないので、潮の臭いを感じながら楽しく読めた。


    ◎黒い破壊者(A・E・ヴァン・ヴォークト)
    そりゃ恒星間宇宙旅行ができるようになれば、知的生命体と遭遇することはあるだろう(本当か?)。ファーストコンタクトの相手が、人類と同じような姿形をしているとは限らないし、他生物に対して友好的かどうかも分からない。本作品は不幸なファーストコンタクトだと思った。お互いの目的が分かりあっていれば、お互い命を落とさずにすんだのではないかと。そもそも言葉が通じる人間同士でも本当に分かりあえることは難しいので、異星で異形の生物と分かりあえるのは不可能なのかもしれない。

  • 中村融編「宇宙生命SF傑作選」は、以下6篇収録。
    ・リチャード・マッケナ「狩人よ、故郷に帰れ」
    ・ジェイムズ・H・シュミッツ「おじいちゃん」
    ・ポール・アンダースン「キリエ」
    ・ロバート・F・ヤング「妖精の棲む樹」
    ・ジャック・ヴァンス「海への贈り物」
    ・A・E・ヴァン・ヴォークト「黒い破壊者」

    宇宙生命を取り扱う作品ときくと、どうしても映画「エイリアン」のように、宇宙に進出した人類とグロテスクな容姿をした生命体との手に汗握る攻防…という作品が連想されます。しかし、本書でそのような作品はヴォークトの「黒い破壊者」のみ。それ以外は、編者があとがきで言及するように生態学(エコロジー)に焦点をあてた作品です。
    そんなエコロジー的SF作品の中でも、とりわけ面白かったのは、ジャック・ヴァンスの「海への贈り物」。
    地球から遠く離れたとある惑星。海で満たされたこの惑星を調査するクルー一行。ある日、突然、仲間のひとりが調査用のいかだから姿を消した…
    地球外の知的生命体とのコンタクトを扱った作品を読むのは、本書が初めてというわけではありませんが、より緻密にコンタクトの過程を描いた作品として、本作は読み応え十分。潜在的な恐怖を感じる海を舞台にしたことも、不穏な空気を感じられて、ほどよい緊張を感じつつ読み進めることができました。

  • 宇宙人でもなく宇宙怪物でもなく<宇宙生命>SF。ということで、ある意味SFの王道である侵略者タイプではなくユニークな生態がポイントとなる作品のアンソロジー。さすが百戦錬磨のアンソロジストである中村融さん、ひねりが効いている。

    「狩人よ、故郷に帰れ」リチャード・マッケナ
     解説にもあるようにテラフォーミングが大きな要素を占めるが、狩りをする男たちのプライドを重んじる発展途上の種族と進んだ科学技術を持つ種族との文化人類学的な対比にも重きを置かれてアイディアもユニークで、1963年の作品としては先駆性を感じさせる。
    「おじいちゃん」ジェイムズ・H・シュミッツ
     “生態学的謎解き小説”と解説にあるように、非常に良質なミステリとして成立している切れ味のよい傑作。
    「キリエ」ポール・アンダースン
     ハードSFらしいプラズマ型生命を扱った本作も、(これまた解説からだが)まだブラックホールの概念が注目されはじめるもまだ用語として存在しない1968年初出の作品だと知ると驚きもひとしお。あんまり作者の作品を読んでいないのが申し訳なくなった(苦笑)。
    「妖精の棲む樹」ロバート・F・ヤング
     巨大な樹木の精と木の伐採を仕事にする男の話で、ウェットな切なさが持ち味という印象で(そんなところが当ブログ主としては少々苦手な)作者らしさがよく出ているプロットだが、伐採作業の描写のリアルさや意外にも生々しく残酷なイメージが効果的に作用している傑作。
    「海への贈り物」ジャック・ヴァンス
     船員が謎の死をとげるというパターンは先日読んだホジスン『幽霊海賊』のような海洋ものの怪奇小説の系譜にあって古くからあるのだろうなあ。これはSFで合理的な解釈がなされるわけだが後半思わぬ展開になるオフビート感がなんともヴァンスらしい。また随所に登場する色鮮やかな描写も作者の真骨頂。
    「黒い破壊者」A・E・ヴァン・ヴォークト
     ヴォークトもあまり読んでいないが。これは『宇宙船ビーグル号の冒険』がらみの作品だが、そこには改稿されたものが載っていて元のバージョンを完全版で改訳したのがこの作品ということらしい。これは本書の中では一番モンスターものの王道パターンで1939年作だから様々な作品の原点でもあるものだろう。やはり古典的作品らしいプリミティヴな力強さがある。

     (一部例外もあるが)中篇集ともいえるそれぞれがある程度のヴォリュームを持ち、よく練られたアイディアの作品ばかりで読み応えがあった。また(上記のように)謎解きのミステリ的な部分がいずれの作品にもあり、非常に楽しいアンソロジーになっている。

  • いいですねー!読み応え十分、SFならではのエレガントな短編集です。

    地球人類以外の宇宙生物・宇宙生命をメインテーマに据えた日本オリジナルの短編集。雑誌掲載後に単行本されなかった幻の作品を敢えて取り上げるとの方針の下、なかなかお目にかかれない珍品が粒ぞろい。
    いずれも1960~70年代のかなり古い作品ばかりです。が、21世紀の今読んでも、ほとんど古びていない確固たる世界観と生態系の構築。鴨の個人的な感触ですが、SFの本質とは「変容を描く文学」だと思っています。凡百の地球人類には想像もできないような、異質で、でもその存在を否定することはできないような世界の構築。そうした題材を描き出すキャンバスとして、生態系の構築はうってつけの題材なんですね。

    SF者なら知らぬものはいないであろう、ヴァン・ヴォークトが生み出した怪物「ケアル」はまぁ別格としても、鴨的にはジャック・ヴァンスの構築した世界観のさすがの貫禄が印象的。徹底して地球人類の目線で淡々と描写しながらも、異星生物の未来への挑戦を詩情豊かに描き出したこの美しさ、並行して成立するSFサスペンスとしての完成度。華やかさやキャッチーさからは無縁ながらも、渋いカッコ良さに痺れましたね!これだから古いSF読みはやめられませんよ!

    他の作品も読んで損はない佳作揃いですので、SF好きな方はぜひチャレンジして欲しいですねー。

  • 宇宙生命SF傑作選だから大いに期待!

     「狩人よ、故郷に帰れ」、「おじいちゃん」、「キリエ」はP.アンダースンの作品、「妖精の棲む樹」はR.F.ヤング作品だ。

     「海への贈り物」、「黒い破壊者」と続く。

     でも、読み手のノリが悪く、今回はどれも乗らず。再読することにしよう。

  • 宇宙生命SFのアンソロジー。
    東京創元社から中村融編訳のテーマ別SFアンソロジーは既に何冊か刊行されており、それに繋がる1冊。
    収録作は6編と決して多くはないが、どれも秀作揃いだった。こういう作品が埋もれていたというのに驚く。

  • 深宇宙へ進出した地球人類を待ち受ける、多種多様な宇宙生命。彼らとのコンタクトこそはSFの醍醐味のひとつであり、そこからセンス・オブ・ワンダーが生まれるのだ。

    そうした作品の中から生物学的な面白さが秀逸な中短編を集成した。本邦初訳作1編、書籍初収録作4編、そして後に『宇宙船ビーグル号の冒険』の第1話となる貴重な原型作品を加えた、ヴァラエティに富む全6編。
    扉裏作品解題・編者あとがき=中村融

  • 未知なる世界は、驚きと恐れに満ちている。其れを緩和する道しるべとなる一冊、、、と勝手に想像してます。

    東京創元社のPR
    http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488715052

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