バビロニア・ウェーブ

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 162
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488722012

作品紹介・あらすじ

太陽系から3光日の距離に発見された、銀河面を垂直に貫く直径1200キロ、全長5380光年に及ぶレーザー光束-バビロニア・ウェーブ。いつから、なぜ存在するのかはわからない。ただ、そこに反射鏡を45度角で差し入れれば人類は膨大なエネルギーを手中にできる。傍らに送電基地が建造されたが、そこでは極秘の計画が進行していた。日本ハードSFを代表する傑作。星雲賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 銀河系を垂直に貫く全長5380光年(端から太陽系まで届くのにもバビロニア以前に発信されていることに!)、直径1200万Km(水星軌道の1/10もの直径!)のレーザー定在波(終端で反射している!)が太陽から3光日(遠いような近いような微妙な距離!)はなれたところに発見される。これは自然のものなのか?観測ステーションに研究者たちが執りつかれたように謎を解こうとするのですが、不可解な事故が・・・

    何でそんなに深宇宙にあこがれるのか共感できないまま、物語は進んでいきますが、もはやそんなことはどうでもいい。
    直径5Kmの反射鏡を備えたレーザー推進の遠距離連絡艇で、直径100mの観測基地に向かい、遠心重力環境で育った人はコリオリの影響がない環境にいると酔うなど、そのハードな科学的設定にくらくらきます。自分が当たり前と思っている世界を相対化して見たときに、実は不思議な環境にいるのだということがわかってくるというSFの醍醐味のみで押してくる作品だったのだ。オチよりもイメージが強烈で忘れがたい作品となりました。

    イラストレーターの加藤氏によるコラムが最高!

  • >2年近い調査で明らかになった定在波の姿は、
    >両端がレーザーを反射する作用をも持つ重力場からなる、
    >直径1200万キロメートル、全長5380光年の、
    >銀河系を垂直に貫くレーザー光束だった。


    地球から3光日という太陽系の端っこにとんでもないスケールの舞台があって、
    そこで不可思議な出来事が起きる。
    その原因は何か?
    そもそも何故こんな光束が存在するのか?
    地球からやってきた教授の謎めいた目的とは?

    というストーリーは、まさにハードSFそのものといった感じ。
    つまり、SF的なもの・舞台についてのあれこれがメインで、決して背景にはならない。
    ラストで明らかになるバビロニア・ウェーブの全貌には、急激に視野が広がる、SFならではの気持ちよさを感じさせてくれます。

    30年以上前の本ですが、古さを感じさせない良作。

    ・・・古さといえば、ひとつありました。
    「セチ」が「CETI」と書かれています。
    今は、
    「SETI」―Search for Extra-Terrestrial Intelligence―地球外知的生命体探査
    と言います。

    当時は、communication with extra-terrestrial intelligence―地球外知性との交信
    だったのですね。

  • エンタメとしての読みやすさより
    科学的な作り話としての造形を追及したガチハードSF
    にしてももう少し整理したほうが良いとは思うのだが
    これはこれで良いのである

  • これぞハードSF、これぞ宇宙SF、まさにサイエンス・フィクションの金字塔( ´ ▽ ` )ノ
    古今東西、あらゆるSF作品の中でもトップクラス( ´ ▽ ` )ノ
    テーマも筆致も出来栄えも、日本版「ソラリス」と言って過言ではない( ´ ▽ ` )ノ

    アイディアもすごい、ハッタリも超絶、ネーミングも最高、科学的考証も文句なし( ´ ▽ ` )ノ
    小松左京さんが言った「科学的問題を科学者が科学的方法をもって解明する」という、ハードSFの定義をこれほどまで完全に守ったSF小説って他にあるだろうか?( ´ ▽ ` )ノ

    1.地球の引力によるもの、2.宇宙船の加速によるもの、3.スペースコロニーの遠心力によるもの、三つの重力の描け分け、それがもたらす人間(生理面でも人格面でも)への影響……こんなことまで考察した小説なんて、今まで見たことがない( ´ ▽ ` )ノ

    キャラクターも文章も、淡々としているというか諦観しているというか、感情に走ることなくハードボイルド( ´ ▽ ` )ノ
    人類文明繁栄の外縁で、孤独に研究・開発・その補助に勤しむ最先端の科学者・技術者らの心情がよく表れてると思う( ´ ▽ ` )ノ
    宇宙空間の作業場で巨大な反射板の向こうにひとり浮かぶシーンが、そこのところを最大限に描出していると思う( ´ ▽ ` )ノ。
    自分の前には他の人間(地球人)が一切存在しない……薄い板一枚で全文明から完全に隔絶されている……これほどまでの孤独感は他にありえない( ´ ▽ ` )ノ

    一応美女(たぶん)は出てくるけど、恋愛要素が一切ないというところも、すごく好感が持てた( ´ ▽ ` )ノ
    ハリウッドSF映画だと、いつでもそういうのが邪魔なんだ(隙きあらばジョーク、隙きあらばイチャイチャ、隙きあらばヒューマンドラマ、等々)( ´ ▽ ` )ノ

    強いて欠点らしきものを上げれば、博士の「分身」たる黒いユニットかな?……あれの考証だけがちょっと雑な感じ……(´ェ`)ン-…

    でもまあ、本当なら星10つけたいくらいの大大傑作( ´ ▽ ` )ノ

    ディッチ・サンシャインの長編がこれひとつだけと言うのは、つくづく残念……(´ェ`)ン-…
    もっともっと作品を書いてくれていたならば、日本SF界の現状は全然違っていただろうな……(´ェ`)ン-…

    2017/01/22


    ……ブクログレビューで「人間描写が物足りない」という意見が多々見受けられるけど、そういう方にはぜひ同じ堀晃作品の「太陽風交点」や「悪魔のホットライン」を読んでほしいな( ´ ▽ ` )ノ
    特に「悪魔の」は「冷たい方程式」にも匹敵するヒューマンSFの傑作だよ( ´ ▽ ` )ノ

  • ハードSFだから私には難しいかと思ったけど、意外と分かりやすく楽しかった。登場人物たちに人間性はほぼ感じられずただの狂言回しの役割しか与えられてないけど、余計な情報が省かれてるので「バビロニアウェーブ」について語られる推論や登場人物たちの状況が理解しやすい。主人公マキタが地球産まれでないことからくる感覚の違い等、なるほどなって思う。最後に暗黒物質の正体に迫っていく部分は、もう少し詳しく書いて欲しかったな。

  • 全然面白くなかった。登場人物が無味乾燥すぎる。皆一様に敬語、英語の直訳みたいな堅苦しい台詞、せっかく女性がいても性差を感じさせる言動もなく… あまりに起伏もキャラクター性もない人物描写がつらい。
    バビロニア・ウェーブに関しても、気宇壮大で設定も練られた内容、というのは分かるけど、それから先の発展性が感じられない。太陽系を貫く定点性のあるレーザーの存在…だから? わざわざ謎を解き明かすまでの魅力が感じられない。天文学の知識がある人にはわかるのかしら。
    人物描写の平淡さを含めて「バビロニア・ウェーブ」そのもののプレゼンの悪さが読んでて苦痛。

  • 地球から三光日離れた位置に5,000光年の長さを持つエネルギーの束、つまりバビロニアウェーブがあります。人類はそのエネルギーを活用する事に成功しています。物語はバビロニアウェーブを取り出す基地が舞台となり進んで行きます。

    久々に本気のSFを読みました、聞きなれない言葉は沢山ありますが、近未来の非日常が魅力的です。
    作者に期待したいのは続編か前日譚を書いて欲しいと思いました!

  • [ 内容 ]
    太陽系から3光日の距離に発見された、銀河面を垂直に貫く直径1200キロ、全長5380光年に及ぶレーザー光束―バビロニア・ウェーブ。
    いつから、なぜ存在するのかはわからない。
    ただ、そこに反射鏡を45度角で差し入れれば人類は膨大なエネルギーを手中にできる。
    傍らに送電基地が建造されたが、そこでは極秘の計画が進行していた。
    日本ハードSFを代表する傑作。
    星雲賞受賞。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • <閲覧スタッフより>
    【堀晃氏作品】
    7月12日に開催される交流文化研究会にて講演いただくSF作家・堀晃氏の作品を集めました。講演会のお話とともに、ぜひ手に取ってみてください!

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    所在記号:文庫||913.6||ホリ
    資料番号:10224290
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  • 地球から三光日の距離に発見されたエネルギー源、バビロニア・ウェーブをめぐる物語。

    宇宙SF小説読んだのって、ガンダムと銀河英雄伝説ぐらいやなw
    でも、いわゆる本格的SFって初めてかな?

    面白かった。
    全般的にミステリーっぽいところも読みやすかったのと、宇宙に関する細かい設定や説明が、コズミックフロント見続けてきたおかげで、うんうん!って納得できたのも大きいかなw
    逆に言うと、あまり宇宙について知らなかったらちょっとわかりづらいかも。。。(僕もわからないとこあったし、、、)

    もう少し各キャラの内面が分かりたかったかな、と言うのと最後の結末がもう少しわかりやすかったら、もっと最後にスッキリできたと思う。

    ただ、とにかく、この本のおかげでSF小説に対してかなり興味がわいたし、読める!と言う手応えもつかめた。
    これはありがたい!!!

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著者プロフィール

1952年 山口県生まれ、画家
山口県下関と奄美大島とで絵画制作中

現代日本絵画展大賞 昭和会展優秀賞 モダンアート展協会賞 小林和作賞 山口県芸術文化振興奨励賞 損保ジャパン美術財団奨励賞受賞者展優秀賞 リキテックスビエンナーレ展受賞 安井賞展 明日への具象展 具象絵面ビエンナーレ 日本青年画家展 現代美術選抜展 両洋の眼・現代の絵画展 前田寛治大賞展 プサン青年ビエンナーレ テグアジア美術展 その他多数

個展:北九州市立美術館、下関市立美術館、日動画廊、日本橋三越本店、中宮画廊ほか多数
収蔵:下関市立美術館、大分市立美術館、東郷青児美術館ほか多数
出版:エッセイ集「波打ちぎわ」パステルスケッチ集「加計呂麻」

「2008年 『今夜も眠れないこの島で 奄美からの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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