幻詩狩り (創元SF文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 116
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488726010

感想・レビュー・書評

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  •  現代から過去、未来と時間がすらりとわかっていく。登場人物も場所も、リレーのように変わっていく。とある文書が生まれて消えるまでの物語だが、その作品には人類の未来を左右する凶暴な力があるのだ。

     特に中盤から後半を占める現代(少しさかのぼるが)日本編は、ある種企業小説的なタッチで進むけれど、登場人物がなにも知らずに爆弾をもてあそんでいるようで、むずむずする感じがしておもしろかった。

     とってもおもしろく、はらはらしながら読んだけど、正直ラストがちょっと期待はずれ。まあ、それしかないだろうって終わり方ではあるんだけど、物語の必然と言うよりも、約束した長さになったからここで終わる、あるいは語るべきエピソードがつきたからここで終わる、という感じが少しだけした。

     それにしても、まだまだおもしろい物語はたくさんあるんだなというのが実感。ずいぶん前に買かれた作品なのに。

  • [ 内容 ]
    1948年。
    戦後のパリで、シュルレアリスムの巨星アンドレ・ブルトンが再会を約した、名もない若き天才。
    彼の創りだす詩は麻薬にも似て、人間を異界に導く途方もない力をそなえていた…。
    時を経て、その詩が昭和末期の日本で翻訳される。
    そして、ひとりまたひとりと、読む者たちは詩に冒されていく。
    言葉の持つ魔力を描いて読者を翻弄する、川又言語SFの粋。
    日本SF大賞受賞。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 出版社からもわかるように、SF。
    ふだんはあんまりSFって読まないんだけど&川又千秋って初めて読むけど、けっこうおもしろかったです。

    フランスの若き詩人が書いた、禁断の詩。それを読んだ人びとは次々に精神を犯され、死んでいく…。
    …と、ぶっちゃけ、初めは、SFっていうより、サスペンス?って感じなんだけど、読み終わってみると、「これはSF以外の何ものでもない」って感じ。

    終盤も、SFにはよくある手法なのに(←きっと。たぶん。あたしの少ないSF読書体験からすれば)、切ない感じでまとまってて、すごく好みです。

    そして、問題の詩。
    死ぬのを覚悟で、ちょっと読んでみたい…かも。
    あるいは、他の2つの詩を。

    実は詩は3つあって、1コめの「異界」、2コめの「鏡」、3コめの「時の黄金」。どれもすべて、言葉で、異界・鏡・時間そのものを「つくり出す」、らしい。

    たとえば、人が死んじゃう3つめの詩について、その詩をつくりだした若き詩人はこう言ってます ↓↓↓
    「僕が書こうとしているのは、時間の幻影じゃありません。時間、そのものです。この世界をからめとっている”時”そのものを、文字に写し取ることができるんです。言葉によって、別な時間を作り出せるんです。」(p.129)

    いやいやいや、全然、想像もつかないから。
    んでも、だからこそ、すんごく興味が湧きます。

    とくに、あたし好みなのは、「鏡」。
    ページの振り方が洒落てるとこも好きだし、興味あるけど、文字を読んでいるだけ、もっと言えば、紙に印刷された黒いインクを見ているだけなのに、「鏡が見える」、「自分が映って見える」って。。。
    …体験してみたい、かも。
    ただ、1コだけ気になるとすれば、3つの詩はどれも、もともとフランス語なんだけど(←そういう設定)、日本語訳でも、同じ効果が現れる…ってところ。

    言葉っていうものが魔力をもつとすれば、それは、その言語だから、だと思うんだけど、どうなんだろ?

    翻訳っていうのは、どんなにうまい訳だなぁと思っても、あるいは、どんなに忠実に直訳したとしても、原文とは全くもって、似て非なるものだし。

    訳でもおっけーなら、言語自体ではなくて、書かれた内容が魔力をもっているってことで、それは…、ふつーな気がする。
    教条とか、思想とか、イデオロギーとかって、たぶん、そういうものだと思う。
    内容が、魔力をもつもの。
    たとえ何語で読もうとも、読んだ人が魅せられてしまうもの。

    さて、で、最後にもうひとつ。
    この小説では、フランスのシュールレアリスムが、欠かせない要素のひとつになっています(たぶん)。
    あたしは芸術とか全然よくわかんないんだけど(たぶん中学生の方がよく知ってると思う)、そーゆーのがわかっていたら、おもしろさも倍増だったろうなぁと思います。

    この前、江國香織の『日のあたる白い壁』を読んだときも思ったけど、教養って大事だなぁ…。

  •  SFに分類されるのだろうが、そう言ってしまうと違和感を感じる作品。
     だからといって面白くないというわけではない、期待以上に楽しむことができたと言っていいだろう。
     キーワードは「詩」であるが、それを見ることはできない。読者の想像力にまかせているのか、書かないことによって恐怖感を醸し出そうとしているのか、その両方なのかもしれない。
     最後の最後で、SFらしいシーンが出てくるが、個人的にはもっと別の表現にしてほしかったと思う。これによって、全体としての世界観の統一が崩れてしまうような気がする。

  • 図書館で借りて読みました。

    文章で事象や物品を完全に表現することが出来る、と言うアイディアは面白いですね。表現するだけでなく、その文章を読んでいる人の頭の中に具象されたら…と言うテーマなのでしょうか。
    イメージは人それぞれ違うのでしょうが普遍的な物や事象の本質に迫る核の部分は共通だとしたら。その辺りで共感出来るのかもしれません。

    個人的に火星の部分は必要だったのかな?と読んで思いました。

  • これはSFというよりファンタジーですかねぇ、と思いながら読んだらラストはちょっとだけSFっぽくなりました。壮大なお伽噺、とでも言った方が良いかもしれませんねー。

  • シュルレアリスム運動を舞台に現代にまで続く詩(架空の詩)が巻き起こす騒動を描いたSF。シュルレアリスムの本質を描けているわけではないが、その異質さの一端を表現している。惜しむらくは展開に難ありか。

  • <poka>
    初めて川又作品を読みました。筆力が感じられ、川又さんの世界に引き込まれました。

    <だいこんまる>
    引き込まれて、pokaさんは火星まで行っちゃいましたぁ。

  • SFといえばスペオペとかドラえもん的な物ばっかりとおもってたらこう言うのもあるんだね。ドゥバド

  • あれは―それでよかったんです

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