ひとめあなたに… (創元SF文庫)

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  • 東京創元社
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レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488728021

感想・レビュー・書評

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  • 読んだのはこの版じゃなかったけど、これを登録しておこう。
    昔、従兄から何冊か借りて読んだ新井素子の本のうち、
    唯一ちゃんとストーリーを記憶している作品。
    人類滅亡の日が間近に迫って、最後に何をしたいかといったら、
    ヒロインは鎌倉にいる元恋人に逢いたい一心で、練馬から歩いて行こうと決意。
    途次、やはり世界の終わりを前に
    心の箍が外れてしまった女性たちと接触する。
    どうしても「チャイニーズスープ事件」が話題になりがちだけど(笑)
    私はさほど猟奇的とも恐ろしいとも思わなかった。
    もう後がないってわかっていたら、
    そのくらいやらかしちゃう人ってのも、いるかも……なんて、
    変にリアリティを感じたものだった。
    むしろ、一番まともそうなヒロインが、
    相手に受け入れてもらえる確証もないのに、
    ひたすら目的地に向かって突き進んでいくっていうのが怖かったなぁ。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    女子大生の圭子は最愛の恋人から突然の別れを告げられる。自分は癌で余命いくばくもないのだと。茫然自失する圭子の耳にさらにこんな報道が―“地球に隕石が激突する。人類に逃げ延びる道はない”。彼女は決意した。もう一度だけ彼に会いに行こう。練馬から鎌倉をめざして徒歩で旅に出た彼女が遭遇する4つの物語。来週地球が滅びるとしたら、あなたはどうやって過ごしますか。



    来週地球が滅びるとしたら、私は圭子の行動が1番理解出来るかも...お互いに幸せな気持ちで死ねるのなら それは理想な終わり方だと思いました。
    いざその時になったら 死にたくない!とジタバタするのかもしれませんが 人間はいづれ死ぬものだと言う事は歳とともに強く思う事でもあります。
    幸せなだったと感じながら死にたいです。

  • なかなか独特な文章で、入りにくかったけど、クレイジーな奥様の話が面白くてそこからは一気に読めた。
    世界の終わりって設定だから、自分ならどうするだろう、人類はどんな行動をするんだろうとか考えた。暴動、虐殺、理性を捨てて本能をむき出しにするのか、大切な人とゆっくり過ごすのか。日本人は最後まで仕事してそうだな、警察とか。でも単身赴任とか遠距離の人はつらいな〜。交通機関だけは動かして欲しいなとか、考えだすと止まらなくなる。

    ただ、出来れば途中で彼氏と出会うようにして欲しかった!

  • 不治の病にかかった恋人に振られた圭子は、
    一週間後に隕石が衝突し人類は滅亡することを知り、
    練馬から鎌倉の恋人宅まで歩いて向かうことを決意する。

    圭子が元恋人と再会するときに着る服とハイヒールだけを持って出発したときは、道中に出会うあれこれのお話かと思った。
    が、章が変わると、人形のように主体性のない妻が夫を殺して解体し、夫の肉を使って料理をしはじめるすごい展開。

    圭子が交錯した人類滅亡を迎える4人の女の話が、圭子の道中に挿入される形。
    圭子は主人公というほどに物語の大きな役割は背負っていない。
    彼女はひたすら恋人に会いたい一心で前進する。
    途中でバイクに乗って一気に鎌倉へ着いてしまうし大きなアクシデントにはほとんど合わない。
    ただただ鎌倉を目指す。

    各挿話の主人公達は、パニックになりその衝動が外へ向かう、というありがちな図式ではなく、それぞれに事実を受け入れて進んでいくのが新しい。


    コテコテの新井素子作品であるから、文体がキライ、合わない、という気持ちもよくわかるけれど、やはり新井素子は天才だなと思う。
    1981年に刊行された作品の改訂版。
    二十歳のとき書いたなんてね。
    『チグリスとユーフラテス』といい、何て嗅覚の鋭い人なんだろうと感心する。

  • あなたのためにチャイニーズスープ…と歌う彼女。
    どれだけ経っても忘れられない小説です。

  • 内容
    女子大生の圭子は最愛の恋人から突然の別れを告げられる。自分は癌で余命いくばくもないのだと。茫然自失する圭子の耳にさらにこんな報道が―“地球に隕石が激突する。人類に逃げ延びる道はない”。彼女は決意した。もう一度だけ彼に会いに行こう。練馬から鎌倉をめざして徒歩で旅に出た彼女が遭遇する4つの物語。来週地球が滅びるとしたら、あなたはどうやって過ごしますか。

  • 恋人から別れを告げられた圭子。彼は骨肉腫で彫刻を諦めねばならなくなり自棄になっている。折しも報じられたのは隕石の衝突によって地球が滅亡するまで残り一週間という事実。交通機関が麻痺した中,圭子は練馬から恋人が住む鎌倉まで自分の足で歩き始めた。その途上で彼女が出会う4人の女性それぞれが,限界状況で自分に向き直す物語も絡んでいく。美しい。

  • 文体がはまる、小気味よい、時代背景諸々踏まえ新井素子はすばらしい、でも後半の展開はないと思う、あと少女漫画過ぎて個人的にはあと一歩

  • No.898
    1. 目的
     ビブリオバトルで紹介されていた1冊。
    2. 得たこと
     「セカイ系」というSFジャンル。ディストピアを背景に、究極のシチュエーションで入り組む人間関係の描写に引き込まれました。
    3. アイデア
     新井素子さんの他の本を読んでみよう。

  • ラノベのはしりとも言われる著者、さらにその中でも「セカイ系」と言われる本作。文体的にはラノベというよりはケータイ小説……いや、これは新井素子文体か。癖がある、でもきっちり感情も情景も伝わってくる。それで表現されるのは辛辣な世界であり、素直な人の感情であり。陳腐な感想だが、心に深く染み入ってきた。読了後、あと一週間で避けられない人類滅亡があるならどうするかと思考を巡らせると、自分の大切な物・事・人が分かってくるかもしれない。余談だが、江古田(えこだ)がフィーチャーされているのは江古田好きのワシには嬉しい。

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著者プロフィール

新井素子

一九六〇年東京生まれ。立教大学独文科卒業。高校時代に書いた『あたしの中の……』が第一回奇想天外SF新人賞佳作を受賞し、デビュー。八一年『グリーン・レクイエム』、八二年『ネプチューン』で連続して星雲賞を受賞、九九年『チグリスとユーフラテス』で日本SF大賞を受賞した。他の作品に、『……絶句』『もいちどあなたにあいたいな』『イン・ザ・ヘブン』『銀婚式物語』『未来へ……』など多数。

「2019年 『ダイエット物語……ただし猫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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