BISビブリオバトル部1 翼を持つ少女〈下〉 (創元SF文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488737054

作品紹介・あらすじ

空のデビュー戦から三日後。ビブリオバトル部の部室では緊急ミーティングが開かれていた。六月の終わりに対戦試合を予定している他校の生徒が、不正を画策しているのではないかという疑惑が持ち上がったのだ。部内に流れる不穏な空気を打ち破ったのは、対戦試合に自分を出させてほしいという空の申し出だった。彼女の目標は、SFに理解のない武人に、ビブリオバトルで手を挙げさせること。突然の宣戦布告に驚く武人だったが……。

感想・レビュー・書評

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  • 他校とのビブリオバトル
    偏った思想を持つ相手に対してどうするか?

    三益先生がいなくなった後の部長の変わり身がウケる

    途中まではザマァ!と思って読んでいたけれども、朝日奈先生の言葉で読んでいた自分もぶん殴られる
    正義の究極は悪なんだよなぁ……
    自分が正義だと思っている奴ほど歯止めが効かない
    だって、正義なんだもの
    悪を自称するのであれば罪悪感という言葉があるけど、正義にはないものなぁ
    その正義の根拠は何だっていう話ですよ


    朝日奈先生の指摘の通り、楽しそうに発表してた伏木さんの発表が一番読みたくなった
    いや、一番は「小学4年生の世界平和」なので、2番目かな

    概要を聞くだけでゲームが複雑なのがわかるけど、小学4年生ができるものなのか?
    しかも今までの全てのゲームで成功しているって、マジか?
    なんか、途中で先生からの恣意的な関与が疑われるなぁ……
    でも、まぁ子供への教育という面で見ればいい方法なのかもね


    そして、「フェッセンデンの宇宙」
    上巻で伏木さんが紹介してたときにはそんなにも読みたくならなかったけど、今回は読んでみたくなったんだよなー
    なんでだろうね?
    やはり、本の紹介って難しいっすなぁ

    僕も読書会でよく本を紹介するけど
    ただ単に自分の語りたい内容を語ってるだけな気がする
    如何に聞き手に「読んでみたい」と思わせるかは考えてないかも
    今後は紹介の仕方を工夫してみようかね?


    あと、アンネの日記を読んだことがあるけど、改訂版は読んでない
    でもまぁ、そこまで赤裸々な内容が含まれるんだったら読まなくてもいいかなという気もする


    さらに余談だけど、朝日奈先生は仮面ライダー響鬼は前期派なのかね(笑)
    全29話ですとかねw
    プロデューサーと脚本家の交代と路線変更で、ファンの間でもそれぞれに否定派肯定派がいるという不思議な作品なんだよな
    僕としてはどっちもアリだとは思うけど、桐矢の存在は「こいつウゼェ」と思いながら観ていた記憶が
    ただ、ストーリーの転換としての役割としては十分な働きしてたなぁ
    明日夢君の響鬼さんへの弟子入りエピソードという意味では進展があったわけだしね
    あと、平成ライダーはライダー同士の戦いという要素があって
    響鬼に関しては鬼同士の戦いはないので、弟子同士の競い合いでそれを表現してたんだろうかとも思う
    ま、桐矢のやり口はとても認められないがね

    と、本のストーリーと全く関係ない話題でもそれて盛り上がろうと思えばどこまでも盛り上がれるw


    やっぱ、詳しい人と話をするのは本当に楽しいんだろうなぁと思うよ

  • 深刻な社会問題への言及も語り口のせいであまり重くならず、テンポ良く話は進む。差別批判がいささかくどい感はあるが、それも“らしさ”。最後H.G.ウェルズに着地させるところは巧い。続編も読んでみたいと思った。

  • ビブリオバトルというものを知ったのは、比較的最近のことである。
    その時は「なんて面白いバトルがあるのだ!」と興奮した。
    しかし、いまだそのバトルを生でみるチャンスなし。いつかみてみたい。

    さて、本書は高校のビブリオバトル部で起こる物語。

    何よりこの舞台であるBISという高校が素晴らしい。
    校則もなく、服装も自由。授業も選択制で、生徒たちの出身国もいろいろ。
    あぁ、こんな高校で学生生活を過ごしたかった!

    ビブリオバトルではきちんと本の紹介もされている。
    私も10代のころはSFが大好きだったことを思い出し、読んだはずの本もすっかり忘れている今、また読んでみたくなった。

  • 上下通して

    本を紹介し合うという本好きによる本好きのための内容。
    学園ものでどっちかというと本来の意味でのオタク的な会話が目立つが、気になった本だけあとで存在を確かめながら読める。

    ストーリーはともかくこの舞台装置で
    星の数ほどある本をひたすら紹介する本を別に作れそう。

    物語として捉えると展開は本を紹介するのを通して
    作者の押し付けがましい教訓に終始している。

    主人公のヒロインが解説するSF
    出てくるのはどれも絶版ばかりなのはいかがなものか。
    というか古典SF以外紹介する余地がないほど進歩がないジャンルとも言えるのでは
    個人的には好きですが

  • ネットで真実を知ったレイシストを叩きのめす話になったときは著者のケンカ好きなところが出たのかと正直辟易しました。スポーツ小説の1巻目は楽しい話をしてくれると思っていたので。
    なので主人公の空が「そんなのは楽しくない」と言ってくれたときは心底よかったと思いました。そして、クライマックスである『フェッセンデンの宇宙』のプレゼンはとても素晴らしいものでした。他の誰でもない一人に向けて贈られる翼の話は何度も読み返したいです。
    だから、私がこの物語で覚えておきたいのは「あなたに読んでほしい本がある」という情熱です。

  • 良き時代のSF小説好きには、わかるわかる~って感じの話。
    キャラクターが魅力的。

  • 3.5

  • 今はまだ全国的に話題になることも少なく、だからこそ純粋に「面白い本を紹介したい/知りたい」という人達の集まりで済んでいるんだろうけど、そのうち有名になって、影響力が出だすとこの本に書かれている様な不正も起こりうるかもしれないね。そうでなくても「本」という商品を扱っている以上、売り上げへの影響はどうしても考慮されるだろうしなあ。
    …とにかく。最初はSFだけを羅列されるのかと危惧していたのだけど他の分野の本についても紹介がされていて、良かった。氏の様々な分野への造詣の深さに恐れ入る。

  • 上巻を読んだら古いSFを読み返したくなった。
    下巻を読むと古いアニメの主題歌が聞きたくなる。
    結局、YouTubeで探して聞き、懐かしすぎてちょっと泣いた…。

    巻末の参考資料リストが素晴らしい。

  • 最後の正義論は燃えすぎる!

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著者プロフィール

元神戸大学教授

「2023年 『民事訴訟法〔第4版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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