世界の果ての庭 (ショート・ストーリーズ) (創元SF文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.61
  • (11)
  • (17)
  • (20)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 199
感想 : 37
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488744014

作品紹介・あらすじ

米国人学者と女性作家の出会い。若返る病に罹った母。異世界を彷徨う脱走兵。江戸の辻斬り。生まれては消え、広がる物語の断片。日本ファンタジーノベル大賞受賞作、文庫化。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 4つ(だと思う)の物語世界が順繰りに書かれる連作短篇集。面白かった。時系列違いで4つは初めて読みました。
    主人公の祖父が彷徨う上下に連なる異世界の話が幻想文学で好みです。駅に行けば列車が落としていくものがいろいろ手に入る。ほんとにこれ何処だったのか…好き。。山尾悠子さん思い出します。
    主人公の母親が若返っていく病の話も、主人公と学者のゆっくりと進んでいく関係も理想の庭の話も、辻切りの話はよく分からなかったけれど好きな世界です。
    祖父、母親、とくれば主人公のこれからにも何か起こりそう。庭かな。
    お気に入りレビュアーさんが以前とてもおすすめしてくださった一冊。多忙で没交渉だけどどうしていらっしゃるかな。

  • 雰囲気だけで読んだ。好きな雰囲気なので味わいながら読んだ。けど最後にふわっと薄れて消えた。私は幻を読んだのかもしれない。今では読んだ時間すらも幻のように思える。

  • 5つの繋がりあるストーリーが展開する55編のショートストーリー。
    手が届きそうで届かない、どこへ行くのか、どこへ行き着くのか。
    焦燥感はない淡々とした世界は、薄いブルー。これは表紙の影響が大きい。
    世界に果てはあるのかな。

  • これは。。。
    面白いかと言われるとそうでもない。
    んが、微妙に、実に微妙に話が繋がっている感じが、妙にじわーってくる。というより、これを全然わかんねぇとか言ってしまうと負けた気がするし。
    まぁでも負けたのは確かなので、とりあえず1個選ぶなら、富士谷成章とか、そこらへん、おい変換で出てくるような有名人なんか!すげーなおい。という、謎の過去の文化人を知ってしまったので、ちょっと賢くなった気分だよ。

  • これは…短編?長編?ファンタジー?
    なんとも不思議な物語。
    場所も時代も視点も変わりながら、少しずつ繋がっているような…?
    脱走兵の駅を彷徨うパートが好き。
    変わった作品ではあるが、面白いかと言われると微妙でした。

  • 2013-5-7

  • たしかトヨザキ書評集から。250ページくらいの分量だけど、55章から成る、ちょっと風変わりな短編集。何となく核となる物語はありそうだけど、でもそれぞれに独立しているような話が、少しずつ、でも目まぐるしく風景を変えながら語られていく。微妙に見失いそうになることもあるんだけど、各物語の骨格がはっきりしているのと、登場人物が見えやすいおかげもあって、ついていくのは難しくない。不思議な余韻を残す小説でした。

  • 感想を述べるのが難しい作品。

    若くなる病を患う母
    階段が繋ぐ異世界
    理想の英国式庭園
    辻斬り
    ・・・

    幾つもの時代背景も登場人物も異なる物語が、数ページ単位で並列に進んでいく。

    それぞれの物語は完結するが、きちんと理屈が説明される訳ではない。

    全体的には禅問答のような問い掛けだけを残して終わる。

    たぶん入り組んでいるから読めるのであって、それぞれ単体の作品だとするとオチも薄くて退屈だろう。

    具体的な面白さは見当たらないけど、決してつまらない訳でもない。

    なんとも不思議な読後感だ。


    解説が円城塔なので、

    まあ雑に括ってしまえば、

    そういう感じの本だ。

  • 幾層にも重なる短編にずるずると引き込まれる。そして、放り出されて、おしまい。
    イギリスでたくさんの庭を見た後に読んでラッキーだった。

  • 不思議

全37件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1955年生まれ。翻訳家、作家。著書に『世界の果ての庭』『蕃東国年代記』『ヘディングはおもに頭で』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』ほか。訳書に『郵便局と蛇』コッパード、『第二の銃声』バークリー、『ヘミングウェイ短篇集』など多数。電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」主宰。

「2022年 『郊外のフェアリーテール キャサリン・マンスフィールド短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西崎憲の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×