うどん キツネつきの (創元SF文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 90
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488765019

作品紹介・あらすじ

犬に似た奇妙な生き物を育てる三姉妹の人生をユーモラスに描き、第1回創元SF短編賞佳作となった表題作、郊外のぼろアパートの住人たちの可笑しな日々「シキ零レイ零 ミドリ荘」、十五人姉妹が暮らす孤島を見舞った異常事態「母のいる島」、ウェブ上に現れた子供の日記から始まるシュールな冒険「おやすみラジオ」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる幻想譚「巨きなものの還る場所」の全五編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「少し不思議」の方のSF短編集。
    どれも粒ぞろいですが、核心を書かない&明らかにしない書き方は好みが分かれるところだと思います。ガチガチゴリゴリのSFやファンタジーを読みたい人にはおススメできませんね…昨今流行のゆるふわ系とか日常系もありけり。
    「シキ零レイ零ミドリ荘」が好きです。何か起こりそうな要素がたっぷりなのに!(笑)平和な日常で終わってしまうあっさり感が、もう何とも。
    「母のいる島」も、途中までは重たい話かと思い読み進めていくと「はー…そうですかぁ」脱力させられるという…。

  • 犬、と認識されている謎の生物を育てる三姉妹の話。
    古いアパートで暮らす子供たちと、個性的な住人の話。
    緑豊かな離島で暮らす、不思議な力を持った母と16人の娘たちの話。
    SNSで展開される子供たちの密かな冒険譚が、現実世界に影響を及ぼす話。
    幻想の戦時下で、青森を巡って交錯する複数の人々と神々の話。

    うーーーん・・・SFというよりも「幻想小説」といった方がしっくり来ると思います。理屈や結論を求めてはいけないタイプの作風なのだと思います。そうした作品、世の中でSFとして認識されているものの中にはたくさんあります。理屈や結論が曖昧でも、その作品なりのイメージや世界観を示すことが出来れば、SFまたはそれに類する作品として十分成立し得ると、鴨は思います。

    でも、この作品集に関しては、残念ながら最後までイメージも世界観も掴むことが出来ませんでした。「で、結局何を表現したいの?」と疑問符ばかりが浮かんでしまい、今ひとつ楽しめず・・・ほんわかとしつつも不条理に満ちた雰囲気、嫌いじゃないんですよ。北野勇作氏の作風に近いものも感じますが、北野作品にある世界観の強固なバックボーンが感じられないし、不条理SFの大先輩である筒井康隆作品のような迫力もない。ほんわかしているのに、正直読むのが疲れました。

    かなり読む人を選ぶ作風だと思います。鴨は偶々合わなかったのだと思いますが、ハードル高めですねー。

  • お、おう。子どものときに、オチのないこういう感覚のマンガをかきたくなるよな〜!子どものときって、オチは要らないよな〜!作者さんの脳とアウトプットが直結している感覚に共感した。夢のなかの出来事みたい。アウトプットする時、寝ぼけてるか、お酒のまないと、こういう脳の自動書記みたいな感覚にはならないよな〜。

  • SFはジャンルとして大好きなのに、なぜか文章が頭に入ってこない…珍しく完読できませんでした。

  • ずっと読んでみたかった初めましての作家さんです。とても面白かったです。ゆるゆるとした日常に、ふと入り込んでくる不思議な世界。優しいSFでした。表題作も良かったですが、「巨きなものの還る場所」が好きでした。「国引」も「学天則」も気になります、国引は神話にあるのでしょうが、学天則もあるのかな。「シキ零レイ零 ミドリ荘」のネットの顔文字とかで話すキャラのセリフはどう読んだらいいか分からなかったけど…。読んだ後も、この不思議な日常は続いて行くのだろうなと思わされます。これからも追いかけたい作家さんです。

  • 不思議なお話でした。

    たくさんの姉妹が出てくる話と、アパートの話が好きですね。
    姉妹の話は女性の覚悟とか、かっこよさが見えます。芯の一本通った女性は好きですね。
    アパートのお話しは、人が色々おもしろすぎて。いそうでいなさそうな人たちと、関係性が良かったです。

    ありそうな、なさそうなところをいい感じにくすぐられるのがよいです。

  • 学校の帰り道沿いのパチンコ屋の屋上から、突如として聞こえてきた咆哮。和江と美佐と洋子の三姉妹は箱に入っていたその犬に似た生き物を「うどん」と名付けて家で買うようになります。
    それから何が起こるでもなく、七日め、四年め、七年めと時(章)が過ぎ、あっけなくも不思議な雰囲気を残したまま物語は幕を閉じます(うどん キツネつきの)

    さらには、古びたおんぼろアパートの奇妙な住人の日常が淡々と描かれる「シキ零レイ零 ミドリ荘」、ある女性の風変わりながら凄まじいとある計画に焦点を当てた「母のいる島」、子どもが書いていると思われる謎のブログに引き込まれていく一人の女性がたどり着くのは…「おやすみラジオ」、ねぶたと東北大震災とを絡めた幻想的な「巨きなものの還る場所」の5編が収められたシュールな味わい深い短編集です。

    どれも、読み終わると胸の奥の方がキュッとなる感覚が味わえます。

  • え?なに?え??みたいな
    SFかどうかは置いておいて、
    SFとか何とか規定するのはわたしたちの脳なんだなー、と、まぁありだよなー、と。

  • さっぱりおもしろくなかったが、「これはおもしろく感じなきゃ」と気負うこともなく、さくさく読めたので逆に良かった(?)

  • 傑作が、みしっと5篇詰まった濃い過ぎる本でした。私はミームについては本当に疎いので勉強してからまた読み返したい。人類の情報の遺伝子。
    ミームについてはドーキンス読まなくては駄目だが思わず笑い転げてしまう描写もいっぱいあって、お気に入りの1冊になってしまった。
    「シキ零レイ零ミドリ荘」と「おやすみラジオ」が特に良かった。

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著者プロフィール

高山羽根子(たかやま はねこ)
1975年、富山県生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科卒。2010年、「うどん キツネつきの」が第1回創元SF短編賞の佳作に選出され、同作収録したアンソロジー『原色の想像力』(創元SF文庫)でデビュー。2015年、「おやすみラジオ」が第46回星雲賞(日本短編部門)参考候補作に。同年、短編集『うどん キツネつきの』が第36回日本SF大賞最終候補。2016年、「太陽の側の島」で第2回林芙美子文学賞受賞。2018年、短編集『オブジェクタム』が第39回日本SF大賞最終候補作に。「居た場所」(『文藝』冬号掲載)で第160回芥川賞初ノミネート。

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