スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) (創元SF文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 153
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488772017

作品紹介・あらすじ

『紙の動物園』のケン・リュウ、『火星の人』のアンディ・ウィアー、『All You Need Is Kill』の桜坂洋ら、現代SFを牽引する豪華執筆陣が集結。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・星雲賞受賞作家たちが、急激な進化を続けるメディアの可能性に挑む、傑作オリジナルSFアンソロジー! 全作が書籍初収録。序文=アーネスト・クライン(『ゲームウォーズ』) 解説=米光一成

感想・レビュー・書評

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  •  ゲームネタSF短編集。

     短編集なので一つ一つさくっと読める感じ。
     面白かったのをいくつか。
    「救助よろ」
     タイトルが好き。原題を知りたい。いい訳だなぁ。内容も面白かったよ。絶妙に救いがあるようでない感じ。
    「1アップ」
     めっちゃ好き。いい友達だなぁ。
    「キャラクター選択」
     いろんなことができるゲームだからこそ、楽しみ方もいろいろっていう。いい終わり方。
    「ツウォリア」
     ツウォリアの会話部分の訳文が半端ない。ひと昔前の2チャン語。漏れとか久しぶりに見たわい。創造主に尽くそうとしてる健気っこ。
    「時計仕掛けの兵隊」
     話の筋自体は読めてたんだけど、ラストの文章がそうくるかっていう。このセンス好き。
     微妙だったのは「サバイバルホラー」これだけ意味がよく分からなかった。シリーズもののスピンオフ短編らしいです。
     全体的に面白いのが多かった。
     抜粋は「1アップ」より。


    「きみたちはとんでもないやつらだな」


     とんでもないやつらだからこそできたことだよ。

  • ケン・リュウ他『スタートボタンを押してください』読了。デジタルゲームを題材としたSFアンソロジー。ケン・リュウ「時計仕掛けの兵隊」をはじめ、奇抜なSF的アイデアで度肝を抜くというよりはゲームを組み込んだ物語の中から「ゲーム的感覚」がもたらす機微の味わい深い作品が並んだ。

  • 海外の方はテキストゲームとかアナログゲームを大事にしてるんだなというのを感じる。日本よりもゲーム文化は幅があって豊かだよな。

  • 自分、ゲーム小説好きだなと気づいた一冊。ゲーム的小説ではなく(ビデオ)ゲームそのものを題材にした短編集。ケン・リュウ、アンディ・ウィアー、桜坂洋と豪華ラインアップだが、それ以外の作品も刺さる。テキストアドベンチャーを題材にした剛の者も。現実と異なりゲームの中には必ず解があり、でもやはりある意味現実で。

  • 「スタートボタンを押してください(ゲームSF傑作選)」
    全作が書籍初収録。


    「紙の動物園」のケン・リュウ、「All You Need Is Kill」の桜坂洋、「火星の人」のアンディ・ウィアーら、現代SFを牽引する豪華執筆陣が集結。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞受賞作家たちが、ビデオゲームと小説の新たな可能性に挑む。本邦初訳10編を含む全12編を厳選した、傑作オリジナルSFアンソロジー。


    という触れ込み。桜坂洋しか知らなかったのですが、どれも面白い。ゲームSFと言うジャンルすら初耳なんですが、こんな小説の世界観があったとは知らなんだ、、、


    まず1発目の「リスボーン」が強烈なインパクトを放つ。未知なジャンルの場合、しかも傑作編、短編集等の纏め版だと、一番最初に読むモノの力が弱いと読者は離れる可能性大かと思いますが、それをさせないパワーがある。ゲーム(RPG等)の“何度でも生き返るという特性”を活かすだけでなく、こんな形で適応させるとは。All You Need Is Youに通ずるものがありますね。とりあえず、読み出して途中でGIVE UPすることは無いと思います。


    続いて「救助よろ。」。ゲームばかりして遂には大学を退学してしまう彼氏に愛想をつかしたガールフレンドの下に、彼氏からSOSが届き、毛嫌いしていたゲームにログインする話。現実と仮想世界の違いに触れるワードが頻繁に出てくるが、ポイントなのが「何が現実世界なのか」ということ。読んだらすぐ違和感が出ると思いますが、その時点で既に創造者(彼氏)の企みは成功していたということ。ゲームらしい世界観が良く出ている作品でした。


    翻って「1アップ」は、ミステリーに近い。ネットゲーム仲間が死に、彼の葬式で初めて出会う友人達の物語であり、彼は誰かに殺されたのではないか?という疑惑が、彼が残したゲームにより確信に近づいていく。思春期らしい描写が多く、青春モノのような雰囲気を漂わせます。ゲームといえば、シューティングや格闘技といったイメージを思い浮かべる人が多いと思いますが、この短編で使われるのは古くから愛されるロジックのRPG。このゲームをフックに、真相に迫ります。


    どれもお勧めで、外れはない印象でした。其々の著者による作品も手に取って見たいものです。

  • 12人の作家が書いた、ゲームがテーマの短編のアンソロジー。
    ゲームは好きだし、昔ゲームブックにすごくハマったし、ゲームっぽい小説(「クリムゾンの迷宮」とか「ソードアート・オンライン」とか)大好きだし、ピッタリだとおもって購入。
    唯一知っていた著者桜坂洋の「リスポーン」は設定が面白かった。「ツウォリア」は設定自体はありきたりですごく短いんだけど、終わり方が好き。「アンダのゲーム」は結構考えさせられる内容で面白かった。
    ひさびさに海外小説を読んだけど、やっぱり翻訳物は頭に入ってきにくい気がする。そんなとき各短編の前に、導入と著者紹介を書いてくれていて結構良かった。アンソロジーだと普通なのかな?

  • 2015年のPress Start to Playのアンソロジー26編中の12編を2018年3月創元SF文庫から刊行。桜坂洋、ヒュウ・ハウイー、アンディ・ウィアー、コリイ・ドクトロウが、秀逸で、特に面白い。ケン・リュウは、アイデアを包む情念とでもいうものが際立っている。

  • 桜坂洋「リスポーン」★★★
    デヴィッド・バー・カートリー「救助よろ」★★★
    ホリー・ブラック「1アップ」★★★
    チャールズ・ユウ「NPC」★★
    チャーリー・ジェーン・アンダース「猫の王権」★★★
    ダニエル・H・ウィルソン「神モード」
    ミッキー・ニールソン「リコイル!」
    ショーナン・マグワイア「サバイバルホラー」
    ヒュー・ハウイー「キャラクター選択」
    アンディ・ウィアー「ツウォリア」
    コリイ・ドクトロウ「アンダのゲーム」
    ケン・リュウ「時計仕掛けの兵隊」

  • 以前紹介した「もののあはれ」の著者のケン・リュウの作品が含まれているということと、「ゲームをモチーフとしたSF作品集」とまさしくドンピシャのテーマ設定により迷わず購入したのが本書。二重にも三重にも好きな内容ということで、あっという間に読了してしまった。行間がやや狭い体裁のために一瞬ひるんでしまうが、一編が短いので、あまり重荷になることなく読了することが出来ると思う。

    個人的に面白かったのは「救助よろ」「キャラクター選択」、そしてもちろん「時計仕掛けの兵隊」の3本だ。
    「救助よろ」は物語自体はよくあるような謎解きものなのだが、ゲームにより一度も出会ったことがない友人が実際に出会い、旅をして、そして友情を育んでいくというのは極めて現代的なテーマで読んでいて心地が良い。デジタルはリアルと対峙するものではなく、リアルと重なりあうものなのだ。

    「キャラクター選択」はFPSで、あえて戦わないという選択をする「わたし」の行動の謎解きが物語を引っ張っていく。ゲーム好きであればあるほど、"ヒーローである主人公"の行動に惹かれるものだが、本作では戦わない選択肢の先にあるものが、本当にこの世界に求められているものであるという逆説的な結末が待っている。日系の作品ではまだまだ「王道の物語」というのが好まれるが、欧米発のFPSではあえて、脇役をプレイヤーとする作品もたくさん出ており、そういった視点の違いからこそ生まれる作品だと感じた。

    そして、最後はやはりケン・リュウの「時計仕掛けの兵隊」は、短い作品の中にも現実世界とゲーム世界をリンクさせる構成のうまさが光る。テーマや結末自体はよくあるものなのだが、この作者にかかると全てが淡い絵のように美しい世界へと変貌してしまうのはさすが。・・・というのは、ちょっとひいき目が入り過ぎかもしれない。ゲーム世界の描写は懐かしの名作「ICO」を思い出させる。


    海外ものらしく、 日本人には説明不足と感じるような作品も含まれているが、ゲーム好きであれば迷わず買いの短編集。

  • 面白い。一編一編が短いのが逆に良かった気がする。
    ありがちなオチだけど、”キャラクター選択”が好き。多分世界を救うのは、お金や暴力じゃなくて、愛とか思いやり。

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