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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488772017

作品紹介・あらすじ

『紙の動物園』のケン・リュウ、『火星の人』のアンディ・ウィアー、『All You Need Is Kill』の桜坂洋ら、現代SFを牽引する豪華執筆陣が集結。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・星雲賞受賞作家たちが、急激な進化を続けるメディアの可能性に挑む、傑作オリジナルSFアンソロジー! 全作が書籍初収録。序文=アーネスト・クライン(『ゲームウォーズ』) 解説=米光一成

感想・レビュー・書評

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  • ビデオゲームをテーマにした、現代SFを牽引する豪華執筆陣によるオリジナルSFアンソロジー。全12編を収録。

    「リスポーン」「救助よろ」「1アップ」「NPC」「猫の王権」「神モード」「リコイル!」「サバイバルホラー」「キャラクター選択」「ツウォリア」「アンダのゲーム」「時計仕掛けの兵隊」を収録。

    創元文庫がときどき出すSF系アンソロジー。本書は『スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) 』というタイトルである。これを見て手に取った人なら、間違いなく楽しめる傑作ぞろい。書いているのはもちろんSFで著名な作者ばかりだ(……といっても自分は3人くらいしか知らなかったのだが^^;)。

    「救助よろ」はMMOのあるあるを思わせる体験者ならニヤリとしてしまう面白さ。ネットスラングなどをうまく日本語に訳してくれた。
    「リコイル!」はそのまま映像化できそうな、スリル満点のアクション佳作。オチがゲーム小説らしくて良き。
    「ツウォリア」は「火星の人」のアンディ・ウィアーなので期待して読んだが、見事に期待にこたえてくれた。既視感のあるSF設定ながら、ユーモアと夢のあるこの作者らしい落とし方。
    「時計仕掛けの兵隊」はケン・リュウらしい作風が光る、さすがの安定感。
    個人的に一番のお気に入りの「1アップ」は往年のテキストアドベンチャーをリスペクトしまくった、好きな人にはたまらない快作。あの時代のアドベンチャーは懐かしいだけでなく今でも楽しめるんだよなぁ。

    全体を通してクオリティが高いのはもちろんそれを選んでいるからだが、ゲームとSFの親和性が高いことと、ゲームSFというジャンルがあるとすれば、人間の根源的な何かを探求していくのにこれほどふさわしい小説の分野はないと思わせてくれたことが大きな収穫。自分自身ファミコン世代で今もってゲーマー(ゲームファン)なので、最高に楽しめた一冊だった。第二弾、三弾と出してくれないかな~。

  • まずタイトルがすばらしい。スタートボタンってすぐに押すときと、前回のことを思い出したり今日やる予定を考えたりでしばらく手がとまるときがあるが、それがこのアンソロジーでも当てはまるのだ。そしてゲームをモチーフにしているが、本当に作者によっていろいろだった。1話1話が比較的短いので、「え、もう終わっちゃった」とすぐ現実に戻されてしまうのが何だか残念に思えたが、だらだらむだに長いとたぶん飽きるだろうし……難しいところだ。

    <収録>
    『リスポーン』桜坂洋、『救助よろ』デヴィッド・バー・カートリー、『1アップ』ホリー・ブラック、『NPC』チャールズ・ユウ、『猫の王権』チャーリー・ジェーン・アンダース、『神モード』ダニエル・H・ウィルソン、『リコイル!』ミッキー・ニールソン、『サバイバルホラー』ショーナン・マグワイア、『キャラクター選択』ヒュー・ハウイー、『ツウォリア』アンディ・ウィアー、『アンダのゲーム』コリイ・ドクトロウ、『時計仕掛けの兵隊』ケン・リュウ

  • >はじめに神は画面を創造された。
    >画面は混沌であって、闇がすべてを覆いつくし、なにもなかった。
    >神は言われた。「ドットあれ」こうして、ドットがあった。ドットは光であり、画面は闇であった。神は言われた。「パドルあれ」こうして、パドルが産まれた。

    ゲームをモチーフにしたSFのアンソロジー。
    桜坂洋・アンディウィアー・ケンリュウと顔ぶれが豪華で、テーマも斬新、タイトルで面白そう!と思って手に取ったけど面白かった。原書は26篇500ページ超だということで、未訳になったのも読みたい!なんで減らしたのさ!500ページじゃ売れそうにないからか!?・・・売れなさそう・・・。


    特に面白かったのは、桜坂洋「リスポーン」
    カートリー「救助よろ」ブラック「1アップ」マグワイア「サバイバルホラー」ハウイー「キャラクター選択」ウィアー「ツウォリア」・・・挙げてくと全部挙げる羽目になりそう。

    「1アップ」が一番良かったかな。
    ネットゲーム友達が死んだというので家を訪ねると、故人の遺作自作ゲームが残されていて、そのゲーム内指令を現実でクリアしていく。最後に辿り着いた結論が・・・!というお話。緊迫感があって良かった。

    「サバイバルホラー」とか「救助よろ」のゲームが現実に侵食してくる感じもすごい好き。

    たった8ページの「ツウォリア」も好きだなー。『ふわふわの泉』『不全世界の創造手』とかみたいな、世界を良くしてくれるわくわくが素敵。いやさすがウィアー、この人は外れないわ。

    ケンリュウは、なんかSFとしてすげーって感じあるんだけど、今んところあんま好きになる短編に出会わないなー。なんか読みづらい。売れてる作家が自分に合わないのだとすると惜しいというか悔しいというか残念。

    ちょいちょいネットスラングが使われてて、原文のイメージを生かそうとしているんだろうけど、こういうスラングってすぐに風化するから今読むとちょっと恥ずかしいのが難点。と言ってもきっと原文のスラングも同じ恥ずかしさを抱えていそう。

  • 珠玉短編集。

  • ゲームがしたくなる!
    ゲーム好きには人間ドラマがドラマチックに目の前に映し出され、ゲーム未経験にはゲームの妄想が膨らむ傑作短編!

  • ゲーム小説だけどSF集じゃないかも。
    最後の短編のケン・リュウは読んだことがなかったけど、ありきたりなテーマなのに見せ方が良くて、単純に小説が上手いなぁと思う。
    一番面白かったのはお葬式にいくゲームキッズの話で、プロットの秀逸さを土台に、勧善懲悪と友情要素のバランスがいい小説だった。
    「アンダのゲーム」も、有名小説のパロディに収まらない、やや苦い後味と女の子の可愛さがいいコントラスト。

    テレビゲームで何かを表現する、またはゲームを表現する短編集だけど、小説の多くがテレビゲームを世界と結びつけているのが興味深い。私はあまりテレビゲームをしたことがないけど、一方的に鑑賞する小説や映画とは違い、コントローラーによってアバターを操作てきるゲームはより空間的に感じられるのかな。そこから発展して、立体感のある人工的な箱庭としてのゲーム空間の魅力、また現実との差や侵食をテーマとしたゲーム小説があったら読んでみたいと思った。この短編集では、女の子がエルフの王妃になっちゃう短編が一番近い?

  • 久しぶりに「SFを読んだぞ!」と本を持ったまま小躍りしたくなった。

    「これからのSFは中国かしら。そうなのかしら」とワクワクもしてしまって、そのままアマゾンで探して、即『おりたたみ北京』も購入した(中国作家さんのSFアンソロつながり。こちらもおもしろかった!)

     ショート集だからいいのか。いや、それだけじゃきっとない。日本のSFでは最近お逢いしないようなジャンルとしてのSFを満喫させてくれる感覚が嬉しかった。

     久しぶりにSF熱が再燃して、「光の王」とかそのた海外系重鎮のSFも再び開いてみたのだけれど、また違うと再度思う。肌に合った合わないというところなのかしらん。

     そう思って、あぁ、違うと気がついた。短い中でも、ちゃんとSFの仕掛けが物語の軸になってるんだ。単に時をかけるんじゃない、ロボットが出て来るんじゃない、人間がそこにいるんだ……これは「ブレードランナー」を見た時のドキドキに近かったかも。

     別の本も、絶対読んでみたいと思う。

  • ゲームSF短編アンソロジー。

    英語版の翻訳、映画化されたりした人も多い。
    ネットネイティブの前のゲームネイティブ世代が多分一番ヒットする。
    というか、特に疑問を持たないでサクサク受け入れてしまう気がする。
    と言うか割合新しい人たちの発掘先として良かった。

  • 近年の海外SF短編(主にゲーム寄り)を邦訳してくれた。VRなどの最新ゲームまで取り扱っている。日本だとこういうジャンルはラノベになりそうだがこちらは硬派。

  • あらゆるゲームのプレイ中の感覚を活かしている、そんな短編がたくさん。粒よりでどれもおもしろかった。読後感はそれぞれにさまざま。明るい話よりは、救いがないというか暗い雰囲気の話のほうが多いかな。しかしひとつ選べと言われても選べないというくらいに楽しめた。

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