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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784488797027
作品紹介・あらすじ
「彼は、キングや村上春樹に感染して
産まれた小説界のデル・トロだ。」――小島秀夫(ゲームクリエイター)
「ヒデミス!2023 小島秀夫が選んだミステリー・ゴールデン・ダズン+1」より
第55回星雲賞日本短編部門受賞作収録
『このホラーがすごい!2024年版』ランクイン
運転免許証を取得したつかさが家に帰ると、妹が父を殺していた。テレビからは東京湾に怪獣が出現したという前代未聞のニュースが流れている。つかさは妹を守るため、東京へ父の死体を棄てに行くことを思いつく。短編として史上初めて日本SF大賞の候補作となり、第55回星雲賞を受賞した表題作など全四編。日常のなかに立ちあらわれる非日常の世界の恐怖と希望を描く傑作短編集。著者あとがき=久永実木彦
■収録作品
「わたしたちの怪獣」
妹が父を殺した。姉は怪獣が出現し壊滅状態となった東京に、父の死体を棄てに行く。第55回星雲賞日本短編部門受賞作
「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」
時を遡って犯罪や災害を防ぐことができるようになった未来。動画投稿サイトにアップされた、起きるはずのない事件の映像の正体とは
「夜の安らぎ」
家にも学校にも居場所を見つけられない孤独な少女と、ある日街に現れた美貌の吸血鬼の邂逅
「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」
伝説的な〝Z級〟映画の上映会中、街にゾンビが出現。映画館に籠城した観客たちの運命は
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
非日常の世界に潜む恐怖と希望を描いた短編集は、怪獣、タイムマシン、吸血鬼、ゾンビといった多彩なテーマを通じて、読者を魅了します。特に、妹が父を殺した後に東京へ死体を棄てに行くという衝撃的な設定や、時を...
感想・レビュー・書評
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今年初めに東京創元社からのメルマガに新刊として紹介されていて「読みたい」に入れていた。4つのお話からなる本。
・怪獣が出現し壊滅状態となった東京に、妹が殺した父の死体を棄てに行く。(わたしたちの怪獣)
・時を遡って犯罪や災害を防ぐことができるようになった未来の〈時間局の職員〉が過去に戻ってやったこと。(ぴぴぴ・ぴっぴぴ)
・家にも学校にも居場所を見つけられない孤独な少女と美貌の吸血鬼の出会い。(夜の安らぎ)
・突如ゾンビが出現した街で映画館に籠城した観客たちの運命は?(『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら)
どれもが惹かれる設定の面白そうな話なのだが、まったりしていてテンポが合わず読んでいてイマイチ乗り切れず。
好みの問題で自分には合わなかったという感じなのだが、作者さんのあとがきを読んで、この世界観の中で書かれているのなら、と改めて納得したのでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書店であらすじを読んだ時点からワクワクが止まらなかった本。4話からなる短編集で、それぞれ怪獣、タイムマシン、吸血鬼、ゾンビ(キラートマト?)を描いています。どこかコミカルでシリアスで、かつユーモアに富んだお話になっています。あとがきも面白い。
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星雲賞の表題作を含めクオリティーの高いSF幻想ホラー短編集。怪獣、歴史改変、吸血鬼、ゾンビ…ゾクゾクするテーマ、魅力的な登場人物、シュールな展開、どれも好み。非現実的世界に救いを求める主人公たちの行動は胸を打ち、ラストが印象的な4編。中でもゾンビ映画へのオマージュ「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」はツボだった。
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久永実木彦『わたしたちの怪獣』読了。
表題作の怪獣を筆頭に、時間移動(改変)、吸血鬼、ゾンビとエンタメの賑やかし要素がそれぞれ盛りだくさんの短編集。創作において使い古されたモチーフでありながらもそれぞれに新たな味付けで読者を楽しませてくれる。表題作もよかったけれど、盲信的に破滅へ突き進む主人公だけれどもなぜかそのプロセスに説得力を感じてしまう「夜の安らぎ」がこの短編集の中では唯一穏やかなラストであり癒された。あとがきでは続編出ると宣言してるが、大いに期待してしまう。 -
『わたしたちの怪獣』『ぴぴぴ・ぴっぴぴ』『夜の安らぎ』『アタック・オブ・ザ・キラートマトを観ながら』の4本の短編が収録されたSF短編集。
この作者には初めて触れたが、どの作品も読み心地が良くて他の作品も読んでみたくなった。
良い意味で既視感があるというか、具体的にこの作品とは言えないんだけど、昔観たような読んだようなそういう既視感を感じた。勿論、読んでいて「ああ、このシーンはあの映画っぽいな」って要素も多いのだが、それに合わせて記憶の中のノスタルジーというか、ありそうでない、なさそうであるみたいな作品を作るのが上手いのかもしれない。
他の人のレビューにはSFじゃなくてファンタジーなんて意見も多いが、確かにこの作者は幻想小説とか書いたら面白いかもしれない。
文章の美しさからも親和性高そうな気が。そういった作品が出てくるのを期待したくなった。
あと最後のあとがきがとても良い。 -
噂に違わぬ傑作短編集でした。いやー面白かった!
特に良かったのは表題作「わたしたちの怪獣」とラスト「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」。前者はおそらくシン・ゴジラにインスピレーションを得た作品だと思いますが、元の作品より破滅的な現実と向き合う市井の人に焦点を当てた構成が実に見事。救いのありそうなラストに思わせてからの現実は甘くないというオチも非常に良かったですね。そして後者は映画のオマージュを散りばめた作品となっており、映画好きならニヤリとするシーンばかり。と言っても表題作の元ネタを見たことがなかったので全力で楽しめたかというと怪しんですが、それでも虚構と現実を対比しながら、荒廃に向かう世界と人々を襲う絶望を、短編という構成の中でしっかり描ききったのが素晴らしいです。
上記2作品が特に素晴らしいんですが、個人的に好きなのは3作目の「夜の安らぎ」だったり。SFではなく、ライトなファンタジーという感じなんですが、オチも含めてかなり綺麗なお話だったので、作者の後書きに期待して次作を楽しみに待ちたいと思います。 -
可もなく不可もなし
読んだ人達の評判も上々のようなので、こんな物だろう。
古本で買って、丁度良いかな。 -
お名前は存じ上げていた初読みの作家さんですが、きっと面白いのだろうと読み初めて、その期待をばっちり裏切らない、軽やかな短編集でした
表題作にもなっている『わたしたちの怪獣』は、首都圏に怪獣が出現したことと、妹が父を殺してしまった出来事が同時に起こったために、混乱の最中にある怪獣被災地に父親の遺体を遺棄して事件の隠蔽を謀ろうとするお姉ちゃんの話
怪獣と殺人、ふたつの非日常が交差する中での、お姉ちゃんの葛藤や後悔、罪悪感、無力感がこれでもかと悲しく描写される一方、国家規模の災害に対応する自衛隊や投入される核兵器、政府の対応などの人によっては”遠い“話が交互に語られることで、どんな非日常でもいつ自分の身近にそうしたことが現れるかは分からない、その時に誰かを助ける、大切な誰を守る、それに立ち向かえるのか? と悩む気持ちがわく
その一方で、怪獣も殺人もどちらも等しく非日常であり、だからこそ思考実験感覚で楽しめて読めるんだよな、という罪悪感も共にわいてきたのだった
また、少し前に読んだ『ここはすべての夜明け前』のことも(まったく違うテーマだけど)思い出した
あちらは父親からの虐待を受けていた当事者の娘の話だけど、こちらは妹が虐待を受けていることに対処の出来ない姉、の話だった
でも、直接の虐待の行為を受けていなくても、その行為から受ける心的外傷ははっきり存在するし、『ここはすべての夜明け前』の語り手の姉や兄たちの読解ももっと掘り下げたいね、と思った
『ぴぴひ・ぴっぴぴ』は、過去への時間遡行が実用化された世界で、藤子・F・不二雄短編集みがあって好きです
時間遡行によ災害や事故を防ぐスタッフさんらが、過酷なコールセンターのような仕事現場で、しんどそうに働いていて、誰も使命感や仕事への誇りのようなものはなく、すごくどんよりしていた それに納得した
どんな技術でも当たり前のように存在し普及してたらそんなもんですね
『夜の安らぎ』
恵まれない境遇にある女の子が、たまたま出会った吸血鬼と思われる男性に、同族にしてほしいと迫る話
吸血鬼に憧れるティーンエイジャーの女子、という設定はそれこそティーンズラブの小説とか漫画にもありそうだし、吸血鬼と恋愛するネタで有名な作品もあるしで、急にそんなあるあるネタを? と面食らったけど、収録作の前二篇と同じく、語り手がひどくしんどい境遇で、吸血鬼になれてもなれなくても、どうにか救いが訪れて欲しいと願わずにいられない話だった
でもそこかしこに、語り手の彼女のシニカルなユーモアある語り口や、吸血鬼とその狩人さんのややアホっぽいやり取りもあって、タイトルの通りの心地がもたらされる展開に、ほっとした
『『アタック・オブ・キラートマト』を観ながら』
座って休めるところがあればどこでも良かった青年がたまたま、Z級映画として名高い『アタック・オブ・ザ・キラートマト』上演会に立ち会ってしまい、しかもその日は、閉館するミニシアター最終日の記念公演でもあった
そこから様々なコアな映画好きの集いにも参加し、和やかな会話劇の雰囲気になるかと思いきや、人間が異形の姿に変異し、それが感染する災害が発生しミニシアター内に立て籠るか、外の生存者を救出するかの話し合いが行われる
ゾンビもののパニックホラーでの定番が、映画に対する熱量やスタンスに違いのある面々で展開されてゆく、こういう群像劇大好物です
映画の知識からしかものを考えられないし、喋れない、という尋常じゃない映画依存者が登場するのですが、映画は人間が作っているもので、その志や想いを受け取っているのだから、それだって人と関わっているひとつの形なんだから気にするなし、と思いました
結末も素敵です -
一話目が1番好きだ
どれもアイディアだけではなく、SF服の工夫があるように思う。
この著者の作品をまた読んでみよう -
怪獣、タイムリープ、吸血鬼、ゾンビというSF的にありふれたお題でありながら、しっかりした世界観と魅力的なキャラクターたちによってどの話も引き込まれた。次に作者は既存のテーマをどう料理するのか、また新しいテーマをどう提示してくるのかとても楽しみだ。
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キングも村上春樹も好きだったので読んでみたけど、まったくもって当たり前のようにキングとも村上春樹とも違う小説だということに気がつかずに読みはじめてしまい少し反省しました。映画とかドラマとかだったら面白かったかも。
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バリバリのSFだが、設定よりは人物が前に出て語られる。文章が凄く上手いと思う。
久永実木彦の作品
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