うつくしが丘の不幸の家 (創元文芸文庫 LA-ま 1-1)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 1721
感想 : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488803025

作品紹介・あらすじ

築21年の三階建て一軒家を購入し、一階部分を店舗用に改築。美容師の美保理にとって、これから夫の譲と暮らすこの家は、夢としあわせの象徴だった。朝、店先を通りかかった女性に「ここが『不幸の家』だって呼ばれているのを知っていて買われたの?」と言われるまでは――。わたしが不幸かどうかを決めるのは、他人ではない。『不幸の家』で自らのしあわせについて考えることになった五つの家族をふっくらと描く、傑作連作小説。

感想・レビュー・書評

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  •   未来から過去を辿る物語。
     
     幸も不幸も自分次第。けれども、それを自分で気が付くことは難しい。

     あー、本当に好きな作品です。

  • 幸せかそうじゃないかは自分で決める。
    当たり前のことだけど難しい。やっぱり他人の評価が気になってしまう。
    でも自分にない考え方を他人から言われて視点が変わると楽になったりするのも事実。
    この本に出逢えて良かった❗️

  • 各章に出てくる隣人がとても素敵だった。

    不幸の中にいると思っていてもちょっと考え方を変えたり、ちゃんと言葉にして相手に伝えたりすることで全く違うように見えてくる。まさにしあわせは自分でつくりあげるものだった。生かすも殺すも自分次第。

  •  その人にとっての理想の家族像は様々だと思いますが、そもそも理想の家族なんてあるのでしょうか? 多かれ少なかれ問題を抱えながら、何とか乗り越えようとあくせく生活しているのが大半ではないかと思います。

     本書を読みながら、なぜか相田みつをさんの詩を思い浮かべました。
    「しあわせは いつも じぶんの こころが きめる」
    「セトモノとセトモノとぶつかりっこすると すぐこわれちゃう どっちかがやわらかければだいじょうぶ やわらかいこころを持ちましょう」
     「他人のものさし 自分のものさし それぞれ寸法がちがうんだな」

     一軒の家を舞台に、入居者が遡って変わっていく構成が面白かったです。事情はそれぞれあれど、「不幸の家」なんてないんですね。町田そのこさんのメッセージが沁みる物語で、共感する面が多く読み進められました。

  • 「うつくしが丘」に建つ1軒の家に住む住人たちの連作短編集。
    未来から過去に遡っていき、最後には枇杷の木の謎も解けて、とても心温まる物語でした❁⃘*.゚
    隣人の信子さんの言葉は、心に響くものばかりで、メモ欄にたくさん書き留めました!
    それにしても出てくる男性陣が最悪な奴ばかりで…「地獄におちろ!」と思いながら読み進めました。

  • 町田作品は2作目ですが、この作品もDVやモラハラの表現力がボディーブローのように効いてきます。それみ含めて構成や魅せ方が気に入ってて他の作品も読んでみたくなりました。

  • 焼きそばみたいな髪型をした近所の女性が、引っ越してきたばかりの主人公に恐らく悪意を持って言った「不幸の家」
    それに重なる様にリフォーム業者が庭の琵琶の木を見て言った「縁起が悪い」
    この二つの強い言葉とタイミングによって、主人公はしあわせにミソをつけられたと思ってしまう。
    この家は本当に不幸の家なのか、琵琶の木は縁起が悪いのか、、、
    歴代の住人を遡る型で、不幸になって家を手放したのか、手放した理由は何なのかが語られてゆく。
    ところどころにちょっと不気味な仕掛けもあり、その謎も解けてゆく。
    そして、お隣の信子さんがずっとお隣さんとして時に寄り添ってくれる。
    そんな信子さんにも過去は在るわけで。

    まず、焼きそばみたいな髪型をした近所の女性。私はこの人がいちばんイヤ。
    自分の娯楽もしくは暇つぶし、または自分のプライドの為に他人を傷つけて楽しむ人。本当にやっかい。まぁ、いいや。

    いろんな家族がいて、いろんな形があって、何を幸せに思うかも人それぞれ。
    幸せになる途中。ってステキだなと思った。
    今私しんどいツラいと思ったら、幸せになる途中なんだ。って思う事にしよう。

    最後、エピローグで繋がった時には思わず立ち上がりうろうろした後号泣でした。
    後、タイミング的に子離れのとこも号泣。
    ページを行ったり来たりしながらの読了。
    ここが自分の居場所だと思えるところが在るってとても幸せな事だと思う。

  • 期待していたほどではなかったかなあ。
    最後まで読み終えて最終的に元気を貰えたとしても、
    ひとつひとつの話の設定は暗いから、「元気が貰える一冊!」ではないかも。
    落ち込んでいる時に、元気が欲しいからといって読むのは避けた方がいいかもしれない。

  • 居住者が何度も変わる1つの家を舞台に、その時々の住人がなぜその家に住み、出て行くことになったかを、現在から過去へと遡っていく話。

    各章とも読み終わるときには温かい気持ちで涙が溢れた一冊。

  • 幸せかどうかは心持ち次第。
    わかってはいてもつい悲観的になってしまったり不安に支配されてしまいがちな心配症な私には、ほんの少し見方を変えるだけでこんなに温かな気持ちになれるんだってホッとする話ばかりでした。
    短篇だけどどの話もつながっている。そのつながりが幸せの連鎖みたいで気持ちいい。自分の心持ちがもたらす小さな幸せが次の幸せにつながるかもしれないと思ったら、心の持ちようって大事だなぁってちょっと前向きになれた。
    この本からもらった小さな温かな気持ちが他の人にも伝わりますように。

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著者プロフィール

町田そのこ

1980年生まれ。福岡県在住。「カメルーンの青い魚」で、第十五回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。2017年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に『ぎょらん』『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)がある。

「2021年 『星を掬う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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