不思議の国のアリス: 新注

  • 東京図書
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784489004469

感想・レビュー・書評

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  • アリス翻訳読み比べその4。翻訳は高山宏、イラストはピーター・ニューエル、そして序文・脚注は米国論理パズルの大家、マーティン・ガードナー。本作は膨大な脚注の内容がとにかく魅力的。言葉遊びに留まらず時代背景も網羅され、アリス好きの機関紙「ジャバウォッキー」に投書された数々の説はこの作品がいかに大量のフリークスを生み出してきたかがよく分かる。また、イラストもモノクロなのが勿体ないほどの美麗さがあり、訳文は「言葉遊びはひとつ残らず」日本語に置き換えたぶっ壊れ具合が大変なことになっている。個人的にはこれが1番。

  • アリス研究は果てしないな…

  • 不思議の国のアリス 作者であるルイス・キャロルの新注作品です。

  • 『不思議の国のアリス』に関する気の狂ったやうな研究と、他。
     マーチ・ヘイアやマッドハッターに関するものとか、アリスは何でネズミにああいったかのネタ元 とかけっこうおもしろい。
     翻訳不可能な英語の本を訳す翻訳家の人は偉大である。これ見ると、原典がa内輪ネタ b英語によるダジャレ をこれでもかっとやって、それによる「ここがどう面白いかというとー」といふ解説が来るといふすごいものなので、日本語訳はものすごく大変なんだなぁと言ふのがひしひしと伝はってくる。

  • 地元図書館933キ(二階)

  • ルイス・キャロルの「言葉遊び」とナンセンスが歪曲されることなく、高山宏氏のこだわりにこだわった翻訳によってそのままに伝わってくる。

    ディズニー味に加工されていない【純正】アリスの世界は、こんなに楽しく知的興奮を誘うものなのかと嬉しかった。

    「まるでスティームエンジンみたいに、荒い息を噴き、体を曲げたり、つっぱったり」する赤ん坊(132p)や、
    ”Mad Hatter”からhを取れば”Mad Atter”「気ちがい計算屋器]なので、イカレ帽子屋は計算機械の研究に熱中する余り少しおかしくなっていると広く噂されていたチャールズ・バベッジかもしれない(141p)となれば、つい、ウィリアム・ギブスン &ブルース・スターリングの『ディファレンス・エンジン』や、円城塔の『屍者の帝国』とつなげて考えてしまう。

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著者プロフィール

ルイス・キャロル (Lewis Carroll, 1832-98)
イギリスの作家。本名Charles Lutwidge Dodgson(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている。

「2021年 『鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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