吉宗と享保の改革 (教養の日本史)

著者 :
  • 東京堂出版
3.00
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 14
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784490204278

作品紹介・あらすじ

江戸中期、混迷する幕政の再建をめざした八代将軍徳川吉宗。その人となり、政治的手腕から市井巷間の出来事まで、多彩なエピソード一つ一つを懇篤に解説しながら、「享保の改革」の時代像を鮮明に描き出した、入門書のスタンダード。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  「幕末」と「明治維新」についての本は数多く、ドラマや小説を通して正確さはともかく結構その時代について知られているが、「江戸時代の政治」についての本はさほど多くはない。
     本書は、「吉宗と享保の改革」についての詳細な考察を行っているが、やはり時代的背景がよくわからないために今ひとつ時代の風景が見えてこない思いをもった。
     「戦国時代という高度成長の時代」から「低成長時代」への変転とそれに合わせた政治体制をつくるための変革が「享保の改革」だという。
     その改革の内容を幅広く考察しているが、この改革は「成功」したと言えるのだろうか。
     本書は「享保の改革の歴史的性格」の中で「国民生活の維持・安定へ向けて国家支配を強化した吉宗の改革は、庶民の不満や批判の中で、その幕を閉じたのである」と総括している。
     「赤字財政を大きく黒字に変え、国家支配を強化した吉宗の改革政治は、必ずしも庶民に歓迎されたわけではなかった」との結論をどう理解すればいいのだろうか。
     やはり政治が庶民のものではなかった時代は、今ひとつ理解しにくい。
     江戸時代のその後の改革である「寛政の改革」「天保の改革」は、この「享保の改革」を手本にしたというから、施政者は評価していたのだろうが、この時代をよく知るためにはもっと多く背景を知らなければならないとの感想を持った。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

大石 学 1965年生。東洋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。杏林大学ほか非常勤講師。哲学・倫理学。

「2023年 『日記・書簡集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大石学の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×