なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか 観客を魅了する「男役」はこうして創られる

著者 :
  • 東京堂出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784490207491

作品紹介・あらすじ

男役読本。タカラヅカ100年の「伝統」と「変化」をたどる1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 宝塚男役ならではのカッコよさ、魅力をジックリと文字で堪能できちゃう。ファン初心者にオススメ!

  • 5

  • 宝塚については全く詳しくないけども読んでみた。
    「男役」「トップスター制度」「娘役」の変遷なんてなかなか興味深かった。ゴールデンコンビっていいものですよね…。
    しかしいやあ、どこの業界も似ているんだなあ、と思ったり。(「タレント化」だの「二次元化」だのの辺りの状況やそれに関するファンの心境なんて特に)

  • 男役の歴史や魅力を書いています。
    宝塚歌劇団というものを知りたくて読みました。
    同じ関西に住んでいるのだけれど「ヅカ」と呼ばれるほど通いつめる理由ってなんだろう?って思ったんです。

    理由は何となくではありますが読んでわかりました。
    ヅカ本人なりの理想があって自分を投影することかできる白馬の王子様なのだな、って。

    それにこう言うとヅカ側は不本意でしょうがアニメや漫画の2次元が好きなヲタクと通じるな、つ って思いました。
    その世界に接しているだけで浸っているだけで幸せになれる、みたいな。

    見ただけでは誰だかわからない人名もあったけれど楽しめました。

  • 宝塚ファンの私も楽しめました(*^^*)現在進行中のスターさんたちの名前も出てきて、嬉しかったです。宝塚を知らない方にも読んでいただきたい一冊です。

  • 「ヅカファン」3年目、なんとなく宝塚ってものがわかってきたけれど、もっともっと詳しく知りたい!という私にとっては、まさにこれこそ読みたかった!な本でした。基本的なことから解説してくれているので、初心者の入門書にもいいと思います。

    女でありながら男を演じる「男役」ってどんな人たちか?
    もうすぐ100年という歴史を持つこの劇団において、男役・娘役というのはどんな変遷を経てきたのか?

    スターの人事に日々、一喜一憂する身としては、「こんな時代もあった」「昔はこうだった」と知ることは、今の変化だけにとらわれないための新しいものさしになりました。

    何よりいいのは、著者も、挿絵をされたイラストレーターの方も、宝塚が大好きで、ファンとしてずっと観続けてきた、その中からの研究成果だということ。
    愛があるからこそ時には厳しいことも言う。
    でも嫌な気持ちには全然ならない。

    いつも私の言葉不足・表現足らずで、むしろ宝塚への誤解を植えつけてる気がする友人達に読んでほしいかもしれません。

  • 中本さんは私より4歳上で、山口県は徳山高校の出身なので、 とても親しみが持てる方である。
    最初に好きになったスターは汀夏子というから、かなり小さい頃からタカラヅカを観ておられたのだろうが、山口県に住んでいる限り、そんなに舞台には行けないはずだし、私のように「テレビから」なのかしらん。

    さらに中本さん、東大→リクルートなので、世代的にもバブル世代の総合職ということになる。
    だからか、タカラジェンヌの「仕事」や「キャリア」というものに肯定的だし、以前、「瀬奈じゅん=総合職」だとmixi日記に書いて、何人かのマイミクさんにお褒めに預かったわたくしがタカラジェンヌに抱いている思いと共通することも多く、面白く読めた。

    榛名由梨や汀夏子が「今でも男役の方がやりやすい」と言っているのに対し、瀬奈じゅんは「もう男役はやらない」と言っていることから、中本さんが「瀬奈じゅんにとっては男役はキャリアの一つなんだろう」と指摘しているところなど…私は瀬奈じゅんのその発言は知らなかったが、だったらアサコ、「三銃士」のミレディはもうちょっと女っぽくても良かったんじゃ(笑)。

    私のヅカミク(ヅカファンのマイミクの勝手な略w)さんたちはキャリアウーマンが圧倒的に多いが、これも時代の流れなのかも。
    ベルばら時代には若いファンが多く、「お嫁に行ったらヅカファンを辞める」という人が主流だったらしい。
    そしてジェンヌの方も「結婚するときは辞める」という考えだった。

    だがしかし。
    今は30代から50代のファンが75%を占めているというし、「結婚するので辞めます」と言ったトップスターも、私は麻路さきと稔幸しか知らない。
    ただし、マリコさんは退団直前に新聞にすっぱ抜かれ(私は『噂の真相』の一行情報で知っていたがw)、ノルさんは退団直後に発表があったので、記者会見では何も言っていないのだが。

    さて。

    ほかに興味深かったのは第3章の「トップスター制度」の確立である。
    今、当たり前のように存在している制度であるが、これが今のような形での確立が行われたのは1990年代からにすぎないらしい。
    中本さんはこれを『宝塚おとめ』など豊富な資料で検証している。

    以前は「配役ありき」の自由な序列があったそうだ。
    そして、トップを極めた人が専科に異動し、若いトップを支える公演を行い、しばらくして退団というケースも多かったという。
    鳳蘭のサヨナラ公演が「白夜わが愛」だったというのは私も知っているが、そのときの鳳蘭の所属は専科だったんだって。
    しかし、「所属していた組でサヨナラ公演をしたい」と望むスターが増えたことから、トップの専科異動はなくなっていったようだ。

    鳳蘭自身も若いトップの頃、専科スターの共演をあおいでいたが、中本さんが当時のツレちゃんファンに「嫌じゃなかったの?」と質問したら、「そんなものかと思っていたし、当時は文句を言える場もなかった」という答えが返ってきたという。

    これもなかなか興味をそそられる。
    ネット社会の発達はヅカファンのあり方を変えたと思うのだ。

    轟悠も専科異動直後は色んな組の公演に出ていた。
    当時、すみれ様ファンだった私は「野風の笛」に轟さんが出て、すみれ様やアサコと絡んだ芝居を面白く観たが、ネット上では「轟さん、来ないで(好きなスターの番手が下がるし、台詞が減る)」という意見を頻繁に見かけた。

    また、先日、大劇場でさんざん物議を醸した「仮面の男」の東京公演が幕を開けたが、初日の幕が降りた数時間後には多くの人が 「人間ボーリングのシーンがなくなっていた」などの変更点を共有していたと思われるし、キリヤン退団の知らせも私はmixiのつぶやきで知った。

    そしてスカステ。
    中本さんも「今のスターはテレビタレントの要素も求められる」と述べているが、同感である。
    「カフェブレイク」でも、中井美穂が冒頭に必ず「今日のファッションのポイントは?」と聞いているように、タカラジェンヌがおしゃれであること、キレイであることは以前より強く求められていると思う。

    ともかく。
    「トップスター制度」は役柄や配役に弊害も出るし、タカラヅカでは不向きな作品も出てくるので、問題は多いが、ビジネスという観点から捉えた場合には有効なんだろうと思う。

    中本さんも「ヅカファンはトップ人事の話が大好き」と書いていたが、私も大好き。

    昨日は家で晩御飯だったので、スカステ見つつ、『おとめ』をめくりつつ、キリヤン退団後の人事について、夫と語り合ったのであったw
    この人事については、またヅカミクの皆様と語りたいですね。

    何事も「今なぜ、こうなのか」と考えるにあたって、歴史に学ぶことは大事である。
    この本は豊富な資料でタカラヅカの歴史が学べる点でお勧めだ。
    ..

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著者プロフィール

1967年生まれ。山口県周南市に育つ。東京大学法学部卒業。「NPO法人企画のたまご屋さん」副理事長。株式会社リクルートに勤務ののち2000年に独立し、「働き方・学び方・遊び方」をテーマに執筆活動を展開。2004年より、本を書きたい人と出版社の出会いの場を演出する出版エージェント「NPO法人企画のたまご屋さん」の運営に携わる

「2009年 『著者の素』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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