明治維新と近代日本の新しい見方

  • 東京堂出版 (2019年6月10日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784490210125

作品紹介・あらすじ

ペリー来航を後押ししたのはサンフランシスコの商人たち? 1868年に江戸から30万人の庶民が脱走? 1905年の東北大飢饉では世界中から多額の義援金? など、幕末から戦前までの日本史の見方を変える論考9本を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 幕末維新の当時を生きた人々の関心事は、英雄や志士の活躍ではなく、経済動向(物価)や自然災害等々、生活にまつわる変化だった。開国の結果による物価高は、それを実施せざるを得なかった為政者への不信感の導線になったし、加えて安政の大地震が与えた絶望感や不安感は、後年のニ度の大震災時の時代認識の変化を想起すると、体制崩壊への影響度という点で大きな伏線だったかも知れない。「下から」の視点は歴史を捉える上で不可欠と改めて感じた。様々な風刺画を通して、江戸庶民の西軍への反発心を垣間見るあたりはリアルで面白く、陣頭で立ち向かって欲しいと期待された慶喜が、やがて傍観を決め込む姿に描写される点などは、実情が世間によく伝わっていたことの証左のよう。ちなみに本書の視座は基本的に江戸東京となっており、首都と比して地方はどうだったかが語られていない点は留意したい。

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