- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784491035840
作品紹介・あらすじ
本書は、MLS(アメリカプロサッカーリーグ)、FCバルセロナで数々の欧州ビッグクラブ、代表チームのUSツアーを手がけた著者が、MLS躍進の舞台裏、その背景にあるスポーツマネジメントを解説。「ベッカム移籍にはどのような駆け引きがあったのか?」「MLSとはどのようなリーグなのか」「アメリカサッカーとメキシコサッカーの関係性とは?」などを取り上げ、MLSの独特の組織構成、経営手法、マーケティングを徹底解説。アメリカサッカーを読み解く上での必読書!
感想・レビュー・書評
-
クラブと共に成長する仕組みを作るリーグであれ
著者が働いていたMLS発展のケースを基に、リーグはどうあるべきか、を学べる
概要
・MLSの思想
MLSはリーグもクラブも「コントロール」できるものにフォーカスする。それは勝利=オンザピッチではなくオフザピッチ、すなわちビジネスである。ビジネスも不確実性が高いが、勝ち負けよりは先が読めるから。
・特定クラブに依存しない、マネーゲームはしない
過去のリーグはそれで破綻した。戦力均衡と「適性な」選手年俸を実現して、選手と経営側が共に持続する仕組みがある
・だからこそ人材と設備=スタジアム投資ができる
スタッフの数は1チーム50名超?
スタジアムは自前で保有が必須
→そしてチームのためのスタジアムではなく、スタジアムのコンテンツの一つにスポーツを位置づけ
(感想)
日本でもハンドボールの新リーグ=JHLがシングルエンテティ構想を掲げたり、バスケのBリーグが競技成績による昇降格を廃止したり、それぞれ戦力均衡を図ることやオフザピッチの考え方はMLSに近いものを感じた。ただJHLのシングルエンテティは、リーグが事業に対する責任も持つのに対して、MLSはあくまで制度としてシングルエンテティとしている点が異なる。ファンを作るのはクラブ、チームの仕事で、リーグはクラブの成長が最大化する様に仕向けていくという考え方。よくできている、さすがアメリカのビジネスだなと思う。
これまでスポーツビジネスといえば、欧州の海外サッカーに着目してきたが、実はビジネスサイドはアメリカから学ぶべきなのではという考えにすら至った。むしろ欧州からは地域の総合スポーツクラブだったり、育成のシステムだったり、サッカーであれば最新鋭の戦術を吸収することが良いのではないか。
スポーツビジネスというと、ファンづくりとかスポンサー営業とか、どうしてもクラブチーム寄りのことを学びたくなるが、クラブチームで働く者にとっても本書は読んでおくべきだろう。自分達の属するリーグがどこに向かっているのか?そのためにどういう制度を作ろうとしているか、を常に把握し、チーム側→リーグに意見する際にMLSの事例を知っておくことは、武器になること間違いなし。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても面白かった。これからスポーツビジネスに携わるので、良い頭のトレーニングになった。
-
ものすごくよく書かれた本。
スポーツビジネスに興味のある人は必読の一冊