教師の勝算―勉強嫌いを好きにする9の法則

  • 東洋館出版社
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本棚登録 : 118
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784491036823

作品紹介・あらすじ

「脳は、勉強が得意ではない」───脳科学が導き出した衝撃の事実。


実は、人間の脳は難しい問題を解くことや、抽象的な概念を理解する

といった「考える」ことが大の苦手だったのです。


しかし、教師にはこの困難を乗り越える科学的な「勝算」があります───


ハーバード大学、ヴァージニア大学で認知心理学を研究した

ダニエル・T・ウィリンガム教授がおくる衝撃のベストセラー、ついに日本上陸!


教師なら誰もが感じたことがある疑問に、世界最高の認知科学者が答えます。

「子どもはなぜ学校が好きではないのか?」

「なぜ子どもはテレビで見たことは全部覚えているのに、私の言うことは全部忘れるのか?」

「なぜ抽象概念を理解するのは難しいのか?」

「知識を暗記することに意味はあるのか?」「ドリル演習には意味はあるのか?」


これらは全部、脳の仕組み(「ワーキングメモリ」「長期記憶」「ドーパミン」…)を

理解することで、解決できるのです! 脳科学に基づく「授業改善」法とは?


【世界中から称賛の声】

“ウィリンガム氏の教えは学校現場の外にも十分に応用できるものです。

「学び」に関わるすべての人に一読の価値があるでしょう。“

─ウォール・ストリート・ジャーナル誌


“教育関係者はこの素晴らしい本をきっと大好きになるはずです。

ウィリンガム氏は、認知科学の重大な研究成果を、明確で説得力のある言葉で解説します。

それがどのように「学び」を向上させ、子どもたちを奮起させられるのかを示すのです。“

─マサチューセッツ工科大学(MIT)教授、ジョン・ガブリエリ

感想・レビュー・書評

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  • 副題についている、「勉強嫌いを好きにする9つの法則」に囚われすぎずに読むと良書。個人的には、この副題はいらないと思う。この本の内容は、実に科学的かつ教育的であり、単に勉強が嫌いな子を好きにさせる法則についての内容を、遥かに超越しているからだ。子どもの思考、知識習得、学び、熟達のプロセスを事細かに分析し、教室での活用法にまで論を展開していく親切さが嬉しい。逆に、今目の前の子どもが本当に勉強が嫌いで、対処療法的に机に向かわせる方法をすぐに身につけたいのであれば、この本は役に立たないだろう。教師も時間をかけて、練習し、学び、熟達していくことを前提に書かれている本だからである。

  • 読みやすいけどすごく骨太な本。
    これから教師としての教科書にします。

    「知識を覚えさせるのに意味はあるのか?」
    「なぜ抽象的な概念は難しいのか」
    「生徒たちはなんであんなに覚えられないんだ」
    など、実際に授業をしていて感じる疑問や課題について、その原因を科学的な根拠とともに説明している。
    なるほどと思わされる。
    では実際にどうしたらよいか、というアクションプランがやや物足りなかったけど、ヒントは貰えたしあとは自分で考えていこう。

    生徒のワーキングメモリを圧迫しないようにというのは特に気をつける。

  • 先に短所。邦題が良くない。
    本書は教師のためのハウツー本ではなく、学校現場の課題解決に関わりのある認知科学の研究事例を紹介する内容。実践よりも理論を中心に記していて、自分の指導法の根拠を得たい教師に特に向いている本。
    かなり読み応えがあり、指導法の堅実なブラッシュアップのために大変参考になった。

  • 「なぜ、ゲームやアニメの内容は良く覚えている子供達は授業の内容を覚えられないの?」って悩んだことのある全ての先生へ。

    すごく面白かった。全ての小中学校の先生に読んでほしいと思うくらい。認知心理学を土台に教育についての課題を整理して説明してくれる本。

    そもそも、知能とは何か。知識や技能を身につけるためには何が必要か。教師はどんな手立てを持つべきか。教室でできることは。そのために知っておくべきことは。

    読む前と後でかなり考え方とか、授業への向き合い方を変えられる本だと思う。

  • <目次>
    第1章  なぜ子どもは学校が好きでないのか?
    第2章  テストでは事実だけを求められるのに、どうすれば子どもに技能を身につけさせられるのか?
    第3章  なぜ子どもはテレビで見たことは全部覚えているのに、私が言うことは全部忘れるのか?
    第4章  子どもが抽象概念を理解するのはなぜそれほど難しいのか?
    第5章  演習はそれだけの価値があるのか?
    第6章  本物の科学者や数学者、歴史学者と同じように子どもに考えさせることはできるのか?
    第7章  子どもの学習スタイルによって教え方をどう変えるか?
    第8章  スローラーナーを支援するにはどうすればよいか?
    第9章  教師の知能について考える

    <内容>
    タイトルに惹かれ購入。読後感想は今一つ…。訳が悪いのか、著者の文に問題があるのか、内容が頭に入ってこない。言いたいことはわかったし、その根拠もある程度見えたし、項目立てもけっこうちゃんとしてるのに…。また第9章のように、教師の力量を分析するのは斬新だった。それだけに、文章が惜しい…

  • かなりいい本。ものすごく真っ当な話。知識だいじ。具体例だいじ。練習だいじ。

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著者プロフィール

1983年にデューク大学で心理学の文学士号を取得、1990年にハーバード大学で認知心理学の博士号を取得する。1992年からはヴァージニア大学で教鞭を執り、現在は心理学の教授を務める。
2000年ごろまではもっぱら、学習と記憶の脳内基盤の研究に集中していた。現在の研究の関心は、K‐12(幼稚園から高校3年まで)の教育への認知心理学の応用に向いている。American Educator誌に「Ask the Cognitive Scientist」というコラムを書いている。本人のウェブサイトはhttp://www.danielwillingham.com。

「2019年 『教師の勝算』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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