「立体型板書」の国語授業 (国語授業イノベーションシリーズ)

著者 :
  • 東洋館出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784491039664

作品紹介・あらすじ

〝記録〟のための板書から
〝論理的思考ツール〟としての板書へ

学級全体で考えを共有することのできる、大切な場としての黒板。
授業を〝記録〟するだけではもったいない!!
黒板は、今も昔も変わらずに教室に設置されている重要な学習道具です。
国語授業では、子どもから出される様々な感想や考えを記録・整理し、学級全体で考えを共有するという大きな役目を担ってきました。
下記のように、子どもの意見を丁寧に整理して記録した板書は、そのまま子どもがノートに写し、学習の成果を目に見えるものにしてきました。

授業を整理し、記録するという行為は非常に重要で欠かせないものです。
しかし、
どの授業でも同じような板書をしていてもよいものなのでしょうか?
ねらいを達成するために、もっと有効な板書の形があるのはないでしょうか?
――このような国語授業の板書への問題意識をもとに、本書は編まれました。
本書では、授業のねらいに沿った授業づくりのためには、板書も見直すべきではないかと考え、子どもの「思考」や「気付き」を大切にした「立体型板書」を10のバリエーションに整理しました。


〝論理的思考ツール〟としての「立体型板書」

「立体型板書」は板書を通して子どもの思考を促し、新たな気付きを生み出すことを目的としています。
つまり、黒板に書かれた内容をもとに新たな考えを形成していくように仕向けています。
本書では、特に育てたい「論理的思考力」を「比較・分類」「関連付け」「類推」の三つに整理し、それぞれの思考を活性化するためのしかけが「立体型板書」には仕組まれています。
「立体型板書」の10のバリエーションは、常に三つの論理的思考力と結び付いています。

10のバリエーションを授業のねらいに合わせて組み合わせて使用していくことで、従来の〝記録〟のための板書のみの授業から脱却し、〝論理的思考ツール〟としての板書を獲得することができます。


誰でも明日からできるようになる! 「立体型板書」の全て

黒板を論理的思考ツールとして活用するという言葉に、「ぜひやってみたいけれど、なんだかハードルが高そう!」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、安心してください。「立体型板書」は、字や絵の上手い下手は一切関係なく、「授業のつくり方」をちょこっと変えてみませんか、という授業づくりの提案の一つです。
本書では、10のバリエーションをさらに抽象化し、基本的な枠組みをお示ししています。
その枠組みに当てはめるだけで、あなたの板書も「立体型板書」にぐっと近付きます。

また、実際の教材に即した27の板書の実例を掲載しています。
実例を参考にすることで「立体型板書」を具体的にイメージでき、そのしくみやポイントがより分かるようになっています。


本書を参考にして、ぜひ「立体型板書」の国語授業を始めてみませんか?

感想・レビュー・書評

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  •  学ぶ人に考えさせる。立体型板書についての本である。グラフィックレコーダーにおすすめである。
     立体型板書とは筆者が考案したもの。もとになった箇条書き型のものをより発展させたものだと言う。箇条書きのものは学習者の意見を黒板に吸い上げて書くというものだったのだ。
     これを発展させたのが立体型板書。学習者を授業無二巻き込む。そのための工夫である。扱っているテーマにのめり込む。自分なりに思考する。ノートに写し取りたい。そのような行動変容が見込める。
     板書はカーン・アカデミーのオンデマンド教材でもそうだがプロセスを示す。つまり時系列。本書では二次元の黒板という平面を活用する。三次元つまり立体ということなのだろう。
     グラフィックレコーディングは単に情報をまとめるもんではない。イベント中にかくプロセスを見ることにより本書のような関わりが生じるものである。そういう意味ではこの部分を切り取った本書は参考になる。

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著者プロフィール

東京都・八王子市立第三小学校教諭
1986 年生まれ。創価大学大学院教職研究科教職専攻修了。世田谷区立玉川小学校、八王子市立七国小学校勤務を経て現職。全国国語授業研究会理事。東京・国語教育探究の会事務局長。国語教育創の会事務局。
著書に『物語の「脇役」から迫る 全員が考えたくなる しかける発問36』(分担執筆)、『「めあて」と「まとめ」の授業が変わる「Which 型課題」の国語授業』(分担執筆)、『「立体型板書」の国語授業 10 のバリエーション』『「立体型板書」でつくる国語の授業 文学』『「立体型板書」でつくる国語の授業 説明文』(いずれも東洋館出版社)がある。
最新の研究・実践はTwitter アカウント(@numataku2525)にて発信中。
[2021年10月現在]

「2021年 『書かない板書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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