使える 弁証法

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  • 東洋経済新報社
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レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492042427

作品紹介・あらすじ

ただ一つの法則を知るだけでビジネスにおける「洞察力」「予見力」「対話力」が身につく。

感想・レビュー・書評

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  • ■書名

    書名:使える 弁証法
    著者:田坂 広志

    ■概要

    ヘーゲルとは、ドイツの観念論哲学者、ゲオルク・ヘーゲルのこと。
    その「ヘーゲルの弁証法」と聞くと、多くの方々は、「高尚で難解
    な哲学だ」との印象を持たれるでしょう。
    そして、「だから、日々の仕事の役には立たない」と思われるで
    しょう。
    しかし、そうではありません。
    「ヘーゲルの弁証法」は、日々の仕事の役に立つのです。
    現実の問題に使えるのです。
    それも、弁証法のただ一つの法則を知るだけで、
    物事の本質が分かる「洞察力」
    物事の未来が見える「予見力」
    自然に思考が深まる「対話力」
    そうした実践的な力が身につくのです。

    この本ではそのただ一つの法則について、
    そしてその法則の使い方について、
    IT社会の未来をテーマに分かりやすく語りました。 
    (From amazon)

    ■気になった点

    ・「進歩、発展」と「復活、復古」が同時に起こる事が、螺旋的発
     展の法則である。

    ・まず「何が消えて行ったのか」を見る。そして「なぜ、消えて
     いったのか」「どうすれば復活出来るのか」を考える必要がある。

    ・物事は否定の否定により発展する。

    ・世の中の物事の多くは、ある量が一定の水準を超えると急激に
     質が大きな変化を遂げるという性質を持っている。

    ・物事は矛盾を認め固定することにより発展する。

    ・企業が抱える矛盾を機械的な割り切りにより解消してしまうと、
     同時に生命力や原動力も消えて、発展が止まってしまう。

    ・矛盾する2つの物の間で、バランスを取る事が大事である。

  • 19世紀ドイツの哲学者・ヘーゲルが提唱した弁証法には、4つの法則があるという。
    ①螺旋的発展の法則・・・物事は螺旋的に発展するという法則
    ②否定の否定による発展の法則・・・物事は否定され、さらにその否定によって反転するという法則
    ③量質転化による発展の法則・・・物事は量的な臨界点を超えると質的な転換を起こすという法則
    ④相互浸透による発展の法則・・・対立する物事は互いの性質が浸透することで発展するという法則
    この4つの法則によって、「時代を読むことができる」というのが本書のテーマだが、そもそも時代を読み続けることが本当に必要なのだろうか。
    その意味で、具体的に使えるのかどうかは、検討の余地がある。
    時として、時代が間違った方向に進むときがある。このとき、正しい螺旋の先にいたとしても、時代とマッチしない。
    時代を読むことよりも、大事なことがあるような気がしてならない。

  • その名の通り使えます。流行・ブームを冷静に眺められるでしょう。ヘーゲルと易経をつなげる進化論。分かり易い。

    ●時代の変化が早くなったので、今まで直線に見えていた進化の過程が、螺旋的な進化である事が分かるようになっている。懐かしいものが進化して出てきている。一度消えたものが復活してきている。
    ●ひとたび消えていったものが復活してくるとき、革新的技術や社会基盤の整備を背景に、何かが便利になって戻ってくる。螺旋階段を一段登ってくるように新たな価値が加わるという進化がそこにある。
    ●物事の内部には矛盾が含まれている。それは両者を肯定し、抱合し、統合し、超越することによって高い次元へと止揚していく「発展の原動力・生命力」。
    ●矛盾を割り切ることは魂の弱さ。割り切ることなく格闘する人は、魂の強い人。これが「器の大きな人物」という言葉の意味。

  • ◎◎◎知りたかった「弁証法」について、とってもわかりやすく、シンプルに、実用的に学ぶことができた~~~◎◎◎感謝◎◎◎

    ・物事は螺旋形で進化する
    (たびたび「原点回帰」が起こる。失ったものも形を変えて復活する。)
    ・物事は否定の否定で進化する
    ・物事が進化すると量から質への転化が起こる
    ・対立するものは次第に似てくる。

    おまけ
    ・ドッグイヤー
    世界の7年の変化が1年で起こる
    ・マウスイヤー
    世界の18年の変化が1年で起こる
    といわれる世の中で、あらゆるところで原点回帰が起こっている

  • ヘーゲルの弁証法を、社会のトレンドをいち早くつかむためのツールとして捉えた本と言えるのではないかと思います。

    著者は、「物事は、螺旋的に発展する」と言い、インターネット革命によって、かつて非効率的とされたビジネス・モデルが、新たな装いをまとって復活している例を多くあげています。また、量質転化の法則を用いて、量的変化が十分なレヴェルに達すると、新たな社会のモデルへの発展が起こるという考え方が示されます。最後に、弁証法の考え方を学ぶことで対話力が身につくという主張も併せて述べられています。

    弁証法という哲学の考え方をビジネスに生かすというコンセプトの本なのですが、中心となる考え方は、「物事は、螺旋的に発展する」ということに尽きているように思います。200ページ近くの分量がありますが、空行が多いためか、あるいは具体例としてあげられているものの多くがあまりにも当たり前になってしまったためか、やや内容が薄いように感じてしまいました。

  • 2005年発行の著作なので、副題で「IT社会が見える」とした実例はやや古いけれど、その後の社会の変動を見れば、主張の本質的な部分は今なお正しく、普遍的なものだ。

    本書を読む前の僕の「弁証法」のざっくり理解は、

    「対話する二者がお互いの意見に影響されながら思想を高みに磨いてゆくこと、またその方法」

    といったところ。で、本書がその根本原則としてあげるのがこちら。

    「すべての物事には、その内部に「矛盾」が含まれているが、その「矛盾」こそが物事の発展の「原動力」になっていく。そしてこの「矛盾」を機械的に「解消」するのではなく、それを弁証法的に「止揚」したとき、物事は発展を遂げる」p.160

    まぁ、当たらずも遠からずということでホッと一息。

    そして、ちょうどタイムリーに世界がドナルド・トランプの当選に驚天動地しているところで、「物事は対立矛盾するものの間で止揚されることで進歩する」という思想にあらためて触れることは、ある種精神安定剤的に作用するだろう。

    曰く、長い目で見れば人間の歴史は「振り子」のように、あるいは「螺旋的な運動」の中で、揺れながら進むものだ。いつも理想主義的なリベラルの失敗の後には、過激な保守思想が。そして次いで暴力革命思想(かつての市民革命や共産主義、あるいは現在のイスラム原理主義が)が台頭する。

    下の記事で「マイケル・ムーアが、2016年7月時点でトランプ大統領誕生を予測していた」と話題になっているようだが、オバマ理想主義の敗退による揺り戻しを計算すれば、十分に想像し得た事態といえる。

    ドナルド・トランプが大統領になる5つの理由を教えよう
    http://www.huffingtonpost.jp/michael-moore/5-reasons-why-trump-will-win_b_11254142.html

    とはいえ新大統領が止揚を前提とした対話を試みるような人物かは大変怪しいところで(これは日本も同じで)、先行きは不透明。ただ確実なのは、米英を先頭に世界が自国最優先の保護主義に走る中で、狭域内でのエネルギー自給と貨幣経済圏外の互酬関係が重要になることだろう。

    ひとつ、農業も「螺旋的な進歩」の中で、「量から質」への転換が進んでいる。長期輸送に耐える規格化や、機械化による合理化はひとつ到達点を迎える一方で、ある種の懐古的なミクロな農業が日の目を見つつあり、両者の間で「便利で懐かしい何か」が生まれるのだろう。

    それでも「巨視的に見ること」が重要である一方、結局のところ僕たちは「70億分の1のプレイヤー」にすぎない。だから主体と客体の関係においてのみならず、一個人の中でも弁証法的に「哲学する自分」と「実践する自分」の間の葛藤の止揚するとき「自分探しの答え」が見つかるのだろう。

  • 行動哲学の基礎を頂けた一冊。

    ・量➡質的変化
    ・高尚なる止揚の概念

  • インターネット以前と、以降の違いについて比較しているのみで、螺旋とか言われても、全く説得力ないなあ。というのが最初の感想。
    洞察力、予見力、対話力が身につくのかはさておき、ヘーゲルを理解する一助にはなると思う。

  • 著者の言いたいことは「すべては螺旋的に発展する」!。

    そのほかにも陰極まれば陽に転ずるとか、否定には現状の否定を含むなどの法則も紹介しているが、螺旋に発展するに含まれていると思う。ヘーゲルの弁証法は通常は対立するものの止揚という意味で取られられているが、ここに螺旋という考え方を持ち込んだことが新しいと思った。

  • 弁証法の理論をかいつまんでIT業界で起きたことに照らし合わせるというスタイルであった。なんとなく弁証法が分かったつもりになれる本だろう。

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プロフィール

多摩大学大学院教授

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