二重洗脳―依存症の謎を解く

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492043479

感想・レビュー・書評

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  • 題名にそそられてつい買った。

    それが今まで読んだ中で1番の名著になるなんて思わなかった。

    薬物、タバコ、アルコール、ゲーム、セックス、
    と依存症には色々ある訳だけど、全てに当てはまる依存症の根本原理を解き明かしている。
    この、依存症と呼ばれる物には「ドーパミンとα波」と言うホルモンが関係していて、
    例えばアルコールは、飲むことによって、このドーパミンとα波と言うホルモンが強制的に出される。
    それによりアルコールを飲んでる時と言うのは気持ちが良くなってる状態なんだけど、強制的にこのホルモンが出されることによって、
    アルコールが切れた時にはこのホルモンに対しての感受性が弱まる。
    この感受性が弱まることによって普段の生活で得られる筈の「気持ちよさ」(音楽聞いて心地良いとか、運動した後の充足感とか、朝日を浴びて気持ち良いとか)と言うのが得づらくなる。
    そしてそんな時には「焦燥感」と言うのが押し寄せてくるなどすることがあり、楽しいことはないかと又お酒を飲んで、強制的に又ドーパミンとα波を出し高揚感を得る。
    そしてシラフに戻った時には又焦燥感に襲われる。
    そして飲む➡強制的な高揚感➡シラフになり焦燥感➡飲む
    と言う悪いスパイラルにどんどんハマって行く。
    そうするとアルコールが無かった時に得られるであろう高揚感を感じる感受性が欠如し、アルコール依存症になっていく。
    薬物やタバコやセックスもこの原理は同じ。

    で、この依存症になってしまった状態になるには「気づき」が必須になると著者の磯村先生は言う。
    この本はこの「気づき」をさせてくれる。
    読んでる途中から、依存症に対する心構えが変わっていってるのが手に取る様に分かった。

    評価が5までしかないから5にしかしてないけど、10あったら10だった。
    それだけ自分に取っては良い本でした。

    磯村先生に感謝します。

  • 依存症の仕組みを脳科学と心理学の観点から分かりやすく説明している。
    要するに、人間は刺激に慣れる生き物だから、より強い刺激を求めて依存を深めていく。脳科学的にはドーパミンとα派で説明できる。

    人間の脳はドーパミンを放出することで快感を感じるようにできている。最初は少量の刺激でもドーパミンが放出されるが、すぐに慣れてしまい、より多くのドーパミンを必要とするようになる。それが依存症であり中毒症状なのだ。
    洗脳も一種の依存症であり、罰と褒美を組み合わせることでドーパミンのコントロールが可能になるのだ。

    煙草のような物質的な依存もドーパミンで説明ができる。ニコチンはドーパミンを増やすのではない。ニコチン依存が進むと、ニコチンの不足した状態ではドーパミンが減るのだ。そこで不安を感じた脳がドーパミンを欲し、煙草を吸うことで通常の状態に戻る仕組みである。敢えて不足させ、通常の状況に戻ることに快感を感じる仕組みは、宗教の洗脳やDV被害者のマインドコントロールにもつながる方法である。

    著者は本書を通して「正体を暴く」ことの効果について説明している。悪い女から離れられない男を例に出し、「彼女の正体を暴く」ことで会いたい気持ちがスッとなくなる、とのことだ。
    たしかに改善の方法だけを学ぶより、その問題の状態がなぜ起きているか、も併せて学ぶほうが効果的に洗脳を解けると思った。

    ★★★★★
    失楽園仮説

  • 依存症の人にオススメしたい

  • 依存症にまつわる話

  • 禁煙のプロが語る、依存症。どうしてやめたいのにやってしまうのか、知っていれば離れるための大きな手助けになるのは間違いないと思う。

  • 二重洗脳-依存症の謎を解く。磯村毅先生の著書。依存症になる背景がわかりやすく説明されています。依存症というと、アルコール依存やたばこ依存、ギャンブル依存が思い浮かぶかもしれないけれど、スマホ依存やゲーム依存の子供に悩んでいる保護者にも参考になる内容です。

  • 2017/03/13

  • この本はわたしにとって人生のバイブル。人生における様々な問題に対し、解決し続けるためには、日頃から「メタ認知」を鍛え、己を常に客観視する習慣を付ける事が大事。この事を忘れてしまうと、何らかの依存に陥ってしまう。

  • 禁煙、禁酒に勧めたい本。

  • 洗脳という言葉は使っているが、依存症のメカニズムを著者なりの視点で明らかにした本。

    このような悩みを持っている人にとっては、そのメカニズムがわかってよいだろうとは思ったが、個人的にはあまりないもので・・・・。

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著者プロフィール

リセット禁煙研究会代表

「2014年 『リセット禁煙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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