なぜアップルの時価総額はソニーの8倍になったのか? ―『会社四季報』で読み解くビジネス数字の秘密

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492044148

作品紹介・あらすじ

誰もがよく知るライバル2社の数字を規模、成長性、収益性、セグメント情報、安全性、キャッシュフロー、時価総額の7つの視点で比較。そこから導き出されたデータをマーケティングの視点からも解説。ビジネス数字で会社をみることのおもしろさがわかる。

感想・レビュー・書評

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  • アップル。ソニー。トヨタ自動車。マイクロソフト。そしてグーグル。この本は競合する2社をくらべてそこから導き出されたデータをマーケティングの視点から解説した本です。読み応えがあります。

    アップルとソニー。NTTドコモとソフトバンク。トヨタ自動車とスズキ。そしてマイクロソフトとグーグル…。この本はこういった競合する2社を 規模、成長性、収益性、セグメント情報、安全性、キャッシュフロー、時価総額の7つの視点で比較したもので、なるほど、数字を見比べてみるとこういうことがわかるのか。という意味では僕にすごく知的な好奇心を書きたてられる本でした。

    僕も、昔は取り付かれたように会社四季報をむさぼり読んでいた時期がありましてね。しかし、この本に書かれている会社四季報の読み方を読んで、会社四季報とはこうして読むものなのかと自分の至らなさに冷汗三斗の思いがいたしました。僕が注目したのはまずアップルとソニー。かつて、スティーブ・ジョブズがソニーの本社を訪ねた際、プレゼントとして渡されたウォークマンをその場で分解したというエピソードがありましたが、今やその立場はすっかり逆になってしまいました。

    今のソニーっていうのはハードウェアよりも金融やその他の部門で利益を上げている会社だということを改めて理解しました。アップルはもちろんのことながら無借金経営で、豊富なキャッシュを何に使っているかというと、アメリカの国債などを買って運用しているんですってね。アメリカの会社はそういうことまでするのかとびっくりしたものです。

    そして、やっぱりマイクロソフトとグーグルでしょう。ITの巨人であるマイクロソフトと、検索エンジンを主軸としながらも新しいサービスを次々と立ち上げ、猛烈な勢いでマイクロソフトの牙城を揺るがそうとするグーグル。現段階ではマイクロソフトのほうがグーグルに比べて売り上げが2.6倍。総資産が2.1倍なんだそうです。しかし、成長著しいグーグルがすさまじい追い上げを見せているというのも事実です。それでも、マイクロソフトはあれだけの大企業ながら、ある程度コンスタントな成長を続けられるということも、目を見張るべきところがあります。

    最後に僕はあまり関係ないかもしれない資生堂と花王の化粧品メーカー。あれだけ「マーケティング」というものが重要な業界だということも細かい数字を出して教えてくれます。だからあれだけコマーシャルにお金をかけるんですね。まだまだ知らないことが本当に多いです。この本で気になる企業は読者によってさまざまあるとはございますが、どの企業を見ても個性が多く、勉強になることは確かであると思います。

  • ソニーとサムスンもそうだが、トヨタとスズキ、ドコモとソフトバンクの比較が面白かった。
    ソニーの金融事業はトヨタと違い、本業にはつながりのないものであり、その金融事業への依存はモノづくり企業としては悲しい気がする。
    アップルは本業で高い収益を上げながらファブレス化により実物資産への投資はほとんど必要ない。そこで、キャッシュを有価証券で運用しているという点が興味深かった。

  • 各業界の企業を、会社四季報から比較、評価するという内容。

    各分野について書いているので、目次を見ればわかることだが、タイトルとなっているソニーとアップルの話はあまり出てこない。サブタイトルの方が本の内容にあっていると感じる。

    2011年発行の書籍なので、2016年に読むと状況がだいぶ変わっている部分もあり、逆に面白い。
    会社四季報の読み方は現在も通用するので、その目的で読むならよいかもしれない。

  • 数字をもとに客観的な企業比較がなされている。アップルとソニー、キリンとアサヒ、トヨタとスズキ、資生堂と花王、マイクロソフトとグーグルといったように、それぞれの業界の代表企業の強みと主要分野など、数字から会社の様子が知れてくる。こういう数字の読み方も面白い。

  • 会社の数字を実際に見る
    四季報(3,6,9,12月)15日発刊 12のブロックで読み解く
    ①業種②社名③記事④業績⑤業績修正変化記号⑥配当⑦株主⑧役員・連結会社⑨財務⑩資本移動・株価⑪株価チャート⑫株価指標

    セグメント情報 海外売上比率(10%以下は表示されない)

    キャッシュフローの3つのパターン(ノーマル・勝負・危険)
    PER price earnings ratio株価収益率 株価/1株当たり純利益
    PBR price book-value ratio株価純資産倍率 株価/1株当たり純資産

    ROE return on equity自己資本比率

  • 会社四季報やIR情報に載ってる財務データ、企業情報を参照しながら各企業の分析をする際の手順や着眼点を学べる本。アップルとソニー、Microsoftとグーグル、キリンとアサヒなど、各章ごとに競合している企業を比較しながら分析しているため面白く、また、あまりこの手の分析をしたことがない人でも分かりやすく書いてある。サクサク読めるのも良い。

  • いかに自分が今まで企業を一面からしか見ていなかったか、を思わされた。
    ただ、その辺をちゃんと把握するにはやっぱり数字にあたらないといけない

    この人、定期的に企業をたくさん取り上げて解説してくれへんかな

  • 財務分析の基礎がわかる本だった。会社四季報などみたことがないけれど、見方がわかりやすく記載されており活用できそうだと思った。

  • 久しぶりに財務分析のほんを読んだ。
    企業のバランスシートを見るのに何が必要か、思い出すことができた。財務分析をする上での基礎がわかる。あとは、継続だな。(T . T)

  • 財務分析の方法が詳しく分かりやすく書かれていて初心者なら読んで無駄にはならないと思う一冊

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著者プロフィール

大手コンサルティング会社コンサルタント。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。滋賀大学大学院客員教授。日経CNBC「けいざい豆知識! 『イチマメ』」会計・財務分野解説者(2014年~2016年)。
1958年東京生まれ。1981年早稲田大学政治経済学部を卒業し、同年、大手コンサルティング会社に入社。これまで市場調査業務、証券アナリスト業務、経営コンサルティング業務、財務研修講師業務等に従事。会計・財務に関わる研修・講演を勤務先の若手コンサルタント、大手企業ビジネスパーソン、大学院生など多数に展開。
単著は『コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方』、『決算書で読む ヤバい本業 伸びる副業』(ともに日本経済新聞出版)、『日本ビール缶大全』(辰巳出版)など多数。共著は『経営用語の基礎知識』(ダイヤモンド社)、『新世代企業』(野村総合研究所)など。 趣味はビール缶コレクション。

「2022年 『テキストには書いていない 決算書の新常識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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