- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492046241
作品紹介・あらすじ
ハーバード大学を経てUCLA助教授として活動する医師が、あなたに教える不動のルール
健康になるための「体に良い食品」はこれだけ!
あらゆる食品をエビデンスベースで5グループに分類
●バターコーヒーは×
●グルテンフリーは×
●100%果汁でもジュースは×
●βカロテンは×
●白米は×
今あなたが信じている健康情報は本当に正しい情報でしょうか。
お医者さんや栄養士さんが言っていたから正しいと思っていないでしょうか。
専門の資格を持っていると正しいことを発信しているように見えますが、そうとは限りません。
せっかく健康意識の高い人が、テレビや本の誤った情報を信じてしまうことで、
その努力が無駄になったり、不健康になってしまうのはとても残念なことです。
実は、巷に溢れる「体に良い食事」には、個人の経験談だったり、
健康に良いという研究結果がごく少数のものも含まれています。
本書では、最新の膨大な研究論文をもとに複数の質の高い研究で
体に良いことが科学的に証明されている食事を紹介しています。
まずは2週間ほど本書で説明している食事法を続けてみてください。
自分の体が変わってきたことを実感できるようになるはずです。
感想・レビュー・書評
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【感想】
BASE FOODなどの完全栄養食は、本当に身体にいいのか。本書で示された研究をもとにすれば、恐らく「NO」だろう。
というのも、「食品」と「成分」は全く違うからだ。野菜や果物などの食品は身体にいいが、食品から抽出されたビタミンを摂取したとしても、身体にいいわけではない。ビタミンは、生の食品に含まれている他成分(食物繊維など)との相乗効果によって身体に効くのであり、成分だけに注目しては片手落ちなのだ。
本書は、そうした健康への曖昧な風説を払拭する一冊だ。巷には健康になるためのノウハウがいくつも転がっているが、その多くは間違っているか、健康になるという観点からは効果が薄い。そうした中で、複数の論文が「身体にいい」と示している食品だけを取り上げ紹介している。
では、どんな食品が身体にいい/悪いかというと、
●本当に健康に良いと考えられている食品
①魚
②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)
③茶色い炭水化物
④オリーブオイル
⑤ナッツ類
●健康に悪いと考えられている食品
①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)
②白い炭水化物(小麦粉、白米はNG。全粒粉、大麦、玄米、蕎麦粉はOK)
③バターなどの飽和脂肪酸
という結果になっている。かなりシンプルであり、普段私たちが感じている「身体によさそうな食品」の感覚にも近いことがわかるだろう。
注意すべきなのは、炭水化物の扱いだ。炭水化物=糖質=身体に悪いと思われているが、実際に身体に悪いのは白米や小麦粉などの「精製された炭水化物」だけである。大麦や玄米などは、食物繊維やミネラルが多く含まれるため、食べても太りにくい。
以上を踏まえながら、「白米→雑穀米」「牛・豚→鶏」のように、食べるものを徐々に代替していくのが、無理せず健康になれる方法だそうだ。ストイックなダイエットと違って、油はオリーブ油を取っていいし、野菜や魚は大部分が食べてOKなため、比較的続けやすいと言えるのではないだろうか。
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以上が本書のまとめである。
現在、SDGsの観点から、食を持続可能なものに置き換えていく流れができている。そして、健康な食事というのは、概して環境にも低負荷であるケースが多い。これはかなり嬉しい事実だと思う。肉から野菜や魚中心の生活にシフトしていけば、健康がよくなるだけでなく、環境も改善されていく。まさに一石二鳥のメソッドであるだろう。
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【まとめ】
1 科学的根拠にもとづく本当に身体にいい食事
長生きするためには、科学的根拠にもとづいた正しい食事をとることが最も確実である。しかしながら、巷に出回っている情報の多くが間違っている、もしくは健康になるという観点からはそれほど重要ではない情報を、あたかも重要で効果があるかのようにうたっている。
本書では、複数の研究や論文が「効果あり」と結論付けている食品のみを「本当に健康に良い食品」として紹介する。
●本当に健康に良いと考えられている食品
①魚
②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)
③茶色い炭水化物
④オリーブオイル
⑤ナッツ類
●健康に悪いと考えられている食品
①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)
②白い炭水化物(小麦粉、白米はNG。全粒粉、大麦、玄米、蕎麦粉はOK)
③バターなどの飽和脂肪酸
「茶色い炭水化物」とは、玄米、蕎麦(蕎麦粉の含有量が多くて小麦の割合が少ないもの)、全粒粉を使った茶色いパンなど、精製されていない炭水化物のことを指す。一方で、「白い炭水化物」とは、白米、うどん、パスタ、小麦粉を使った白いパンなどの、精製された炭水化物のことを意味する。
ちなみに、日常会話では炭水化物と糖質は同じような意味で使われているが、厳密には、炭水化物とは糖質と食物繊維を合わせたもののことである。つまり、「炭水化物=糖質+食物繊維」という式が成り立つ。一般的に、茶色い炭水化物は食物繊維の量が多く、白い炭水化物は食物繊維の量が少ない。そして、極限まで食物繊維の量を少なくしたものが砂糖などの糖であるととらえることができる。つまり、白い炭水化物は砂糖ほど甘くないものの、体の中で糖に分解・吸収されるので、白い炭水化物と糖は本質的には同じものである。
特に白米は、「少量でも体に悪い」。白米の摂取量と糖尿病の間には正の相関があるため、減らせるのであればできるだけ少ない方がいい。
2 成分と食品は違う
果物に含まれる成分である「果糖」は、血糖値を上げるという点では健康に良いとは言えないものの、果物そのものは健康に良い食品であるというエビデンスがある。イェール大学予防医学センターのデイビッド・カッツは、これらは「食品中の成分に気を取られすぎたため、逆に本当に栄養のある食品を摂取しなくなってしまうという失敗」であると警鐘を鳴らす。実際に果物の中の果糖を抽出して摂取すれば血糖値はすごく上がるものの、果物を丸ごと食べれば血糖値はそれほど上がらないことが知られている。
野菜についても同様であり、緑黄色野菜の摂取は病気のリスクを下げるものの、野菜から抽出されたβカロテン自体は肺がんのリスクを高めるという研究結果がある。また、トマトは身体にいいが、リコピンそのものが身体にいいというエビデンスはない。
●食品と成分
・豚肉(たんぱく質、ビタミンB1)
・トマト(リコピン、ビタミンC、糖質)
・かぼちゃ(βカロテン、ビタミンC、糖質)
・ブドウ(糖質、ポリフェノール(アントシアニン))
・白米(糖質、たんぱく質)
いずれも、食品は重要だが、成分単体で見た場合は重要ではない。
3 地中海食の凄さ
複数の実験で身体にいいという結果が出ているのが、「地中海食」である。
・オリーブオイル
・ナッツ類
・生の果物
・野菜(一日400gまでで十分)
・魚(一日60gまでで十分)
・海産物
・豆類
・赤い肉(牛肉や豚肉)を白い肉(鶏肉)に置き換える
地中海食の栄養指導を受けたグループは、対照群と比べて脳卒中や心筋梗塞によって死亡する確率が30%低く、乳がんになる確率が57%低いことが明らかになった。
野菜や果物は生である必要はないが、加工品はNGである。フルーツジュースやピューレなどの加工品は、糖尿病のリスクを上げる。生の果物にも果糖は入っており血糖値を上げるが、同時に血糖値の上昇を抑える食物繊維も入っている。一方でジュースは加工過程で不溶性食物繊維が除かれてしまう。また、野菜ジュースが健康に良いかは、研究データがないためわからない。
地中海食と言えばチーズやヨーグルトなどの乳製品もあるが、これらが身体にいいかどうかは微妙なラインだ。がんの発生率を高めるという論文もあれば、糖尿病のリスクを下げるという論文もあるからだ。成長期の子どもはタンパク質が必要なためたくさん摂取してもよいが、大人はほどほどにしたほうがいいだろう。
●その他
日本人は塩分を過剰摂取しているため、漬物や味噌汁を控えるべし。
ダイエットのためには、炭水化物を抜くのではなく、白い炭水化物から茶色い炭水化物に変え、肉(特に加工肉)を減らし、ナッツ、野菜を取るのがいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エビデンスの文献も記載されてあり 信用出来る内容なのだろうと思います。
持病がわかってから 健康や食に関してとても気になるので読んでみました。
今までに読んだ本と結構同じ内容な部分が多かったという印象です。
私はコーヒーとチョコレートがとても好きで 外すことの出来ないものなので 以前からコーヒーはブラックでチョコはハイカカオのものを選んでいます。
ご飯も少なめにしています。
家族がいるので 玄米に変えるとかってなかなか難しいですが ストレスにならない程度で出来る範囲で心掛けたいと思っています。
ナッツも好きなので買いました♪ -
面白かった。
タイトルの「世界一シンプル」というのは、まぁ誇大すぎるということは無いかな。
これ系の本をいくつか読んできたけど、確かに内容はシンプル。
魚と野菜を食べなさい。ただしジャガイモは×
白米やうどんのような白い炭水化物は×だが、玄米や全粒粉のような茶色い炭水化物はOK
甘味がほしいときはナッツを食べなさい、など。
とても分かりやすかった。
ただ、玄米と全粒粉、不味いんだよなぁ…
自分はまず、野菜と魚とナッツのアプローチを取っていきたい。 -
端的にまとめると、
①地中海食が最高の食事である。
②日本食は塩分、炭水化物が多すぎる。
③魚、鶏肉は良い。他の赤身肉は身体に悪い。
冒頭から上記の結論が語られており、その後の章で内容を深掘りしていくような形式になっている。
豊富なエビデンスを元に書かれているため、無根拠で感覚的な他の健康本とは一線を画している気がする。
実際に試してみて、身体の反応をみてみようと思う。 -
何事もそうなんですけど鵜呑みは禁物、自分に当てはまるかの見極めが大事なのかなと改めて思いました。
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食事に対して無知なことは未来の自分を少しづつ蝕んでいる。
このタイミングでこの本を知ることができて本当に良かった。
知った上で選択することが大事。 -
科学的根拠がある体に良い食材が分かる!TVで話題の食材は「健康商法」なだけで適当な可能性アリ。オリーブ油+ナッツ+魚の地中海食が最強。玄米も良しなど…知った上で食べたい物を選ぶのが楽しく生きるコツかなとしみじみ。
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どのように健康法に関する情報を得ればよいのか、が分かった!英語の勉強にもなるし、やってみようと思う。
以下要約
本当に健康に良いもの
①魚
②野菜と果物(ジュース、じゃがいも含まない)
③茶色の炭水化物
④オリーブオイル
⑤ナッツ
健康的な食事をするために必要なのは体に良い「食品」を選ぶことであり、成分が重要なのではない。
間違いだらけの健康法
①テレビなどのメディアの健康情報
②本屋で売られている「健康本」
③日本語で書かれたインターネットの情報
テレビや雑誌はマーケティングが前提
正しい健康情報を入手する方法
①ハーバード公衆衛生大学院
https://www.hsph.harvard.edu
②メイヨークリニック
https://www.mayoclinic.org
③ウェブエムディー
https://www.webmd.com
著者プロフィール
津川友介の作品





