遺伝子のスイッチ: 何気ないその行動があなたの遺伝子の働きを変える

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492046876

作品紹介・あらすじ

人生、能力、生き方、考え方は遺伝子で決まらない!
遺伝子を「オン/オフ」にするスイッチ
「エピジェネティクス」を解説

人生、能力、生き方、考え方といったものが遺伝子によって決まっている、あるいは遺伝子検査を受ければこれらがわかるなどと思われている。テレビ、新聞、雑誌、そしてステマの無法地帯となっているインターネットなどを通してそう宣伝されるからであるが、これは誤りである。遺伝子は環境とかかわることではじめて働くからである。遺伝子の役割は過大評価されている。
遺伝子の働きは、食事や運動などの生活習慣やどんな書物を読むか、どんな人とつき合うかなどによって劇的に変わるからである。
一卵性双生児を例に説明しよう。一卵性双生児は、英語で「まったく同じ双子」(identical twin)と表現されてきたものの、正確には「まったく同じ」ではない。「一卵性双生児」は、まったく同じ卵子から生まれ、同じ女性の子宮の中で同じ時期に育った双子である。ふたりは先天的な環境は同じであるが、後天的な環境は同じではない。だから、一卵性双生児で生まれたひとりは学校の教師をし、充実した日々を送るが、もうひとりは薬物依存に苦しむことだってありうる。
たとえ同じ遺伝子をもっていても、同じ結果になるとは限らない。それどころか、同じ結果にはならないことが多い。そして、最近の研究によって遺伝子の働きを変えるしくみ、すなわち、遺伝子を使う(オン)にしたり、遺伝子を使わない(オフ)にするスイッチが存在することが明らかになった。このスイッチを研究するのが「エピジェネティクス」という、今、爆発的に発展している学問分野であり、本書のテーマである。

感想・レビュー・書評

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  • 少し難しい部分もあった。
    実験の補足イラストや説明を図解してくれてあったりしたのがだいぶ理解の助けになったと思う。
    本の冒頭だったか、初めの方で胎児の時期に母親が栄養不足だと将来肥満になりやすくなるっていうのは、ほぉーんと思った。小さい頃太っている→将来も肥満と漠然と感じていたから。
    それも、胎児期の母親の栄養状態が影響するのはなぜなのかは読めばすぐなるほどな、と。

    エピジェネティクスの深いところまで書かれている本だけれど、自分的にはもう少し浅くて良かったかな。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50240168

    人生、能力、生き方、考え方は遺伝子で決まらない!遺伝子を「オン/オフ」にするスイッチ「エピジェネティクス」を解説(生命融合科学分野 大塚正人先生推薦)

  • 遺伝子の働きを変える仕組み、それは遺伝子を『使うか』『使わないか』を決めるスイッチともいえる。
    本書で解説するエピジェネティクスではそのスイッチを研究しているが、かなり難しかった。
    ただ、遺伝の基礎知識や依存症・うつ・子育てとの関連性を述べた内容は興味深かった。


  • ある程度理系の知識がある人でないと読み進めるのが難しい本だと思った。

    本書で伝えたいことは、以下の内容なのではないだろうか。

    ・持っている遺伝子のスイッチをON/OFFにするのは食事や環境で操作できる

    ・幼少期の習慣や環境により未来の自分の設計が決められてきてしまう
    →例えば幼少期の両親からの愛情がない子に対しては社会人になってストレスへの感受性が高く鬱になりやすいとか

  • エピジェネティクスについて最新の研究を踏まえわかりやすく書かれている。生活習慣とパフォーマンスの遺伝子的な関係がよくわかる。

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著者プロフィール

生田 哲(いくた・さとし)
1955年、北海道に生まれる。薬学博士。がん、糖尿病、遺伝子研究で有名なシティ・オブ・ホープ研究所、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)などの博士研究員を経て、イリノイ工科大学助教授(化学科)。遺伝子の構造やドラッグデザインをテーマに研究生活を送る。現在は日本で、生化学、医学、薬学、教育を中心とする執筆活動や講演活動、脳と栄養に関する研究とコンサルティング活動を行う。著書に、『遺伝子のスイッチ』(東洋経済新報社)、『心と体を健康にする腸内細菌と脳の真実』(育鵬社)、『ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く』(講談社)、『よみがえる脳』(SBクリエイティブ)、『子どもの脳は食べ物で変わる』(PHP研究所)、など多数。

「2023年 『「健康神話」を科学的に検証する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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