遺伝子のスイッチ: 何気ないその行動があなたの遺伝子の働きを変える
- 東洋経済新報社 (2021年3月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492046876
作品紹介・あらすじ
人生、能力、生き方、考え方は遺伝子で決まらない!
遺伝子を「オン/オフ」にするスイッチ
「エピジェネティクス」を解説
人生、能力、生き方、考え方といったものが遺伝子によって決まっている、あるいは遺伝子検査を受ければこれらがわかるなどと思われている。テレビ、新聞、雑誌、そしてステマの無法地帯となっているインターネットなどを通してそう宣伝されるからであるが、これは誤りである。遺伝子は環境とかかわることではじめて働くからである。遺伝子の役割は過大評価されている。
遺伝子の働きは、食事や運動などの生活習慣やどんな書物を読むか、どんな人とつき合うかなどによって劇的に変わるからである。
一卵性双生児を例に説明しよう。一卵性双生児は、英語で「まったく同じ双子」(identical twin)と表現されてきたものの、正確には「まったく同じ」ではない。「一卵性双生児」は、まったく同じ卵子から生まれ、同じ女性の子宮の中で同じ時期に育った双子である。ふたりは先天的な環境は同じであるが、後天的な環境は同じではない。だから、一卵性双生児で生まれたひとりは学校の教師をし、充実した日々を送るが、もうひとりは薬物依存に苦しむことだってありうる。
たとえ同じ遺伝子をもっていても、同じ結果になるとは限らない。それどころか、同じ結果にはならないことが多い。そして、最近の研究によって遺伝子の働きを変えるしくみ、すなわち、遺伝子を使う(オン)にしたり、遺伝子を使わない(オフ)にするスイッチが存在することが明らかになった。このスイッチを研究するのが「エピジェネティクス」という、今、爆発的に発展している学問分野であり、本書のテーマである。
感想・レビュー・書評
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少し難しい部分もあった。
実験の補足イラストや説明を図解してくれてあったりしたのがだいぶ理解の助けになったと思う。
本の冒頭だったか、初めの方で胎児の時期に母親が栄養不足だと将来肥満になりやすくなるっていうのは、ほぉーんと思った。小さい頃太っている→将来も肥満と漠然と感じていたから。
それも、胎児期の母親の栄養状態が影響するのはなぜなのかは読めばすぐなるほどな、と。
エピジェネティクスの深いところまで書かれている本だけれど、自分的にはもう少し浅くて良かったかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50240168
人生、能力、生き方、考え方は遺伝子で決まらない!遺伝子を「オン/オフ」にするスイッチ「エピジェネティクス」を解説(生命融合科学分野 大塚正人先生推薦) -
遺伝子の働きを変える仕組み、それは遺伝子を『使うか』『使わないか』を決めるスイッチともいえる。
本書で解説するエピジェネティクスではそのスイッチを研究しているが、かなり難しかった。
ただ、遺伝の基礎知識や依存症・うつ・子育てとの関連性を述べた内容は興味深かった。 -
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エピジェネティクスについて最新の研究を踏まえわかりやすく書かれている。生活習慣とパフォーマンスの遺伝子的な関係がよくわかる。