徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか: 家康のあっぱれな植物知識

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492061947

作品紹介・あらすじ

★日本人の植物常識はすごい!

●加藤清正が築城した熊本城は食べられる城だった!
●なぜ戦国武士は草食系の食事で戦い続けられたのか
●植物の知識で暗躍した甲賀忍者
●世界最大のリサイクル都市、江戸はどうやって作られた
●大名がやっかいな雑草を家紋にした理由
●なぜ関ヶ原の戦いで家康は生米を食べるなと指示したのか
などなど、戦国の世から江戸時代における植物と武士の知られざる関係を描く
これまでにない驚きの日本史!

感想・レビュー・書評

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  • 家紋のもとは、平安時代の牛車にあるらしい。自分の牛車を見分けるために、それぞれ紋をつけたのを、武士がまねしたという。戦国武将たちの家紋は植物が多く、それも雑草のカタバミやオモダカ、タンポポなどが結構あるらしくて驚く。そもそも徳川家のフタバアオイも山にある目立たない雑草だそうだ。どうも武将たちは、雑草のしぶとい強さを愛したらしいのだ。この他、江戸とススキ、ヨシ、エゴマ、ソバ、サツマイモなどとの深い関係や、江戸のリサイクル循環社会の様子、園芸大国だった江戸時代の日本、三河武士や家康、信長などと植物との深い関係をいろいろ述べていて、非常に興味深い本である。

    • goya626さん
      猫丸さん
      何にでも神たちを見る日本人の心性ゆえでしょうね。
      猫丸さん
      何にでも神たちを見る日本人の心性ゆえでしょうね。
      2021/08/12
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      おー
      八百万の神ですね。
      goya626さん
      おー
      八百万の神ですね。
      2021/08/13
    • goya626さん
      はい。
      はい。
      2021/08/14
  • 戦国武将は、なぜ雑草を家紋にしたのか | 武士と植物の知られざる関係 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
    https://toyokeizai.net/articles/-/63869

    徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか | 東洋経済STORE
    https://str.toyokeizai.net/books/9784492061947/

  • 読書録「徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか」4

    著者 稲垣栄洋
    出版 東洋経済新報社

    p88より引用
    “ 日本の主食である米は、炭水化物を豊富
    に含み、栄養バランスに優れている。
     一方、大豆は「畑の肉」と言われるほど、
    たんぱく質や脂質を豊富に含んでいる。その
    ため、米と大豆を組み合わせると三大栄養素
    である炭水化物とたんぱく質と脂質がバラン
    スよく揃うのである。”

    目次から抜粋引用
    “徳川家康はなぜ江戸を都に選んだのか
     完全リサイクルの循環型社会ができるまで
     お城にはなぜ松が植えられているのか
     織田信長はトウモロコシが好き
     ヨーロッパ人を驚かせた園芸大国”

     みちくさ研究家である著者による、戦国時
    代などの昔の武士達と植物の関わりを記した
    一冊。
     江戸が都に選ばれた理由から大名の家紋と
    植物の関連についてまで、史実を元に推測を
    立てながら書かれています。

     上記の引用は、米と大豆の組み合わせにつ
    いて書かれた項での一節。
    米に含まれていないアミノ酸は大豆に有り、
    大豆に含まれていないアミノ酸は米に有って、
    お互いを補い合う良い組み合わせとのことで
    す。古くから食べ続けられているものは、や
    はりそれなりの理由があるのでしょうね。
     参考文献を見てみると、植物学に関するも
    のは殆ど無く、植物に関する文献をたどろう
    とするのは難しいでしょう。
    家紋や武士の食生活についての文献が紹介さ
    れているので、そちらを辿るのには有用では
    ないでしょうか。
     今の我々の生活が、いかに過去の人々の足
    跡の上に出来ているかがよく分かる一
    冊だと思います。

    ーーーーー

  • エゴマは縄文時代に日本に伝えられたとされ、食用油や灯油として用いられたが、17世紀初めにナタネの栽培が普及するとともに地位を失った。
    サツマイモは、青木昆陽が救荒食として吉宗に上申し、貧困にあえいでいた農民を救った。関東ローム層に覆われたやせた武蔵野台地に栽培された。
    戦国時代に山城が造られ、堀や土塁などの土木技術が発達したことによって、山間部には棚田がつくられるようになった。
    中国から来たものを諸越と呼んでいた。ソルガムも「もろこし」と呼ばれていたが、16世紀にポルトガルから伝えられたものがトウモロコシと呼ばれるようになった。
    キュウリ(胡瓜)は、胡から伝えられたウリの意で、インド北部のヒマラヤ山麓が起源。胡は、モンゴル地域を指す言葉だったが、やがてペルシャなど西域から伝わったものを指すようになった。クルミ(胡桃)、ゴマ(胡麻)、コショウ(胡椒)など。

  • 植物の豆知識の本かと思ったら、きちんと歴史についても分析されていて、とても面白かったです。
    例えば、同じ時代、西洋では疫病が蔓延したとき何故江戸で蔓延しなかったのか、日本の農村は何故隣村と近く人口が密集しているのか、小麦と水稲の違いから分析しています。
    また城の中に植えられている木にも役割があり、例えば、松は、非常食+燃料+止血薬になる、いうのも興味深かった。

  • 葵の御紋の起源である双葉葵が賀茂御祖神社の社紋であり日吉大社の社紋であるのは何故なのか?どちらが起源なのか?に興味を持って時点で繋がったこの書物。
    読み進めれえば進めるほど面白い発見の連続!
    やっぱり比叡山に登って良かったなぁ。と思うのである。
    地名や地質から解きほぐす歴史の不思議の解。
    ブラタモリじゃなくても一人フラタモリで楽しめる
    フィールドスタディの面白さを再発見できます。

  • 戦国武将から江戸時代あたりまでの歴史上の故事を、身近な様々な植物をネタに解説している。一つ一つの話は短くまとまっているので、読みやすい。

  • 植物は生活に欠かせない食物であり、生活に近いものだったと改めて感じます。 現代の生活は便利になりましたが、植物から学ぶことは多い。 

  • 文庫で読了。家紋の植物に着目し、日本の歴史を巡る読み物。長らく、徳川家の家紋の不思議を感じていたが、納得。植物と日本人の関連の深さに感服。

  • 2015.04.11 東洋経済より

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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