教養としての歴史問題

制作 : 前川 一郎 
  • 東洋経済新報社
3.83
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本棚登録 : 222
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492062135

作品紹介・あらすじ

歴史問題の全体像を理解するための最良の書


歴史認識問題、歴史修正主義…、
なぜ「歴史」は炎上し、差別意識を助長するのか?

いま世界的な争点になっている歴史問題について、
歴史学だけではなく、社会学や国際政治の視点から、
その背景に何があるのかに迫る。

気鋭の研究者らによる憂国の書、書き下ろし!

感想・レビュー・書評

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  • 昨今オープンレター問題で話題の呉座勇一氏が本書で論じるのは奇しくもことの発端となった網野善彦。本書で強調される「国民の物語」としての歴史が歴史修正主義という悪貨によって駆逐されている状況は、社会を変えていくためにマジョリティとどうコミュニケーションを取っていくか、その方法論が問われるわけだが、それは冒頭の問題を巡る差別を取り巻く状況にもまた当てはめるのは偶然ではなかろう。

  • ある種の「歴史」を語るのが憚られる雰囲気が漂う昨今、正面から切り込む一冊でした。非常に参考になりましたが、こうした言説すらも攻撃の対象になるのかもと思うと難しい時代になったと思います。

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  • 日本国内の歴史修正主義の問題点や歴史修正主義の議論への対応に対する検証はもちろん今でも意味の大きい議論だとは思う。また、2020年に本書が出版されたこと自体にも大きな意味はあったと思う。

    ただ、出版後2年でいろんな出来事があったり、いろんなことが分かったりした今読んでも、タイミングが遅すぎた

    他方で、旧宗主国と旧植民地との関係に視野を広げた議論や、その関係性の議論をベースとした日本と韓国、アジア諸国との関係の議論は、高校の世界史で習っている歴史が基礎となってきる議論のはずなのにあまり考えていなかったことに気づいた。自分にとっても視野がが広がったと思う

    4勝以下は流し読み

  • ネトウヨ
    嫌韓・嫌中
    慰安婦問題はデタラメ
    ホロコーストは無かった
    ヘイトスピーチ
    などなど、日頃、「こういうのおかしいよなぁ」と思っている事について知ってみたくて読んでみました。
    上記のような思想的傾向を「歴史修正主義」というそうです。
    この歴史修正主義に対して向き合い、評価し批判するために有用な本だと思います。

    「はじめに」に本書の目的-歴史認識問題の現状を正確に把握し、未来を考えるきっかけを作る、と書いてあり、その目的に沿った5つの章と最後の座談会が配されておりいずれの論考も面白い。
    わたしには特に以下の章が読み応えがありました。
    第二章 植民地主義忘却の世界史
    第四章 「自虐史観」批判と対峙する
    第五章 歴史に「物語」はなぜ必要か

    巻末の参考文献リストで、この本を起点としてさらに問題を深掘りしていけるようになっている作りも親切です。

  • 歴史問題に対してどのような姿勢(立場)で向き合っていくかを論じた本

    ファクトがなく、ある種大衆扇動的な歴史修正主義についての批判が多かった印象。
    しかし何が悪く、どこが一般に受け入れられているかを考察し、歴史修正主義者から学ぶべきところも記載してあった。

    2020年出版の本ということで非常に新しく、共感できる点も多かった。

    前半は歴史問題の認識(の差)を説明するもので面白かった。後半は歴史学者や歴史認識について今後日本がどうあるべきか、的な内容であった。

  • 下記のリンクでご利用ください。
    学外から利用する場合は「マイライブラリ」もしくはリモートアクセスサービス「RemoteXs(リモートエックス)」をご利用ください。
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000092982

  • 2021.11.10
    どちらにも寄ってない、誰にも何にも偏ってないフラットでニュートラルな状態でいたいしそういう知識と事実を知っていきたいなと思った

  • 日本国紀などと並べて売って欲しい。
    読んで欲しい考えて欲しい人々の所にどうか届いて欲しい内容。

  • 自称リベラルの偏りがよくわかる。

    書名からして啓蒙書を気取るが、何の定義もせずにいきなり「歴史修正主義」を批判する当たり、内輪の自己満足を出ない。

    世間に受けないことは自覚しているが、マルクスの弁証法的史観にぶら下がっているようでは明るい未来はない。

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著者プロフィール

創価大学文学部准教授
イギリス帝国史・国際関係史
〈主な著書〉
『イギリス帝国と南アフリカ──南アフリカ連邦の形成1899~1912』(ミネルヴァ書房、2006年)、『「植民地責任」論──脱植民地化の比較史』(青木書店、2009年、共著)、「イギリス植民地主義のあとさき──2001年ダーバン会議の教訓」(『季刊戦争責任研究』第63号、2009年)など。

「2012年 『イギリスの歴史【帝国の衝撃】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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