- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492212257
作品紹介・あらすじ
日本一過激な請負人のノウハウを1冊に凝縮した、日本一まっとうなガイドブック。
地方が抱える問題を「ネタ」「モノ」「ヒト」「カネ」「組織」の5つに体系化。
28もの「問題の構造」を明らかにし、明日から取り組める具体的な「再生の方法」を提言する。
●●●ネタ:「何に取り組むか」を正しく決める●●●
【問題の構造】「ゆるキャラ」は、大の大人が税金でやることか?
【再生の方法】地元経済の「改善」に真正面から向き合おう
【問題の構造】「食えたもんじゃない」特産品が生まれる理由
【再生の方法】本当に売りたければ最初に「営業」しよう
ほか
●●●モノ:使い倒して「儲け」を生み出す●●●
【問題の構造】「道の駅」が地方を衰退させるワケ
【再生の方法】民間が「市場」と向き合い、稼ごう
【問題の構造】「禁止だらけ」の公園が地域を荒廃させる
【再生の方法】公園は「地価上昇」のために使い倒そう
ほか
●●●ヒト:「量」を補うより「効率」で勝負する●●●
【問題の構造】乱暴すぎる「移住促進」策
【再生の方法】「誰を呼ぶのか」を明確にしよう
【問題の構造】人口は増えても減っても問題が起きる
【再生の方法】人口増加策より「自治体経営」を見直そう
ほか
●●●カネ:官民合わせた「地域全体」を黒字化する●●●
【問題の構造】補助金こそ「諸悪の根源」だと断言できる理由
【再生の方法】「稼いで投資し続ける」好循環をつくろう
【問題の構造】ふるさと納税は「来年、半減する」かもしれない
【再生の方法】税による安売り合戦をやめ、市場で戦おう
ほか
●●●組織:「個の力」を最大限に高める●●●
【問題の構造】地方は「みんなで決める」から間違える
【再生の方法】無責任な100人より行動する1人の覚悟を重んじよう
【問題の構造】悪質な「名ばかりコンサル」が地方を食い物にしている
【再生の方法】自分たちで考え、行動する「自前主義」を貫こう
ほか
感想・レビュー・書評
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読了。
地方創生は、補助金などで奇抜な事業を当てることではなく、地方で「稼ぐ」エコシステムの構築を地道に進めていくことでのみ実現することができる。
ふるさと納税の返礼品の質を高め、財源獲得競争に勝利したとしても、毎年の安定した財源として計算できなければ、地方創生には繋がらない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全国の自治体の名を挙げて、政策をばっさり。
良い悪いを例として具体的に取り上げて評価していた。
超過疎地で公務員をしていた私にとっては全て、
「仰るとおりです。。」と思う事ばかりだった。
道の駅、プレミアム商品券そしてふるさと納税、そのどれもが地方創生に役立ったのかとゆうと、全く実感として感じることができない。あの時この本を読んでいれば、私は職員として町づくりに何か提案を持ちかけ、貢献できたのか、と考えさせられた一冊。極端な評価が多かったので、この意見が全て正しいと思い込まず、まだまだ色んな地方創生の本で勉強しようと思う。 -
地方創生の、実用的な方法を学ぶため、
購読。
ほとんどが、行政の批判だった点が残念。
以下、参考になる視点。
地域の活性化には、地域がそこにしかない突出したモノで稼げるようになることが大事。
これまでの地域活性化の政策や、それに関わるコンサルの仕事は情報格差ビジネスであり、
地域のためにはなっていない。
まちづくりとは、アセットマネジメントだ。
地方都市では不動産オーナーと組んで、建物が使われるように価値向上し、新規建物の供給は抑える。それにより不動産価値が向上する。
補助金に頼らず、稼いで黒字を出していく仕組みを作ることが大事。そのためには供給側でなく需要側に沿って計画を立てる。
計画でも、失敗した時の撤退戦略がないことがおかしい。
地域活性化の計画は、重要。だからこそ、計画は地域が自ら策定すべきであり、結果責任を負わない外部のコンサルタントに任せるべきではない。
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2019/11/16
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著者は紫波のオガールプロジェクトにも関わった木下斉氏。
いかに地方が無意味な事業を乱発しているか、行政がまちを貶めているかが述べられている。
他にも「稼ぐまちが地方を変える」「福岡市が地方最強の都市になった理由」等が有名。 -
地方活性化に関するサービス開発を絶賛考えている私としては当書籍は衝撃を受けた。
というのも地元で育ちずっと思ってたがフワッと言えなかったことを専門家の方がズバッと論理的に言ってくれた。また地方創生に関わるものでなくても会社組織という考えでも非常に参考になるといえる。 -
地方創生に万能薬なんてない。自分たちの手で考えて創り仕掛けよう。
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たとえ地方活性化事業だろうと、事業は自力で資金を回し、持続できなければならない。税金(補助金)前提だと、危機感がなく、市場に合わない規模の事業になり、柔軟な撤退もできず、不採算事業となって地域の負債となる。
木下さんが普段Voicyで話されている内容の復習及び補足を読んでいるような気分になりました。 -
・利益を意識すること
・予算、補助金ありきではなくて、自走する仕組みを作ること
・モノをパクらず発想をパクる
・計画と実践を連続的に同じ人間が行うこと
・戦略に反しても良いということ(民間企業として自治体に相対するときはそうもいかないが)
・対症療法の繰り返しでなく、根治を意識すること
→現時点で、まだそこまでいけてないという感覚
利益追求がある民間として、どういう寄り添いができるか?
・個人として、箔をつけること。どこで付加価値を出すか? -
学んだこと5つ
①観光客数ではなく観光消費を重視しよう
→10万人が1000円使うものを1,000人が10万使うものに変えていく
→小さくとも単価が高く稼働率の良い宿泊施設は可能
②地方創生に必要なのはお金を継続的に生み出せるエンジン
③撤退戦略などを立てると良い
→必ず最初に決める
④公園の禁止を増やしすぎない(広場の扱い)
→アメリカのニューヨークでは公園のコンセッション(営業権)で入札を行なっている
⑤民間の企業をうまく活用する
→岩手県紫波町公民連携基本計画を立てた
感想
現在、自治体にいるが中身を全然理解していないと感じた。dxなどと言っているがそもそもdxを推進しなければいけない根本から考え直さなければいけないと思った。継続的な利益を出すための取り組みを作ることや、撤退戦略を作ることでまず、自治体の財政を復活させることから取り組んでいこうと思った。 -
読み終わった、テンポよく読めたは読めたけど、後半になるにつれ少し難しかった(私の想像力が追い付かなかった)
言っていることには全面同意。耳が痛い。
ただ、長くいる業界が違うので(福祉畑)、県がまるっと不要かといえばそうではないなと思ったり。少なくともまちづくりの分野ではほぼ役割を果たしていないことは改めてよく分かった。
また、プロセスはだめなまま水際対策にだけバシャバシャお金を突っ込んでるというのは、福祉も共通だと思った。
とにかく、対症療法しかできないのを変えなきゃいけないな。 -
3冊目となると、役所批判が鼻につくように感じる。経営センスはそこだけ批判しても語れないとは思う。実際に行政の補助金が効果をあげてる事例にはもちろん触れられず。自分の「茶碗」としてのスタンスは理解するけど、どこにその経営センスがあるか、求められるか、そこを描いてほしかった。
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kindleUnlimited 2023.3
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地域創生コンサルタントの著者による、地域における創生ビジネスの進め方。ニーズを把握し、魅力あるサービス、製品と提供すること、きちんと利益の出るエコシステムを作ること、計画変更は柔軟に行うこと、撤退基準を明確にしておき、だめならやり直すこと。民間企業ならあたりまえのことなのだが、これらが地域行政では行われていないという。しかも、国からの補助金を目当てにした単発プロジェクトばかりだという。本書はビジネスの基本を説く書であり、そして、現実のお役所仕事の駄目さを赤裸々にオープンにする書でもある。
以前、講演会を聞かせてもらったこともあるが、本書にあるように、まっとうなビジネスの基本、考え方を、地域創生でも使うことが重要と力説されていた。 -
外からのコンサルじゃダメなんだ、
というのが、一番刺さったポイント。
著書の木下さんの肩書きも、
コンサルタントではなく
まちビジネス事業家。
事例やハウツーというよりも、
木下さんの気構えやスタンスが
勉強になります。 -
その事業から撤退するラインを事業に着手する前にあらかじめ決めておく!
大怪我しないためには大切なことですね。 -
言ってることは正しくても、反感を買えば人は付いてこない。人が付いてこなければ、成果も付いてこない。ずるい仕事術を読んでほしい。
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タイトル通り、地方創生の全てが詰まっていそうな本。
ただ地方創生だけなく、全てのビジネスにも通ずる1冊だと感じた。
というのも本書を構成している5つの視点が、以下のようにどんなビジネスでも問題になっている切り口だからであると考える。
・ネタの選び方
・モノの使い方
・ヒトのとらえ方
・カネの流れの見方
・組織の活かし方
この視点をもとに、ゆるキャラや特産品、地域ブランド化、ふるさと納税、人口増減問題、観光問題といった問題を様々な事例を紹介してくれている。
特に公園コンセッションの事例はすごく面白かった。街づくりとはアセットマネージメント(不動産経営)である。
どんなビジネスにおいても、責任を持って主体的に実行が出来ることに価値があるということ。 -
p115 二宮尊徳が残した「積小為大」という言葉に基づいています。
p208 〜場合によっては躊躇なく撤退を決断できるよう、初期に撤退基準を設けておく必要もあります。
p209 〜各事業の責任を明確にすることと、その責任を個人や組織で負い切れる範囲で実行する必要があります。
p225 二宮金次郎は「分度」と呼んでいます。簡単に言えば、収入に基づいて支出を決め、黒字体質にする
p234 確実に成果をあげる取り組みの多くは、「既存の組織を変化させる」なんてことに労力を割くのではなく、「新たな組織をつくる」ことで、この壁を突破しています。
p287 「戦略の問題を、戦術によって克服することはできない」〜間違った戦略が大半だったりする〜。
#自治体に限らず、様々な組織にとって参考になります。 -
地方創生を考えるにあたっての
基本みたいな部分を理解することができた。
如何にして小さなことからコツコツと頑張ることが
大切だということ。
誰かの課題を解決するところから
事業はスタートするということ。
絵空事ではなく現実的に進めること。
得手して聞くと当たり前なことでも
実践することが難しいものだ。
行動に起こそう。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/704448 -
面白かった!
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他の本にも書いてあったが、地方で稼ぐということは大前提必要
この本では事例含めノウハウが詰まっている
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地方行政に関わる身としては、ずっともやもや考えてきたことがバッサバッサ切れ味鋭く書かれてて爽快&爆笑。
私が溜飲を下げるだけでもいいかなと思って読み始めたが、今後活かせそうな視点も色々示されていた。
●もともと売れないものをブランディングしたら売れるなんてどうしてそう思った?
●ゆるキャラなんてそもそも行政が予算かけて取り組むことか?
●失敗はなかったことにされる
●アイデアない人が集まってブレストばかりしてる
◯お金稼げるように考えよう
◯撤退ラインを決めとこう
◯合意形成ってそもそも無理だよ -
全体を通じて、
・自らの稼ぐ力で事業として成り立たせる
・主体的に責任を持って進められる人間だけで進める
・流行りものでも突飛なアイデアでもなく具体的なアクションを確実に実行する
といったことが大切であるということを訴えた本であると感じた。
しかし、地方創生の取組みではなぜかそのようなことがないがしろにされやすい。公共性、民主的で公平なプロセス、地域の固有性などといった論理が、表面的に適用されてしまうからだろう。
そういったタテマエ論を筆者は本書で繰り返し否定している。その意味では、この本は「地方創生べからず集」といった趣の本である。
そして、逆に「こうすれば成功します」ということは、基本的に書かれていない。当然ながら、確実に成功できる簡単な方程式はなく、成功事例をコピーすれば他の場所でも成功できるわけでもないからだろう。
いくつかの成功事例には触れられているものの、それは具体的な取組みを紹介するためというよりも、それらの取組みが上に挙げたような失敗の罠にはまらなかったということを紹介するための事例である。
むしろ、いくつもの失敗の罠の存在を肝に銘じて、自らの頭で考え、実行してみながら前に進むことが大切で、そのためには「成功事例集」は役に立たないということを、強く訴えたいと筆者が思っているからだろう。
丁寧に各章に「チェックリスト」がつけらえており、読めば必ずドキッとすることがいくつもある項目が並べられている。前に進みながら自らの取組みを時折振り返るために、とても有益な本であると感じた。 -
読了。
もう1周する予定。
少し偏った意見もある印象。
しかし、無知な自分には地方創生の現状を知る上で最初に手にした1冊としては正解だったかなと。
行政の方とコンサルの方が見るのはあまりおすすめしません。嫌な気持ちになるでしょう。 -
面白かったぁ。
補助金ありきの地方創生はうまくいかないに決まっている。税金でハコモノを作って、運用はうまく回っているように見えても、初期投資が回収できないなど。
横並びにゆるキャラ作っても経済効果に寄与しないなど。
事業をやっていない人間がコンサルやってもうまくいくはずがないなど。
なかなか手厳しい意見でした。
計画の段階から、
補助金は使い切ることを想定するのではなく、本当に必要な支出を吟味すること。
失敗した時の撤退シナリオなど、当たり前のことを当たり前にやるということなんだろうな。
もっともっと、官民連携というのが盛んにならないといけないし、事業目線を持たないといけない。
地方創生は横並びではなく、その地域の課題やコアアイディアをしっかりと考える必要がある。 -
第1章 ネタの選び方
第2章 モノの使い方
第3章 ヒトのとらえ方
第4章 カネの流れの見方
第5章 組織の活かし方 -
気づき
・地方創生は、行政が中心となり進められ、ある程度成功している印象を持っていたが、そうではなかった。大切なのは、民間が中心となって、失敗・挑戦を繰り返し、課題を解決することだと分かった。
to do
・小さいものを積み上げて、大きなものを作るようにしていく
・失敗と挑戦を繰り返すことで、力をつける -
「地方が創生しないのは、地方が創生しようと思っていないから。」というのは本質。また、補助金でなくビジネスでこそ地方経済が蘇るというのも本質。良書。
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日本の自治体数は大小合わせ1,700+あるわけだが、国が掲げる紋切り一律型の「地方創生」とは一体何なのであろうか。著者はこれらが抱える問題の本質を明確かつ鋭く指摘している。特に第3章の人口施策の問題分析は秀逸だ。地方創生の旗振り役に問題多い某大臣を挿げていたことからもわかる通り、国の力の入れ様は相当空転している。それに対して著者は主にヒトモノカネ観点から課題抽出しているが、その手法は民間企業の其れと普通に行っている方法だ。目標を決めてKPIを定めてPDCAし場合により撤退する。官僚機構はそれが最も適していたからそうした形になっているが、地方交付金や助成金頼みの創生施策が成功しようはずもない。当たり前ながら収支管理をしっかり行う民間手法が適しているはずだ。著者は王道的にしっかりをその点を指摘している。
地方創生の問題を理解する上では面白いのだがやや惜しいのは「あれダメ、これダメ」の失敗理由オンパレードで、いざ施策提言となると一般論やベストプラクティスの紹介に留まっているところだ。富山市の富岩運河環水公園や岩手県紫波町のオガール広場の事例は面白いが、1,700+ある自治体の創生は一般企業と同じく倒産もあり得ることを理解させ一歩踏み込んだ内容が欲しかったと思う。