地方創生大全

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492212257

作品紹介・あらすじ

日本一過激な請負人のノウハウを1冊に凝縮した、日本一まっとうなガイドブック。

地方が抱える問題を「ネタ」「モノ」「ヒト」「カネ」「組織」の5つに体系化。
28もの「問題の構造」を明らかにし、明日から取り組める具体的な「再生の方法」を提言する。


●●●ネタ:「何に取り組むか」を正しく決める●●●
【問題の構造】「ゆるキャラ」は、大の大人が税金でやることか?
【再生の方法】地元経済の「改善」に真正面から向き合おう

【問題の構造】「食えたもんじゃない」特産品が生まれる理由
【再生の方法】本当に売りたければ最初に「営業」しよう
  ほか


●●●モノ:使い倒して「儲け」を生み出す●●●
【問題の構造】「道の駅」が地方を衰退させるワケ
【再生の方法】民間が「市場」と向き合い、稼ごう

【問題の構造】「禁止だらけ」の公園が地域を荒廃させる
【再生の方法】公園は「地価上昇」のために使い倒そう
  ほか


●●●ヒト:「量」を補うより「効率」で勝負する●●●
【問題の構造】乱暴すぎる「移住促進」策
【再生の方法】「誰を呼ぶのか」を明確にしよう

【問題の構造】人口は増えても減っても問題が起きる
【再生の方法】人口増加策より「自治体経営」を見直そう
  ほか


●●●カネ:官民合わせた「地域全体」を黒字化する●●●
【問題の構造】補助金こそ「諸悪の根源」だと断言できる理由
【再生の方法】「稼いで投資し続ける」好循環をつくろう

【問題の構造】ふるさと納税は「来年、半減する」かもしれない
【再生の方法】税による安売り合戦をやめ、市場で戦おう
  ほか


●●●組織:「個の力」を最大限に高める●●●
【問題の構造】地方は「みんなで決める」から間違える
【再生の方法】無責任な100人より行動する1人の覚悟を重んじよう

【問題の構造】悪質な「名ばかりコンサル」が地方を食い物にしている
【再生の方法】自分たちで考え、行動する「自前主義」を貫こう
  ほか

感想・レビュー・書評

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  • 読了。

    地方創生は、補助金などで奇抜な事業を当てることではなく、地方で「稼ぐ」エコシステムの構築を地道に進めていくことでのみ実現することができる。

    ふるさと納税の返礼品の質を高め、財源獲得競争に勝利したとしても、毎年の安定した財源として計算できなければ、地方創生には繋がらない。

  • 全国の自治体の名を挙げて、政策をばっさり。
    良い悪いを例として具体的に取り上げて評価していた。
    超過疎地で公務員をしていた私にとっては全て、
    「仰るとおりです。。」と思う事ばかりだった。
    道の駅、プレミアム商品券そしてふるさと納税、そのどれもが地方創生に役立ったのかとゆうと、全く実感として感じることができない。あの時この本を読んでいれば、私は職員として町づくりに何か提案を持ちかけ、貢献できたのか、と考えさせられた一冊。極端な評価が多かったので、この意見が全て正しいと思い込まず、まだまだ色んな地方創生の本で勉強しようと思う。

  • 地方創生の、実用的な方法を学ぶため、
    購読。

    ほとんどが、行政の批判だった点が残念。
    以下、参考になる視点。

    地域の活性化には、地域がそこにしかない突出したモノで稼げるようになることが大事。

    これまでの地域活性化の政策や、それに関わるコンサルの仕事は情報格差ビジネスであり、
    地域のためにはなっていない。

    まちづくりとは、アセットマネジメントだ。
    地方都市では不動産オーナーと組んで、建物が使われるように価値向上し、新規建物の供給は抑える。それにより不動産価値が向上する。

    補助金に頼らず、稼いで黒字を出していく仕組みを作ることが大事。そのためには供給側でなく需要側に沿って計画を立てる。

    計画でも、失敗した時の撤退戦略がないことがおかしい。

    地域活性化の計画は、重要。だからこそ、計画は地域が自ら策定すべきであり、結果責任を負わない外部のコンサルタントに任せるべきではない。

    • やまさん
      おはようございます。
      きょうは、快晴です。
      体に気を付けていい日にしたいと思います。
      やま
      おはようございます。
      きょうは、快晴です。
      体に気を付けていい日にしたいと思います。
      やま
      2019/11/16
  • 著者は紫波のオガールプロジェクトにも関わった木下斉氏。
    いかに地方が無意味な事業を乱発しているか、行政がまちを貶めているかが述べられている。
    他にも「稼ぐまちが地方を変える」「福岡市が地方最強の都市になった理由」等が有名。

  • 地方活性化に関するサービス開発を絶賛考えている私としては当書籍は衝撃を受けた。
    というのも地元で育ちずっと思ってたがフワッと言えなかったことを専門家の方がズバッと論理的に言ってくれた。また地方創生に関わるものでなくても会社組織という考えでも非常に参考になるといえる。

  • 地方創生に万能薬なんてない。自分たちの手で考えて創り仕掛けよう。

  • たとえ地方活性化事業だろうと、事業は自力で資金を回し、持続できなければならない。税金(補助金)前提だと、危機感がなく、市場に合わない規模の事業になり、柔軟な撤退もできず、不採算事業となって地域の負債となる。

    木下さんが普段Voicyで話されている内容の復習及び補足を読んでいるような気分になりました。

  • ・利益を意識すること
    ・予算、補助金ありきではなくて、自走する仕組みを作ること

    ・モノをパクらず発想をパクる

    ・計画と実践を連続的に同じ人間が行うこと
    ・戦略に反しても良いということ(民間企業として自治体に相対するときはそうもいかないが)

    ・対症療法の繰り返しでなく、根治を意識すること
    →現時点で、まだそこまでいけてないという感覚
    利益追求がある民間として、どういう寄り添いができるか?

    ・個人として、箔をつけること。どこで付加価値を出すか?

  • 学んだこと5つ

    ①観光客数ではなく観光消費を重視しよう
    →10万人が1000円使うものを1,000人が10万使うものに変えていく
    →小さくとも単価が高く稼働率の良い宿泊施設は可能

    ②地方創生に必要なのはお金を継続的に生み出せるエンジン

    ③撤退戦略などを立てると良い
    →必ず最初に決める

    ④公園の禁止を増やしすぎない(広場の扱い)
    →アメリカのニューヨークでは公園のコンセッション(営業権)で入札を行なっている

    ⑤民間の企業をうまく活用する
    →岩手県紫波町公民連携基本計画を立てた

    感想
    現在、自治体にいるが中身を全然理解していないと感じた。dxなどと言っているがそもそもdxを推進しなければいけない根本から考え直さなければいけないと思った。継続的な利益を出すための取り組みを作ることや、撤退戦略を作ることでまず、自治体の財政を復活させることから取り組んでいこうと思った。

  • 読み終わった、テンポよく読めたは読めたけど、後半になるにつれ少し難しかった(私の想像力が追い付かなかった)
    言っていることには全面同意。耳が痛い。
    ただ、長くいる業界が違うので(福祉畑)、県がまるっと不要かといえばそうではないなと思ったり。少なくともまちづくりの分野ではほぼ役割を果たしていないことは改めてよく分かった。
    また、プロセスはだめなまま水際対策にだけバシャバシャお金を突っ込んでるというのは、福祉も共通だと思った。
    とにかく、対症療法しかできないのを変えなきゃいけないな。

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著者プロフィール

木下斉
1982年生まれ。高校在学時からまちづくり事業に取り組み、00年に全国商店街による共同出資会社を設立、同年「IT革命」で新語流行語大賞を受賞。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。08年に設立した熊本城東マネジメント株式会社をはじめ全国各地のまちづくり会社役員を兼務し、09年には全国各地の事業型まちづくり組織の連携と政策提言を行うために一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立。15年から都市経営プロフェッショナルスクールを東北芸術工科大学、公民連携事業機構等と設立し、既に350名を超える卒業生を輩出。20年には北海道の新時代に向けた「えぞ財団」を仲間と共に発足している。また内閣府地域活性化伝道師等の政府アドバイザーも務める。著書『稼ぐまちが地方を変える』『凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』等多数。

「2021年 『まちづくり幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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