希望のニート 現場からのメッセージ

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492222621

作品紹介・あらすじ

ニート対策の現場のプロが書いた若者たちの真実。

感想・レビュー・書評

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  • 2005年刊行。◆本書にあるように、ニートの多義性・多様性を認めた上で、その実状を把握するのは不可欠。また、ニートの外形を具備しているというだけで悪罵を突きつけるのは誤り、というもの理解できる。◆しかし、ニートで居続けることで、キャリアの形成ができず、労働能力の陳腐化を招き、さらには、将来の稼得方法を喪失していくという問題は、肯定的な現状認知では何らの解決指針にもならない。本書も解決と是正への道筋が示されるわけではない。

  • この本は実際に悩む親御さんには読んでほしくない。読んでも何も解決はしないだろう。何故なら作者の経営する寮に入れてお金を払う事しか書かれていないからだ。問題定義もされていたものの、解決の糸口は見えず投げっぱなしに感じる。寮生活で家族と完全に切り離される場合のデメリットには全く触れず、全体を通して耳触りの良く上辺の澄んでいる所だけを飲まされているような気がして気持ち悪かった。巻末の雑居福祉村を検索してみたが2004年前後の記事しか見当たらないのも残念でならない。正直時間の無駄とも思える本であった。

  • <閲覧スタッフより>
    ニートや引きこもり、不登校の若者の再出発を支援するNPO法人「ニュースタート事務局」代表による“ニートの実態”。「糊しろのない生真面目さ」が若者を追い詰めていると著者は言います。ニートになるキッカケ、彼らの声、その対策など、著者が取組む“現場”を紹介しています。
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    所在番号:366.8||フノ
    資料番号:10169183
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  • ニートは労働意欲のない甘えた若者、というのは、大きな誤解。

    現代は、だれしもがニートになる可能性のある時代。
    (というか、自分がなってしまったのだが)

    若者が、「社会の歯車」でさえもなくなり、取り換え可能な消耗品として見られる企業社会の構造が出来上がりつつある。

    筆者自身がニート経験者であり、ニート論について非常に説得力がある。
    といっても、「退職型ニート」の話題や、そこからの自立の体験談が多いので、ひとつのイメージの型として捉えてもいいかもしれない。

    まずは、親と離れることが自立への第一歩。

    最後に、イタリアの「神以外は全員が障害者であり、お互いに助け合って生きていかなければいけない」という考え方に共感いたしました。

  • NPO法人ニュースタート事務局代表の著者による現場レポート。数多くの若者を支援してきたからこそわかるニート達の心の叫びを丁寧に書いている。無意識であれニートは右肩上がりの一元的価値観へのアンチテーゼだと言う著者。スローライフ的価値観のススメとして読み解いても面白い。

  • ニートそのものを肯定する本かとおもいきやニートの人間性を肯定する本だった

  • ひきこもりやニートを支援するニュースタート事務局を運営している著者が彼らについて、温かい姿勢でサポートする中で感じたことや思っていることをエッセーみたく書いてあります。
    心に留まった文を抜粋すると、

    『そもそも、バブル崩壊後の日本社会の在りようが、ニート問題をはじめとするあらゆる問題の背景にある―私にはそう思えて仕方ありません。長い不況を乗り切るために、多くの企業が社員を大量にリストラし、弱肉強食路線へと大きく舵を切りました。職場全体を効率優先へと一気に転換して、正社員から契約社員、あるいは派遣社員への切り替えも急速に進めました。社員の数が減るわけですから、社員一人当たりの仕事量はどうしても増えてしまいます。そのため、残業が増えて帰宅時間が遅くなり、家庭の子育ては、ますますお母さんと子どもがマンツーマンで向き合う「カプセル育児」になってしまいます。一方で、女性社員も、退職したら再就職が難しくなるからと、楽しくなくても仕事は仕事として続ける。それで経済力がある分、妥協した結婚はしたくないと婚期が遅れ、両親へのパラサイト期間も当然長くなります。子どもだってなかなか産まない。以上のようなひとつの大きな流れが、いまの社会にはあるように思います。もちろん、それ以外の社会構造や意識変化なども、密接に絡んでいるのでしょう。ただ、私が言いたいのは、晩婚化とパラサイト化、少子化はけっして個別の現象ではなく、相互に関連しながらセットで進行している、ということです。』

    上記末文の『セットで進行している』には納得です。行政の縦割りのような、ニートはニート問題、少子化は少子化問題、晩婚は婚活と、それぞれの問題を横断的・総合的に取り扱うべきものを、それぞれがバラバラに見る姿勢がそもそもの誤りだと思います。

    本の最後に『スローワーク』という言葉が出てきます。年収1000万円を目指すためにひたすら働くのではなく、年収300万円を一つの目処として、仕事以外の時間を充実させるという昨今話題に上るワークライフバランスですが、著者はハードワーカーとスローワーカーの並行こそが今の社会に求められていると言います。
    僕もこの点は同感ですが一つだけ。
    スローワーカーは年収が低いため、自分の代だけなら大丈夫でしょうが、ゆくゆくは結婚して子を育てなくてはならない。その時、果たして金銭的に大丈夫なのか?と。将来性を考えると、年収300万円では目先の10年は問題ないでしょうが、もっと長いスパンで見ると心許ない気がします。さらに、年収1000万円の人が子どもに莫大な教育費をつぎ込む事が可能で、対して年収300万円の人は難しい。そこで子ども間での格差が出て、しかもそれが固定される公算が強い。つまり、年収1000万円子どもが将来年収300万円のスローワーカーになることはできても、年収300万子どもが将来、1000万のハードワーカーになることは難しい。
    これは国策としての問題も絡んでくるので単純な答えは出ないと思います。
    また、子ども自身がハードワーカーを選ぶかスローワーカーを選ぶのか、個人の問題もかかわってきます。

    ……良いか悪いかは別として、ますます子どもが選択を迫られる時代になりましたね(笑)

  • ニートが増えた原因などが載ってる、ニートの考え方など、ニートの希望性などが載っていて、なかなか難しい問題だと思いました。希望性があるとか著者はいってるけど、私は絶対ニートなんかにはなりたくない。と思いました。だけど、みんないろんな考え方を持っていると思うので仕方ないとは思う。人間いろいろ人生いろいろってやつですね。

  • ニートの現場の声を聞けるという意味においては、貴重なものである。だが、著者自身の経歴における描写には、どうも納得できないところがある。

  • ニート支援NPO団体を設立された方の著作であるため、内容は非常に「現場主義」的な感じ。
    タイトルからもわかるように、ニートに対してもかなり寛容な態度であるし、彼自身の人生論も随分と極端で、受け容れがたい方も多いと思います。
    批判・検討するには好素材なのでは。

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著者プロフィール

1943年生まれ。早稲田大学卒。愛媛県松山市での中学受験塾、幼稚園経営などを経て、99年、ニート支援のNPO法人「ニュースタート事務局」を千葉県に設立。幼児からニートまで、40年にわたって育成に携わった親子は4000組を超える。早稲田大学講師、千葉県・内閣府等の委員を歴任。21世紀の子育てを支援する「安心親子応援団」事務局長。

「2012年 『ニートがひらく幸福社会ニッポン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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