勝ち負けから降りる生き方

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492223000

感想・レビュー・書評

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  • 降りることでかえって強くなる。
    職場以外で自分の居場所を見つける。
    それでも、私は勝ちたい、勝ちにこだわりたい。
    負けるのは許せない。

  • この本に書かれている『勝ち負け』という価値観。

    この本を読む中で、思うのは自分の価値観を持つことの大切さのように思います。
    ボク自身は『勝ち負け』があってもいいし、なくてもいい。
    どっちにも長所はあるし、短所もある♪

    この本のように『勝ち負け』というものが悪いものというのも正直考えもののような気もします。

    またホントに小さな失敗や小さな成功を積み重ねることが、一つ価値観を作っていくポイントなのかもしれません。
    どちらにも耐性があるほうが自然に柔軟になれるのかな?なんて思いました。

    そんなことを考えさせられる一冊です☆

  • 誰もが勝ち負けで人生を判断するようになった現代、
    正社員が勝ち組かと言うと、そうではなく、正社員の中にも勝ち組と負け組がいて、
    その勝ち組の中にさらにまた、勝ち組と負け組がいるように、
    99,9%の人は勝ち続けることはできず、どこかで必ず負ける。

    人生が勝ち負けの連続である以上、結果にこだわる限り精神的な浮き沈みは激しくなるばかり。
    だったら最初から結果にこだわらず日々の暮らしを楽しむのが良い、というのがこの本の要旨。

    仕事で勝ち組になりにくい時代、ましてや仕事は人生の3分の1~4分の1
    程度の時間しか占めていないのだから、生きる意味や自尊心の
    拠り所が仕事だけだといつか必ず行き詰る。

    しかし、もし自分の中に「3つの世界」を持っていれば、どれか一つが上手くいかなくなっても
    まだ他にも自分の居場所は残されている。
    3つの世界とは「働き」「仲間(仕事以外の)」「役立ち(仕事以外の)」で、その世界を持つことによって心の拠り所を三つに分散できる。

    自分の心を読まれている気がするくらい、著者の主張には非常に納得である。
    だからと言って、私はまだ勝ち負けから降りることはできない、けど。

  • この本に書かれてあることは恐らく正しいのでしょう。しかし作者の言うことを鵜呑みにできる人は人から足元を見られたり、値踏みをされたことがない人だろうなと言うのが一読した上での僕の感想です。

    ちょっと気になって読んでは見たんですけれど、正直言ってここに書かれてあることをそのまんま鵜呑みにできる人は人から足元を見られたり、値踏みをされて不快な思いをしたことがない人なんだろうな、とつい勘ぐりながら読み終えました。

    筆者いわく
    「学歴、仕事、年収、結婚、子育て……ずっと勝ち続ける人はいない降りることで、かえって強くなれる!」
    のだと。確かにそれはそうでしょう。ビジネスの世界でも、それから投資の世界でもずっと勝ち続けて引退をした人はいません。たとえば、スティーブ・ジョブズは自分の創った会社を一度追い出され、ジョージ・ソロスだって「イングランド銀行に地をつけた」といわれる巨額のポンド取引のあとにロシア危機の際に行った投機の失敗をはじめ数々の敗北を喫しています。

    「99.9%の人は、いつかどこかで必ず「負ける」(勝ち続けないかぎり、勝ち組ではない)」
    というのもそうですし、
    「「働き」「仲間」「役立ち」の3つの世界を持つことは、人生の最高のリスクヘッジ」
    と筆者が主張するのは彼が主催するNPO法人で日々、ニートやフリーターを相手にしての結論なのでしょう。

    「別な本に日本の格差社会が進むと同胞意識がなくなっていく」
    という話を聞いたことがありますけれど、僕個人のことは別にして日々、巨額のお金を扱って、六本木にあるような会員制の図書館を当たり前に使える人間と年収200万円クラスの人間が「同じ」日本人だ、という意識を持つのはやっぱり難しいだろうな、という読後感を持ちました。

    個人的な将来の日本人像はアメリカ型のように朝から深夜まで働きづめに働いて生きる人間と、ヨーロッパ型でそこそこに働いて食い扶持を稼ぎ、あとは余暇や友人との付き合いをを楽しむ、というスタイルに分かれていくのでは?という感じがします。ただ、ここに書かれているようなニートやひきこもりが自立するのはワーキングプアしかないというのは少々乱暴すぎるような気がしないではないです。僕はまだ、勝ち負けという生き方から降りる気が毛頭ないのでしばらくは続けますけれど。

  • その2”降りるちから”
    ☆「降りることで、かえって強くなれる」
    強/弱、勝ち/負け といった二項対立から抜け出せること。それがほんとうの、つよさ!?

  • とても共感できるところが多数。
    人はみな不完全で、不完全な所を認め合える中が大切だというところに特に感銘を受けた。
    人間知らないうちにでも相手に求めるところが多くなり、ただ単にこうであってほしいという願望をこうでなくてはならないと思ってします。でもそれは本当の人間関係ではない。
     相手の事を思いやるというのは、自分の思うようには当然ならないという事をわきまえる事だ。その上であきらめずに人に働きかけるのが大切だと思う。

  • 引きこもりやニートの若者を支援するNPOを設立した著者が、勝ち負けにこだわらず生きて行こうよといった本。
    で。。。気にせずがんばろうねって?

    <読書メモ>
    ・動き出せない理由の一つに自己評価の低さ
    ・仕事で自己実現しないといけない
    好きなことを仕事にする。といった強迫観念
    ⇒できなければ自分はダメな人間
    ・3つの必要な体験
    労働体験
    人間体験
    社会体験
    ・3つの世界を持て(職場以外の自分の居場所)
    ・「面流」
    点(2者択一)ではなく、線⇒面で
    加えて時間軸=流れ
    ・「ロング」で「ワイド」に考がえ
    「パーソナル」に満足の行く方向を目指す


    <目次>
    第1章 みんなが「勝ち組」をめざす時代
    第2章 「勝ち組」の焦りと不安――「勝ち組」は本当に幸せか?
    第3章 それでも人はなぜ「勝ち組」をめざすのか?
    第4章 「勝ち負け」から降りる第一歩――仕事に何を求めるか
    第5章 「勝ち負け」から降りる生き方

  • これはなかなか有意義な本でした。いろいろ考えさせられるという意味でいい本でした。

    確かに、いつの時代からか「勝ち組」「負け組」と言うすみわけができました。昔の高度成長時代にも格差というのはあったのですが、勝ち負けと言う差はなかったのです。それは、それぞれの立ち位置でそれぞれの価値があったということでしょう。ところが今の時代は、全員が同じ価値判断で比較し、それは「勝ち組」「負け組」となり、少なくとも負け組には入りたくないと思うようにもなってきているとのことです。

    しかし、正社員が勝ち組かと言うと、その正社員の中にも勝ち組と負け組がいて、その勝ち組の中にさらにまた、勝ち組と負け組がいる・・・と言うように勝負はほんの少数を除いては、ほとんどの人が勝ち続けることはできずに負けるということです。高校野球の頂点は1校しかないのと似ているなあ。

    私自身も一般的に言われる勝ち組とか負け組と言う切り分けには興味がなく、目の前のチャンスを逃すなと言う意味で、チャンスをつかむことが勝ち組と言うのなら、それもありだろうと思っています。キャリアアップやスキルアップも競争としての道具ではなく、自らの自己実現の道具ならいいんじゃないかと思ったりします。本書でも指摘がありましたが、問題解決能力ではなく、問題を見つける能力などは重要と思いますが、そんな能力を身につけるなどの勉強はあってもいいかと思うのです。

    仕事がすべてと言う仕事中心の考え方は確かに、自分の人生を見たときにおかしいものだと気がつくのも事実です。40年ほど働くとして、1週間40時間労働なら、40/168、つまり4分の1しか働く時間(生涯労働時間は10年)はないということです。たとえば、社会人になって死ぬまでに60年あるとしたら、そのうと10年が仕事の時間で、あとは他の時間であるということにはなかなか気がつかないものです(でも、私は、多分、1週間でもう少し仕事をしているし、職場を離れても仕事をしているから、、、と言うもののそれでもせいぜい15年くらいかな)。寝ている時間も多いけどねえ。

    現在のワンルームマンションやコンビニなどの便利さの問題点、メールでの会話の危うさ、高度成長時代から引きずる価値観を子供に期待する親などなど、今の時代への警鐘と言う意味ではなかなか面白い視点でした。

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著者プロフィール

1943年生まれ。早稲田大学卒。愛媛県松山市での中学受験塾、幼稚園経営などを経て、99年、ニート支援のNPO法人「ニュースタート事務局」を千葉県に設立。幼児からニートまで、40年にわたって育成に携わった親子は4000組を超える。早稲田大学講師、千葉県・内閣府等の委員を歴任。21世紀の子育てを支援する「安心親子応援団」事務局長。

「2012年 『ニートがひらく幸福社会ニッポン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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