「婚活」現象の社会学 日本の配偶者選択のいま

著者 :
制作 : 山田 昌弘 
  • 東洋経済新報社
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492223031

感想・レビュー・書評

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  • 合計特殊出生率が地方の方が高いのは、未婚女性が大都市へ出ていった結果、分母の女性が少なくなったから
    配偶者がいないという意味での独身者は男性でちょうど50%,女性はほぼ40%
    社会学の役割は、人が見たいとおもわない社会的現実をあえて明らかにすること
    選択肢が増えることは、実は多くの人にとって、望ましい事態ではない。自分の選択肢が増えることは同時に、他人の選択肢も増えることであり、その結果選択できない可能性が増えるからである
    妻子を養って豊かな生活を送ることができる男性の激減という現実

  • 結婚というものは自分がそうしてきただけあって、自然と恋愛をして時期がくれば結婚するものだと思っていましたが、現在では就職活動と同じような活動である「婚活」があるのですね。

    結婚のあり方は、私の両親の時代は「お見合い」がメインでしたが、私の頃は「恋愛」でした、それで今ではそれに相当する言葉は何なのでしょうか、「合意」でしょうか。

    この本では、最近の若い人が就職だけでなく、結婚に対しても相当な苦労をしている人が多いのだなと実感しました。私の時代(インターネット出現前)と比較して、情報過多になっていて振舞わされている面もあるのではと思いました。

    この本の中で述べられている「女性は結婚によっていかようにも生活が変化する、結婚とは「生まれ変わり」である」という点は、男性にも大いに当てはまると思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・少子化の主因が「未婚者の増大」にあることが、なかなか受け入れられない、結婚しているカップルは二人程度の子供は生み育てている、80-90年代の少子化は未婚率の上昇によって説明可能(p19)

    ・結婚難の主因は、女性の期待に見合うだけの経済力を持つ男性の数が減少していること(p22)

    ・合計特殊出生率が地方において高いのは、未婚女性が大都会に出て行った結果、分母となる女性が少なくなったから(p27)

    ・婚活現象が本格的ブームになったのは、リーマンショック後の不況が大きな原因となっている(p31)

    ・現在は、1)待っていても理想の結婚相手は現れない、2)妻子を養って豊かな生活を送ることが出来る男性が激減、という2つの現実がある(p34)

    ・1対1の会話時間を含む交流会は、参加者数50人くらいまでの規模が限界(p95)

    ・1965年から1969年の間に見合い結婚と恋愛結婚の比率は逆転し、見合い結婚の割合は1995年以降は1割以下程度(p131)

    ・結婚は、男性にとっては「イベント」、女性にとっては「生まれ変わり」である、女性は結婚相手によっていかようにも生活が変化する(p136)

    ・女性が親にパラサイトしながら、非正規雇用で暮らせる分、北日本と比較して南日本は豊かである(p170)

    ・女性の働き方の変化は、1)均等法以前(1960年代前半生まれまで)、2)第一期均等法時代(1970年代前半生まれまで)、3)就職氷河期時代(1970年代後半)、4)1980年代前半生まれ、に分かれる(p180)

    ・お財布は妻が持ち、夫はお小遣い制というのは、日本・韓国・台湾にしか見られないシステムで、これは日本男性も意外に知らない(p182)

    ・アメリカ人は、5つの人種に分けられる、白人・黒人・アジア系・ヒスパニック系・インディアンと言われていたネイティブ・アメリカンである(p201)

    ・日本において10年ほど前は、「三高:高収入、高学歴、高身長」であったが、ここ数年は「三低:低姿勢(レディファースト)、低リスク(安定した職業)、低依存(お互いの生活の尊重)」であったが、最近はさらに「三手:手伝う(家事や育児)、手を取り合う(お互いの理解と協力)、手をつなぐ(愛情)」が加わってきた(p209)

    ・アメリカと日本との大きな違いは、1)共働きが多いので片方の収入が少なくても結婚へ到達可能、2)雇用に対して年齢制限がない(違法なので)、である(p219)

    ・中国の結婚に置いて親の意見が重要なのは、結婚生活を始めるのにお金がかかり、多くは親が負担するから、平均月収:4万円に対して、マンション購入:850万、女性家族に渡す礼金:50万円以上、披露宴:50万円も必要(p226)

    2010/09/19作成

  • メインタイトルどおり「社会学」の本です。統計データに基づく分析にはイマイチ興味がわかないあたり,学生時代と変わりません。単に数字が苦手なだけですが。結婚に恋愛と経済のふたつの要素を求める「積み過ぎた」結婚には将来性がなく,どちらを捨てるか。アメリカは経済を中国は恋愛を捨てる方向に向かっているが,日本はどちらにも向かえず,不可能性の時代になるのではという山田説は悲観的すぎるとは思わない。共働きで維持できる家計を前提としない限り,婚活の限界は超えられないだろう。やっぱりベーシックインカムかなぁ,と思ってみたり。

  • 『“婚活”に疲れた。』という声をたまに聞くことから、このタイトルに惹かれ読んでみた。
    著者が“婚活”ということばを最初に使用した方とは知らなかった(そしてあのテレビに出てる有名な方ということも)。
    わたしは“婚活”ということばが定着した社会背景も認識していないまま読んだため、いろいろ合点のいく内容も多くおもしろく読めた。
    結婚相談所の方の聞き取り調査、も裏話ぽくて興味深かった。

  • 社会学者こそが社会現象をいち早く解析し、明確な「言葉」で表現できるのでしょうね。商標権などはないのでしょうかね。

  • 「婚活」は、出会う前に、自分を磨いて能力を高めることが大切。

    男性ならコミュニケーション能力。
    女性なら経済力。

    ただ出会いの数を増やしてもいたづらに費用を費やしてしまうだけ。

    少子化の原因は、既婚者にとって子供を作りにくい環境だからではない。
    未婚者の増大にある。

  • 結婚について新たな解釈が得られた。妥協するとかじゃなくてこれからは男女ともに働きながら一緒に子育てするのがベストなんだと思う。そして、自分磨きして経済力をつけることが女の生きる道だ!

  • 周りに結婚しない子供いない友人が多いので、読んでみた。したくないわけじゃない。でもする必要性も感じない。正解があるわけでもない。たまたま今の制度になっているだけなわけで。

  • 「婚活」という現象の流行と、その意味するところの変容を、ブームをつくった山田昌弘、白川桃子も交えた著者陣で明らかにする中間総括的な本。若者の交際と結婚活動の実態、結婚仲人の語りから見た「婚活」など、不況下で若者の結婚観がどのように変わっていったのか、実態としてどうなっているのか、立体的・具体的に論じていて興味深い。

    高くなった「恋愛感情」「経済生活」の二つの条件を両立することができないため、(中略)結婚難が起こり、それが婚活ブームに火を付けた。しかし、結婚活動をしたからといって、この結婚相手に求める基準事態を低下させることはできない。そのため(中略)結婚の不可能性の時代が始まっているとも言える。(山田による終章より)

    結婚できる男女を増やすためには、「恋愛感情」と「経済生活」という重い積み荷のどちらかを下ろさねばならない、と山田は説く。さて、あなたならどちらを下ろしますか?

  • 見合い結婚のハードルが高くなったので減った,という話と,「婚活」の意味の変容が面白かった.

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著者プロフィール

山田 昌弘(ヤマダ マサヒロ)

1957年、東京生まれ。1981年、東京大学文学部卒。
1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学。コピーライターとしても定評がある。
NPO全国地域結婚支援センター理事

【著書】
『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会』(ともに筑摩書房)、『新平等社会』『ここがおかしい日本の社会保障』(ともに文藝春秋)、『迷走する家族』(有斐閣)、『「家族」難民』(朝日新聞出版)などがある。

【公職】
•内閣府 男女共同参画会議・民間議員
•文部科学省 子どもの徳育に関する懇談会・委員
•社会生産性本部 ワーク・ライフ・バランス推進会議・委員
•厚生省 人口問題審議会・専門委員
•経済企画庁 国民生活審議会・特別委員
•参議院 調査室・客員研究員
•東京都 青少年協議会・委員
•同 児童福祉審議会・委員
•内閣府 国民生活審議会・委員
などを歴任。

「2016年 『結婚クライシス 中流転落不安』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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