なぜ日本は若者に冷酷なのか: そして下降移動社会が到来する

著者 :
  • 東洋経済新報社
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492223352

作品紹介・あらすじ

【目次より】
◆若者に冷たい社会 子どもにやさしい親 ~親依存社会がもたらす格差の拡大
◆生活レベルが親世代より低下する ~下降移動社会の到来
◆就職以外の選択肢がない学生たち ~大学の高校化が進んでいる
◆なぜ若者は恋人をつくらないのか ~消極化する男女交際のテコ入れが必要 
◆投機化する教育 ~学歴を費用対効果で格付する
◆家族をやめるという選択肢の広がり ~近代家族イデオロギーの崩壊


若者の経済状況に比べれば、その親世代が恵まれているとはいえ、格差があることは確かである。親が早く亡くなった、親自体がリストラに遭った、親が離婚したなど、さまざまな理由で、親に若者を依存させる余裕がないケースも増えてきている。若者が強者だった時代、おおむね1990年頃までは、学校を卒業さえすれば、男女とも自立して生活ができる定職に就くことができた。しかし、今は、学卒後、定職に就けない若者が増えており、親にも頼れない場合は、不安定な職で自立して生活するしかない。その結果、ホームレスやネットカフェ難民、そして、生活保護を受ける以外にまともな生活をする手立てがない状況に追い込まれる。つまり、欧米で見られたようなアンダークラスの若者が増え始める。日本では、そのような若者が大量に出てこないのは、まだ親が面倒を見ているからであり、それができない親が増えれば、当然、日本でもアンダークラスの若者が増えることは必然である。 (本文より)

感想・レビュー・書評

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  • なぜ日本は若者に冷酷なのか。

    ・持続可能なワーキングプアー対策として考えられるのは、流動的単純労働の必要性を認めた上で、それに従事する人々の生活の安定と、将来への希望をつなぐことでしかない。
    低収入の非正規雇用者の生活水準引き上げのためのミニマムインカムの導入、非正規雇用者や自営業者にも適応できる失業保険、新卒一括採用慣行を変えていく必要など。そのための大きな制度的変更と消費税などによる国民負担が必要。
    ・女性が活躍しない国は財政赤字が拡大する。

  • 概ね著者に同意

  • 社会
    家族

  • 希望格差社会でも出た、パイプライン崩壊(決まった進路が保障されない未来)など、使い古しも多い。

    日本人が外人妻と結婚し、死後厚生年金を海外で受け取って豪華な暮らしをするっていうのは面白かった。それは結局現役の保険者からお金が出されているわけだけど。

  • 最初は、斜に構えて読んだものの以外と面白かったです。が、新卒一括採用に関する誤解と、これが書かれた2013年とは社会情勢が相当異なっているので、その部分は違和感がありますが。

  • 日本の社会構造への問題提起

  • いまひとつ題名に対する答えになっていないし、割と前からの主張で追加が少ないが、読みやすかった。

  • 三葛館一般367.6||YA

    非正規雇用、無職、ままならない恋愛、未婚率の増加、格差の広がりなど、どれも耳を覆いたくなるようなことばかりですが、それは現実にあるのです。けっして自分には関係ないからとは言いきれません。
    未来の不安やリスクに若者はそして社会はどうすればいいのでしょうか。
                                   (ゆず)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=68861

  • 金の卵 パラサイト・シングル 奨学金の支給額(日本はOECD34カ国中最下位) 所得による教育格差に対する意見(朝日新聞とベネッセが行った調査。「親の格差は子供の格差に引き継がれるのは当然」とも読み取れる結果が出た) クリントン大統領「今の子どもが大人になった時、自分の親よりも豊かでない生活を贈る史上初めての世代に成るだろう(1993)」 階層の下降移動社会(かつての親世代とは違い、親と同じ高卒では同じ生活レベルを維持できない、という時代になっている) 新司法試験(選抜試験でありかつ5年間に3回しか受けられない(三振者が出る)) ヤンミン=マイミン「パイプライン・システム」 所在不明高齢者 おひとりさま 年金パラサイト 感情体験産業(メイド喫茶・ボランティア旅行など。「承認欲求」を満たしている) エリック・エリクソン「アイデンティティ」 アンソニー・ギデンズ「共依存」 日本の年金村(アジアの某国にあるとのこと。遺族年金で優雅に暮らす人がいる) 三号被保険者問題(正社員の妻でない場合、専業主婦も保険料を支払う義務がある) ブーメラン族(一度独立した子が失業や離婚で戻ってくること) 流動的単純労働はなくせない フォーディズム(労働形態) エスピン=アンデルセン「高齢化が進む先進国では高齢者の既得権を削減する政策はとりにくい」 夫婦別姓制 

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著者プロフィール

山田 昌弘(ヤマダ マサヒロ)

1957年、東京生まれ。1981年、東京大学文学部卒。
1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学。コピーライターとしても定評がある。
NPO全国地域結婚支援センター理事

【著書】
『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会』(ともに筑摩書房)、『新平等社会』『ここがおかしい日本の社会保障』(ともに文藝春秋)、『迷走する家族』(有斐閣)、『「家族」難民』(朝日新聞出版)などがある。

【公職】
•内閣府 男女共同参画会議・民間議員
•文部科学省 子どもの徳育に関する懇談会・委員
•社会生産性本部 ワーク・ライフ・バランス推進会議・委員
•厚生省 人口問題審議会・専門委員
•経済企画庁 国民生活審議会・特別委員
•参議院 調査室・客員研究員
•東京都 青少年協議会・委員
•同 児童福祉審議会・委員
•内閣府 国民生活審議会・委員
などを歴任。

「2016年 『結婚クライシス 中流転落不安』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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