科学立国の危機 失速する日本の研究力

  • 東洋経済新報社 (2019年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (538ページ) / ISBN・EAN: 9784492223895

作品紹介・あらすじ

科学・工学分野の論文数・日本は6位に後退、中国が初の首位
「日本の科学力失速、地位危ない」と英ネイチャー誌が警告!

論文数(人口あたり)、大学の研究資金・研究者数、博士課程学生数……
いずれも先進国で最低レベルにまで急落した日本。

日本の科学研究の現場でいま何が起こっているのか。どうすれば競争力を取り戻すことができるのか。
科学力・研究力の低下は、10年後、20年後の社会・経済にどのような影響を及ぼすのか。

国立大学財務・経営センター理事長として、大学経営の実態や研究現場の声を徹底リサーチした著者が
日本の科学研究力の実態を明らかにするとともに、失速の原因、再生の青写真について、豊富なデータをもとに明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 新書くらいかな?と思って軽い気持ちで借りたらすごいボリュームだった…。
    とにかく「研究人件費」を「広く(中小規模大学にも)」「充分に」「国費で」配分しろ、ということが延々とデータとともに書いてある。切実だなあ。口調は穏やかだけど、これ結構怒ってるんだろうなあ、と思いました。
    「収穫逓減」という概念はなるほどと思いました。成長はいつも直線的とは限らない=いま論文数の少ない大学には少額の投資でも大きな効果がある。
    マックス・プランクとフランホーファー研、興味深い。

  • ↓こちらのURLをクリックすると富山大学蔵書検索画面に飛び、所在を確認できます。
    https://opac.lib.u-toyama.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB27655103

  • 論争を惹起しそうな本だ。

  • 409.1||To

  • 膨大なデータに基づく歴史的 “憂国” の書。大学人はもとより、多くの政策立案者や一般市民に読んでもらいたい。
    「政府からの大学研究資金→研究人件費→研究従事者数(FTE)→論文数(p220)」
    日本の論文数が質・量ともに「惨憺たる状況」なのはこの流れがないから。旧態な大学の自己変革は当然として、公的研究資金の拡充なくして科学立国の復活はありえない。その意味でtaxpayerたる一般市民にも「失速する日本の研究力」の現況を知っていただきたい。
    それにしても豊田先生、国立大学経営の経験があるとはいえ(元三重大学長)、専門は臨床医学(産婦人科学)なのに、この高等教育研究の分析力はスゴイ!

  • 請求記号 407/To 83

  • 以前から注目していた著者の集大成ともいえる本。国は選択と集中の罠にはまるな!

  •  多くの図表をもとに丁寧に危機的状況が説明されている。
     技術力で世界の国々と戦うためには、日本の公的研究期間の研究資金と研究従事者数を1.5倍から2倍に増やして、人的・資金的に研究環境を改善する必要があるとの主張だ。
     日本の運営費交付金や私学助成金の少なさは眼に余るものがある。社会保障費が増大する一方で、普通の国民は生活の中で実感しずらいこのような高等教育・研究費が削られているのだろう。
     ただし、ミクロ的視点に立ち、個々の大学や研究機関を見ると、その教育や研究のレベルに疑問を持たざるを得ない現場(教員、研究者)も少なからず存在する。どこまで許容し、淘汰していくのかという議論もシビアにする必要もあるのだろう。
     ノーベル賞受賞者の本庶佑先生が製薬会社に対して特許料の件で不服を申し立てているのは、まさに若手研究者の育成資金を確保するためであることも認識しておきたい。

  • 図表222枚はいくらなんでもやりすぎ。
    結論に持っていくまで回りくどい。
    冗長。

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著者プロフィール

豊田 長康(トヨダ ナガヤス)
鈴鹿医療科学大学学長
1976年大阪大学医学部卒業。その後、三重大学医学部助手などを経て、1991年三重大学医学部産科婦人科学研究室教授。2004年三重大学学長。2009年三重大学退職。同名誉教授。同年鈴鹿医療科学大学副学長。2010年独立行政法人国立大学財務・経営センター理事長に就任。大学経営の実態や研究現場の声を徹底リサーチし、日本の科学力・研究力の危機を訴えてきた。2013年より現職。

「2019年 『科学立国の危機 失速する日本の研究力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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